▲この時はまだ普通だったのだけど…。
週末、入院している母(股関節に人工骨を入れる手術)の見舞いにかこつけて雪しか祭りに行くことにした。とはいえ、母の入院自体が突発だったので、お得意の「お〇にトクだ値」が使えず、予算的に高速バスをセレクトする。
当日が近づくにつれ、どうやら週末は天気が荒れそうだ予報…。今年は比較的積雪が多く、寒さも厳しいので新幹線ならともかく高速道路はどうかなぁと訝りながら当日の朝を迎えた。
前週、めっちゃ忙しくて荷造りも何にもできなかったため、徹夜のまま夜が明けきる前に出発。いきなり地下鉄が遅延していて焦る。幸い、その影響は小さいものだったの予定通り幹線道路の高速バス乗り場へ。
めっちゃたくさんのバスが高速道路へと続く道を走っている。週末、スキーバスも結構あるんだろうな…。
自分が乗るバスが到着して乗車。昼交便としては老舗で長距離のこのバス、何年か前から独立3列シートがデフォルトとなり、快適度が増した。しかも今日は最善席で気持ちがよい。そんなウキウキ気分は、高速道路に入るとどよーんとなる。
「事故による渋滞13キロ」の表示…。
スマホで情報を集めると、5・6台絡んだ事故で、2車線を塞いでいるという。
そして思い出す、11月の高速バス旅…。ただでさえ連休で混雑していた高速道路で事故が連発し4時間の予定が7時間かかったという悪夢である。
バスはたらたらと進み、事故現場を超えて、ようやく走り出してサービスエリアで休憩。この時点で2時間の遅れであった。あー、終わった。高速バスを降りた先は路線バスでの移動を考えていたのだが、田舎のバスは1時間に1本なんてないんだよ。次のバスは3時間後なんだ…。
ということで、これは雪しかどころか面会時間も危ういなぁと思いつつシートに身を沈めた。
関越トンネルに入る前から雪はちらついていたが、トンネルの向こうはもっさもっさと真剣に雪が降っていた。この日、バスは2台口で、私の乗る2号車は1号車との間が少し空いていた。土樽のパーキングは、この時期タイヤチェックをするためにわざわざ迂回ルートに回される。そのスピードダウンしたすきに、奴らが入ってきた。
「除雪作業中、追い越し禁止」の看板を背負った車。
雪国にはありがたい除雪隊が目の前に滑り込んできたんだよ。
除雪車は雪を力強く飛ばしてくれるのだが、足が遅い…。いや、その気になれば70キロぐらいは出ると思うのだけど、任務中はせいぜい30キロぐらい。当然、その後ろには一般車がのろのろと続くことになる。
おいおい、さらに遅れるのか~。と泣きたい気持ちで除雪作業を見守る。見守るつもりないんだけれど、最前席だからよく見えるんだよ~。
その除雪隊は、湯沢でいったん本線を外れる。だが、高速バスもその辺りから降車区間となるため、一緒に本線を外れてしまう。後ろから快調に速度を上げて走り去る車がうらやましい…。とはいえ、湯沢で無事除雪隊とは離れたので、再びバスは速度を上げる。
その時、ふと気付く。
あれ、2時間遅れが1時間遅れになっていないか!? この運ちゃん、特に荒っぽい運転していたわけではなかったのだが、すっごい優秀じゃない!? 埼玉県内のロスを、上り続く群馬でかなり縮めていたんだ。土樽のあの除雪隊との遭遇がなければ、きっともっとリカバリーできていた!
よし、この先もその調子で言ってくれ!!!!
ところが、今度は伏兵現る…。
のろのろ運転の一般車。よく見ると見事に関東ナンバーである。練馬・大宮・宇都宮・品川・横浜・千葉…。おまいら、もっと気合い入れて走らんかい!! 邪魔なんだからもっと隅っこ走らんかい!!
