▲大会提供花火「歓喜」
ちなみに、これがメインではないがの大曲。メインは競技花火ですよ!
▲大会提供花火「歓喜」
今年も、各社から玉を提供してもらって打ち上げたのだが、その企画自体はすでにやったことあるので、打ち上げ構成を変えるべきだと思うよ。ちなみにこれは野村玉ね
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さて、今年の夏花火は、大曲をもって締めることと相成った。例年の常総が前倒ししちゃったためである。
ちなみに、来週は片貝に行くが、こちらは秋花火だから(秋季例大祭だもん)。
例年、花火セミナーのお手伝いをするのだが、立ちっぱなしが結構ツラいので、捻挫の後で無理したくないこともあり、抜けさせてもらった。だが、当初はお手伝いするつもりではあったので、新幹線は東京発6:00の臨時こまちである。大曲に9:40ぐらいに着いてしまう
席は確保済みだし、ホテルはチェックインできる時間じゃないし、大曲ってボーっとするところないし…。ということで、いったん秋田まで行くことにする。もともと切符は秋田までの企画ものだ。
終点秋田で降りて、大荷物をロッカーに詰めてバスに乗る。川反近くのビジネスホテルは日帰り入浴施設も併設している。以前利用したことがあるのだが(このブログでも書いてある)なかなかいいお湯で、何より浴槽が好みの深さであるのが良い。
そこで、1時間ちょっとお風呂を楽しんで、秋田駅に戻る。秋田土産を今日の内に物色してしまえば、明日チェックアウトまでのんびりできる。ということで、サブレとかガッコとかはたはたとかバター餅とかワラワラと買い込む。
そいつらを持って、奥羽本線各駅停車で大曲へ戻る。新幹線高いもん。
昼過ぎの電車がまだそれほど混んではおらず、座ってのんびり約1時間。大曲到着後花火庵へ直行。桟敷席券を無事友人に渡すことができた。そのまま約1時間、少しだけお手伝い。
ホテルにチェックインし、必要な荷物だけをリュックに入れて、いざ雄物川へ。雨の心配がなくなったために大幅な荷物の軽減はできた。
今回の場所はアップル階段近くなれど、最上段。尺玉正面コースという、尺玉上等!の私にはかなり満足度の高い席である。
ちなみに、創造花火は遠い。思ったより遠い…。だけど、昼花火がわずかに左に向く位置に上がって、西日に邪魔されにくい位置で、初めて青空に何とか裸眼で見ることができたよ。これって想像以上の良席じゃない!?
ということで、大曲の花火、入賞作品を淡々と上げていく。
もう一度言う。大曲は競技花火がメインですよ!
まずは
創造花火より。
大曲の最高位は、内閣総理大臣賞である。各所では競技花火は行われているが、内閣総理大臣賞があるのはここ大曲と秋の土浦のみである。
つまりそういう凄い賞であるということ。
▲【内閣総理大臣賞】野村花火工業「光の旋律」:創造花火の部 優勝
▲野村花火工業「光の旋律」:創造花火の部 優勝
内閣総理大臣賞というのは、大曲における総合優勝なのだが、実は野村さんはこの創造花火のみの入賞にとどまっている。この後を見ていただければわかるが、全項目で入賞している煙火店もいるのに、である。
この件に関しては、別所で審査委員の講評を聞くことで一応腑には落ちたのだが(要は減点要因があったかどうかが分かれ目であった)、それを聞いていない人は、単純には理解しがたいのではないだろうか。
得てして、そういう不満は煙火店さんに向かいがち。野村さんのためにも、大曲の花火の中の人は、講評の概要だけでもテキストとしてアップすべきだと思う。
ぜいたくを言えば、翌日の表彰式も一般客を入れるとか、ペアーレや駅の物産コーナーのモニターに中継するとかしちゃってもいいのではないかと思う。
▲大曲花火化学工業「輝く星へ感謝を込めて…。」:創造花火の部 準優勝
今年、五重芯に挑戦するということで、何かと話題だった同社。もちろん、五重芯だけでは大曲では優勝できないので、創造花火も昼花火も頑張っていらした。なお、五重芯はもう一声!
