▲場所を確保して、しばらくすると、川向こうの中州の島のさらに奥から、大きな大きな満月が上がってきた。
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さて、長野えびす講の翌日は、桑名水郷花火大会である。
2018年は水害が多い年だった。台風もしょっちゅうやってきた。桑名の花火も、台風の影響で打ち上場が乱れたために7月末が中止となり、延期され、まさかの11月開催となったのである。
市井の噂では、当初11月23日にしようという話になったようだが、その日は全国の花火好きは「長野えびす講煙火大会」に行くから云々という話で、さらに1日延期されたものらしい。
花火開催本部の皆様、よくぞご英断くださいました!!
おかげで晩秋だというのに、幸せな花火の2日間を過ごせたよ!!!
話は前日の長野えびす講煙火大会に戻る。
今日は長野、明日は三重ということで、人々は様々な動きをした。長野から夜通し車をすっ飛ばして一路三重を目指す者、いったん東京に戻って、翌朝三重に向かう者、長野で1泊して翌日三重に向かう者等々。中には溝に突っ込む者もいたらしい(ご無事で何より)。
私は翌日の高速バスに乗りやすい松本に宿を取った。長野から篠ノ井線で約1時間、山越えをして初松本。なお、12時近くにチェックインし、風呂に入って荷物整理をして速攻寝、朝は起きたらすぐご飯を食べて8時過ぎの高速バスに乗るのである。観光どころか、国宝松本城の影も見ることなく、車上の人となる。
高速に乗る前の北アルプスの美しかったこと!しか印象が無いんですが、松本…。松本城とか、松本家具のお店とか、いろいろあるんだろうなぁ。
だが、バスは高速を南下して諏訪湖の見える寸前ところでくいっと西へ進路を取る。
終点の名古屋に着いたのは12時過ぎであった。
名古屋では一ミッション。
巨大なスーツケース置き場を探すことである。元々コインロッカーの少ないことで悪名高い名古屋駅界隈。その中でも死体でも運べるほどに巨大なスーツケースを入れられるロッカーなんて見つかるのか!? と危惧しつつ、スマホをフル活用して駅の外れまでウロウロする。
That's in vain
予想を上回るロッカーの少なさというか、人の多さというか…。この日、名古屋ではエグザイル系のライブが行われていたらしく、連休も相まって、通常比の何倍かの競争率になっていたらしい。完全に積んだ自分は仕方なく、デパートの荷物預けにお預けすることに…。
21時までに戻ってこないといけない…。
なお、ブツが大きいので800円+消費税かかった。
ようやく軽くなった荷物を持って、一路桑名へ。駅構内でパンとかおにぎりとか買って車内でモグモグ昼食。先行する友人たちはひつまぶしとか味噌カツとか、きしめんとか焼きハマグリとか柿安で松坂牛を満喫していたのに、おいらったらいつもと同じ食生活…orz
桑名に着いて、協賛席入場列に並んだのが14時ごろ。すでに列は折れ曲がっていた。
先頭は、長野から寄り道もせずにまっすぐここまですっ飛ばしてきたという某氏が鎮座ましましておられた。
夕方、うっすら寒くなりつつあるときに、ようやく入場。
協賛席と一口で言っても、いろいろ種類があって、一般の協賛席は入り口から一番遠いエリア。1キロ以上あるんじゃないか!?というルートを早歩きで進み、先行する知人の取った場所にようやく到着。三脚を展開して一息つく。
友人たちも続々と到着して、打ち上げ開始時刻が近づく。
大きな月が上ってきた。
そして、ようやく打ち上げ開始である。
桑名の目玉は、ここに工場を構えるNTN100周年記念の花火。前々年頃から盛り上がっており、今年はその100年じゃストの年。
テレビCMでも「♪なーんてーなめらか~、なーんてーなめらか~♪」って音楽を聴いた人もいたと思う。
その100年の花火が楽しみでここにみんな集まっているのだ。夏、花火の前日に延期が発表されたとき、そして、延期された日も中止となった時、「えぇぇぇ!! NTNの100周年花火どうなっちゃうのぉぉぉぉぉ!!!」って悲鳴が広がった。それがようやく日の目を見ることになったのだ。
二尺玉の打ち上げ予定がNTN部分だけで17発!えれ以外にも4発という、おそらく国内最多の二尺が上がる。通常大玉というと、新潟の阿部煙火製が多いが(実際この日も4発は阿部製)、ここでは伊那火工堀内煙火の二尺があり得ないぐらいに上がるのだ。
この日、ここに集まる花火マニアの多くはその二尺が見たくて来ているようなもんである(目的違う人がいたらごめんなさい)。
▲ということで、開幕の二尺~
▲昇曲導付彩花芯錦冠(3発目)
大玉ってパックリじゃなく、窓込めだから、なんでこんなに左右で引き先の長さが違うんだろうって二尺でした
そして、メインのNTNコーナーが始まる。丸々伊那火工堀内煙火店の担当である。
▲錦じゃないカラフルな二尺
▲大玉以外も豪華絢爛。
河口に近いココは川幅が広いため、プレジャーボートなどで花火観覧することも可能なのだ。より花火の近くへ(*´Д`)ハァハァ
▲大玉はぎゅるぎゅる点滅して回る変態玉だし、下は下で☆打ちだし
▲まるい、うつくしい、ぎゅるぎゅる(語彙力)
▲八方芯の鮮やかなことよ
▲扇の見事さと八方の濃度の濃さよ
▲八重芯の二尺
▲三重芯の二尺。二尺でどこまで芸術性を追求できるのだろう。
▲川辺に立ちあがるウォールと、上玉の華やかさと
▲そして、まさかこの目で見るとは思わなかった四重芯の二尺
多重芯二尺、おそらく別込めした芯パーツを使っているのかなぁ。ほぼ乱れのない多重芯はいかにして…。
▲怒涛の見せ場の連続に、おー、とかウォーとかしか言葉が出ない
▲これもまた☆打ちだったか
▲2尺の対打ち。ごく普通に見ていたけれど、この冠、青から緑への変化! 燃焼温度が高い青がゆっくり発光していく仕掛けが施されているということよね、しかもこの鮮やかな青でよね!!!!!!!!!
今見てもびっくりだぜ!
ここまで怒涛のNTN。なめらかどころではない。要深呼吸。
NTNは3部構成だったが、1部終了時点で上流の橋の上をかなり長い尾を引いた流星が輝いていたんだよ。なんなの!? NTN何なの!? ホリッチなんなの!?!?!?!?!?
なお、NTN以外は武舎さんのご担当。
▲最後の二尺は阿部さんでしっとり
そして、空中ナイアガラと15号の一斉打ちでこの怒涛の花火大会は終焉となり、11月下旬の怒涛の2日間は終わりを告げたのであった。
さて、続いて荷物回収に21時までに名古屋の高島屋へ行かねばならぬ…。ということで、運賃は高くなるけれど、近鉄の特急でビューンと名古屋へ。無事、ブツを回収して東京に戻ったのであった。
夏以上に狂乱の2日間であった。