そのうち追い越し車線を走っていたのろのろ車が走行車線に戻ったのでバスはぶいーんとそれらを抜き去る。このままなら10分ぐらいの遅れまでリカバリーできるのでは…。凄いぞ、この運ちゃん、惚れるぞ!!! と思った矢先、再び目の前に現れたんだよ。
除雪作業車軍団パート2…orz
えぇえぇ、雪、結構降ってますからね。どこも除雪しないといけないですよね~。
結局降車場所に着いたのは予定より30分遅れであった。当然、接続予定のバスはない。仕方なしにタクシーを呼んで、JRの駅に向かう。駅に到着して、切符を買った直後、構内放送が…。
「えー、〇時〇分発○○行きの列車ですが、○○駅で踏切確認がありまして、ただいま15分遅れております」
またかよーーーーーーーー!!!!!!
ちょっと待って! この後、その電車に乗って隣の隣の隣駅に行って、そこから病院までバスに乗っていくんだよ~。15分遅れるとそのバスに乗れなくなるんだよ~~~。
途中、電車頑張って、リカバリーしてくれ~! と祈るもむなしく14分遅れで到着発車。これも車体が軽いE129系だからだ!! 帰ってきて!!パワフル115系!!
そして長岡に到着。当然、バスが接続待ちなどすることはなく、雪降る駅前に佇むこととなる。次のバスまで鯛焼きを加えながらぼーっと過ごす。
40分後、次のバスが来てようやく病院へ。朝、6時に家を出て、ここまで長かったよ…。
なお、母は元気であった。外科系だから、具合が悪いわけではない。
まだ手術の傷口はふさがっていないけれど(傷物に弱いから見せなくていいというのに、ズボン脱いでを見せるの止めませんか)。歩行器を使えば、病院内をウロウロすることもでき、トイレもシャワーも一人でできるらしい。術後、3回ほど血液の状態などを検査していた模様だが、まだ退院許可は出ないという。個室からは中庭越しに隣の病棟しか見えず、つまらない。もっともこの日のような天気では窓の外は、白一色であるから同じようなものかもしれないが。
結局、1時間ほどしかいられなかったが、思ったより元気そうで安心した。
さて、ここから雪しか祭りの会場へバスを乗り継いでいく。長生橋を渡って、川西に入った。雪は相変わらず降っているが、それよりも風が強い。というか、雪、真横に降っている!? 地吹雪起きている!?
いやいや何年か前も暴風雪だったのだけど、30分後には星が見えるほど晴れたときがあったから、様子を見るんじゃないのか!? なんて、あえてポジティブに考えていたんだけれど、下車直前、「中止」の報が…orz
そのままバスに乗っていればよかったのだが、やはり一応会場を見るだけ見ようと降り立ってみた。と、向こうから三脚を抱えた軍団がぞろぞろぞろぞろやってくる。完全防備で目しか出ていない人にあいさつをされたが、誰!? どちら様!?
中止というか順延の報は会場に流れているようだが、何しろ風が強く、アナウンスは信濃川の彼方に消えていった。この日、撮ろうと思っていた場所も、雪に覆われ、どうしようもない状態であった。
はぁ、と大きなため息ひとつ。
その後、バス停でブリザードに吹かれまくっていた。ブーリーザード♪ブーリザ~ド♪と唇だけで歌いながら、なかなか来ないバスを待つ。逆方向の車列もノロノロ運転であり、交通マヒの様相を呈していた。唇も冷え、指先の感覚が怪しくなった頃、ようやくバスがやってきて人心地着いた次第である。
駅に戻り、とりあえず、角煮イタリアン(この時期限定)で腹を満たす。シュークリーム買ってぽん酒館で引っ掛けて帰ろうかなって思ったのだが、ブリザード渋滞で思った以上に時間がたっていたため、どちらももう閉店ガラガラであった。
翌日も高速バスで帰京。
なお、翌日は朝から上越線は運休し、関越自動車道は、六日町~小出間が13時過ぎまで通行止めという状態でで、一つ間違えれば、前日よりも素敵なハードワークを余儀なくされるおぜん立てはできていた。
なお、順延の日に参戦した人々による画像で、この日の花火は美しく開いたとのこと…orz