▲磯谷煙火店「スノークリスタル~オーロラに舞う雪の妖精~」:創造花火の部 優秀賞
自由玉のスノークリスタルを基調に、寒色を使って涼しげな演出。惜しむらくは、フィナーレで盛大に地上落下をしたということ…。
▲イケブン「皆既日食【夜に届ける光イリュージョン】」:創造花火の部 優秀賞
昨年にも増してピカピカしていたイケブン。もう飽きたといっていいですか? あそこまで強烈だと、少々変更しただけではあまりインパクトがないというぜいたく病。あえてタイトルや同社の特徴玉でない箇所からセレクト。だってあの時差変化うまく撮れないものねw
▲山崎煙火製造所「雅、奏でる」:創造花火の部 優秀賞
扇の型物を用いたスタマでした。小さいサイズの扇は「ん、なんだ?」と思いましたが(私の席から遠い)、大きくなってきたらよくわかりましたw
▲齊木煙火本店「雨の日は傘をひらいて踊ろうよ!」:創造花火の部 優秀賞
ここは、あの曲じゃない?って思っていたの、思いっきり外されましたw 虹色の傘が白い柄付で表現されるのですが、傘が思いっきり開いたときに傘のパーツが三角形△△△に分かれて丸を描くので、「ピザ?」に見えるという私の食欲中枢www。いつ虹の雨が来る!?って構えていたら、水色の雨でした
▲マルゴー「儚火~美しく咲き、そして散りゆく~」:創造花火の部 入賞
素晴らしい割物、自由玉を見せつけた、その興奮が冷めやらぬうちに始まったマルゴーさん。青い玉の中を銀がキラキラ走る切れ味は相変わらず。終幕のこの小割は、明暗厳しくて起こす際にちょっとバランス壊した気もするが、儚さは分かるかと…。
▲信州煙火工業「Moonbow~月夜に浮かぶ幻の虹~」:創造花火の部 入賞
月夜の虹って、日本で見られるのかな?(ビクトリア滝などでは見られます)ということで、昼の虹よりも淡く儚い月夜の虹を表現。
▲小松煙火工業「玉桜~月光に揺れる華の舞~」:創造花火の部 入賞
自由玉の「玉桜」をモチーフにした創造花火。分かりやすい構成は好きです。
▲伊那火工堀内煙火店「涙~あの恋を思い出して~」:創造花火の部 入賞
思わず、昨年の夏何があったのぉって気になるタイトルw でも要は、昨年の悲しい思い出なんて振り切って、今年も頑張ってますってことですよね(ポジティブ思考にしてみた)
▲紅屋青木煙火店「Masqueradの世界~儚くも優雅な時の流れ~」:創造花火の部 入賞
この手のタイトルの時の青木さんは明暗激しいので…。とかなり構えていたが、やっぱり大変だったw
▲菊屋小幡花火店「神々の楽園~天空に咲く花~」:創造花火の部 入賞
しっとり繊細。この引き先の長いの良い。
10号玉芯入割物の部。
三重芯以上の割物が最低条件となっている。花火は一番外の光を親星と呼び、その内側の丸いのを芯と呼ぶ。その芯が三重以上になっており、さらに外に親星があるので、見た目は四重の丸が見えることになる
▲太陽堂田村煙火店「昇り雄花四重芯変化菊」10号玉芯入割物の部:優勝
田村さんに限らず、各煙火店には多重芯の決まった色というのがある。田村さんのところは、この色合いで例年出品しており、入賞の有無はその時の花火玉のコンディションによるものだろう。今年は真円に近い芯が見事であった。それより、自由玉が良かったのだけど、あれ、入賞してない!?
▲伊那火工堀内煙火店「昇り分砲付四重芯菊先紅緑白閃光」10号玉芯入割物の部:準優勝
実は田村さんよりも丸く見える堀内さんの玉。私の位置はド正面で、審査員は斜めに見ているから、見え方が違うのかな…。
▲山崎煙火製造所「昇曲付五重芯銀点滅」10号玉芯入割物の部:優秀賞
今年は全4社が挑戦した五重芯。その中の最高位は山崎さんでした。私は山崎さんの玉が一番視認効果が高いと思っているのですが、なかなか賞に結びつかないことがあったので、ちょっと嬉しい。
▲田畑煙火「昇曲導付四重芯菊先青紅光露」10号玉芯入割物の部:優秀賞
ここの星配色も華やか。センター部の閃光は意図的なのかパックリの時の問題か!?
▲信州煙火工業「昇曲導付四重芯引先黄閃光」10号玉芯入割物の部:入賞
信州さんは落ち着きのある配色が好きだったのだけど、親星を黄色に変えてきた。
▲篠原煙火店「昇曲導付四重芯菊花の誉」10号玉芯入割物の部:入賞
今年は五重芯をやめてしまった篠原さん。四重芯でも完璧であれば優勝できるもんね。とはいえ、今回は真円にはなっとらんがな…。斜めに見る審査員せきからは真円なのだろうと思っておくしかあるまい。
▲マルゴー「昇り曲付三重芯変化菊」10号玉芯入割物の部:入賞
たしかに芯入割物だけどさぁ…。これをこちらにブッ混んでくる度胸と知略に魂消たわ。その動揺が消えないうちに自由玉だから、もう魂ぶっ飛ぶ…。要は、三重芯でありながら、時差変化がぐるぐるキュルッキュルなんですわ…。この玉が正当に評価されるには大曲はまだ早すぎる気がする。写真だとこの動揺は1ミリも伝わらないと思うので、動画を探してみてください(お手上げ)。
10号自由玉の部。
芯入割物とは異なる花火を自由に表現するというもの。枝垂れてくる冠菊(たぶん一般人は「しだれやなぎ」と誤って認識されているとおもわれる)はこちらに含まれる。ほかには八方菊とか、千輪ものとか…。
▲マルゴー「春の訪れ」10号玉自由玉の部:優勝
大曲の花火は、1社が芯入割物、自由玉、創造花火と連続して打ち上げる。すなわち、この玉はひとつ上の玉が上がって会場中がざわつく中に上げられた玉である。それなのに、今再びの絶叫玉。「もう、何だよ!! マルゴー!! 最高すぎるよ!!」って比較的冷静を装う私ですら大興奮であった。これも時差変化玉なので、ぜひ動画を見ていただきたい。
これでどちらか優勝にしないとさすがにブーイング起きるだろうって思っていたけれど、自由玉の優勝を得、さらに割物や創造花火の完成度を加味して「観光庁長官賞」の誉を得ることになったわけだ。
だからなんで内閣じゃないんだよ…(おそらく大曲は創造花火が一番ウエイト高し)
▲磯谷煙火店「スノークリスタル」10号玉自由玉の部:準優勝
この玉は昨年の八代で初見、クリスマスイブの磯谷劇場で二度目、ここ大曲で大玉となって三度目。完成度の高い美しい端正な玉である。この完成度で、返す返すも創造のラストがなぁ…もったいない。
▲伊那火工堀内煙火店「昇り分砲付八重芯朧菊」10号玉自由玉の部:優秀賞
古典的な錦の花火が評価されるのは、和火好きとしてはうれしい。ちょっと個人的好みとは方向性が違うが、まずは良質な炭は大事だよねってことで。
▲筑北火工堀米煙火店「曲導付青海に花あかり」10号玉自由玉の部:優秀賞
この煙火店の特徴でもある、センターに赤い光球を吊るシリーズ。花火本体の形がきれいで、八方の開きバランスも美しく、その中をスーッと下る赤い玉の様式美だろう。なお、この赤い玉の消えるタイミングについての正しさは、個人的にはまだよくわかっていないw
▲菊屋小幡花火店「夜空を染める天竺牡丹」10号玉自由玉の部:入賞
春に見たときは別の色だったけれど、それはこの世には存在しない花の色であった。今回は錦をベースに青と赤のアクセント。ん? コレ、どう詰めたんだ!? なお、天竺牡丹とは、ダリアのことである。一重咲きからポンポン咲きまで、さまざまな品種が出回っている。
▲信州煙火工業「彩色八方菊点滅花」10号玉自由玉の部:入賞
思わず「キレイ~」という声が出たこの自由玉。この明るさ&華やかさはとっても魅力的だと思う。
▲齊木煙火本店「虹色のグラデーション」10号玉自由玉の部:入賞
伊勢で見せたあの玉が大曲でも…(私伊勢行ってないけどね)。同名で過去にも上げてきている玉だが、その進化形が大曲で開花。センター部の面積が広くなり、その分色の表現がはっきりとわかりやすくなり、細長く伸びる腕とのバランスもぐんとよくなった。盆も大きくなったよね。この玉、本当に美しい。
昼花火の部
大曲の花火は夜だけではない。昼花火の競技会も行われている。今や日本でここだけになった昼花火の競技会である。かつて隅田川で行われていた競技を大曲で引き継いでいるものだ。煙に色を付けたものがそのメインで、パラシュートに吊られて下りてくるものがあったり、夜花火のようにパンと広がったりと、ある意味夜の花火よりの創造性が豊かと思う。例年、西日と重なって大変見にくいのだが、今年の席は今までになく見やすかった。
▲信州煙火工業「昇曲導付煙蜂乱舞」昼花火の部:優勝
信州さんは昨年も蜂だったように思うが、この紫の蜂の動きは見ていて楽しい
▲小松煙火工業「五色連竜の舞」昼花火の部:準優勝
パラシュートで五色の煙缶を吊り、ゆったりと降りてくるのが美しかった。個人的にはこれが優勝と思った。
▲マルゴー「ひこうき雲」昼花火の部:優秀賞
飛行機雲ってまっすぐじゃん…って思っていたら、カラースモークでの表現。これって、五輪意識かしら?
▲大曲花火化学工業「天空に連竜の舞」昼花火の部:優秀賞
こちらは、色別の煙竜をつなげて降りてくるもの
▲若松煙火製造所「青竜降臨」昼花火の部:入賞
青い煙竜がゆったり下りてくるのだが、その先に常時白い光を発行する星を付け、あたかも竜の目のようであった
▲イケブン「黒竜花」昼花火の部:入賞
黒い花火は昼花火では定番。青空だろうが、曇り空だろうがよく映える。
▲芳賀火工「柳に彩煙竜」昼花火の部:入賞
開発と同時に黒い柳を展開させ、その中から淡色の煙竜がゆっくりと降りてくる。
コレで入賞玉全部だ。ゼイゼイゼイ…
乱文長文私情だだ漏れ失礼いたしました。間違ったことも書いちゃったかもしれませんが、笑って読み過ごしていただければと…。