▲大会提供花火。今年は参加業者から提供してもらった花火を織り込んだスペシャル版。これは齋木煙火本店の聖礼花
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事前の予報よりだいぶマシになったとはいえ、空気中の湿度はかなり高い。
向かって右側に上がる尺玉はまだましだが、中央で上がるスターマイン(創造花火)は結構煙の影響を受ける。進行中に何度か煙はけ待ちがあったほど。
風は、雄物川下流対岸から上流側、わずかにこちらに向かって吹いてくる。少しの煙ならいいのだが、速射連発の煙はちょっと嫌な方向に動く。
▲オープニングナイアガラ付きスターマイン
夜花火開始直後のナイアガラスターマインからして、肝心のナイアガラが自己煙の向こう側になってしまっていた。イカのスミスミ攻撃みたいなものだ。イカは動けるけれど、花火は動けないのよねぇ…。
それに、やはり前日までの雨はかなりの水分を土中に含んでしまったらしく、花火打ち上げのための推進力を奪ってしまったようだ。
例年にないほどの低空開発や、引き先の地上着地(大曲では減点対象)、尺玉に至っては半分ぐらいの高さで開いてしまっているものもあるようで…。
▲スペシャルスターマイン
実は昼花火の方が酷かった。
昼花火には大きく2種類あり、半分以上は煙竜というもの。加熱することで色の煙を吐き出す筒を、パラシュートで吊り下げてゆっくりと下ろしていくタイプ。つまり打ち上げが大成功でも元々の造りからして結構下まで降りてくるのだ。
打ち上げが低いのか、湿気を含んだパラシュート(多くは紙製)がうまく機能できないのかは分からないが、スーッと地面に落ちていく煙竜が何本もあった。
入賞作ですら地上落下があったもので、かなりの作品が減点されたことがうかがえる。
もっとも観客のどれだけがその事実に気付いているのだろう。
▲昨年内閣総理大臣賞を受賞した小松煙火工業による 特別プログラム「躍」Sky Magic
大曲は競技花火が主体である。
旅行会社のパンフレットには大会提供ばかり使われるが、それは大仙市が提供している花火画像がそればかりからだ、と思っている。日本一の花火師を決めるという気合を持っているのであれば、第一は内閣総理大臣賞を受賞した煙火店の花火を前面に出すことだと思う。
だが、旅行会社の企画担当者自体がその価値を知らない。ただ売れるから、見た目が派手だからという理由で安易に大会提供花火の画像を使用する。その画像に釣られてやってくる団体客の何割がこの花火大会の正しい見方を知っているのであろうか…。
もっとも私自身がその片棒を担ぐ仕事をしているから説得力に欠ける(直接ではないが)。
大曲の花火を続けていきたいのであれば(年々桟敷席広がっているものね)、観客のレベルを上げる必要があるはずだ。今のままでいいじゃないと思っているのであればそれは残念至極。人の心は移ろいやすいものである。いつか飽きられてしまう。だからこそ飽きられないよう、観客の「目」をレベルアップしていくべきなんだろう。
▲大会提供花火 万華鏡一斉開花
そういった意味で、今年の大会提供はよかったと思う。創造花火50年という記念年であるがゆえに、競技花火参加店に玉を発注しそれをうまく取り込んだ。煙火店ごと玉はきっちりと見せる演出も良かったと思う。
これは旧来の花火ファンには懐かしく、好きな煙火店の玉が上がれば非常に気持ちが盛り上がる。私自身、ここまで興奮した大会提供花火は今までなかったかも…。
敢えて難を言うのであれば、秋田の花火師が協力しているこの大会提供花火、ぜひ秋田の内容だけでこのレベルに近づけていただきたいものである。
と夜中にそっと書き込んでみる。
▲大会提供花火 紅屋青木煙火店来たー!
さて、今年から配置が変わった桟敷席であるが、元々後ろのC席で見る私としては特に何が変わったというわけではなく、思ったより印象が変わらなかったなというところだ。
確かに言われてみればA席がずいぶんこちらまで来ているなぁとは思うが、ほとんど気にならなかった。
多分一番風景が変わったのはA席から見るA席なのではないのかな。
難を言うのであれば、やはりトイレが目に入る位置に配置されすぎ。会場図を見た瞬間からそのことは覚悟していたのだけれど、青いプラスチック仮設トイレが目立ちすぎである。
どの写真も例外なく、トイレが写り込んでおりますがな…。
あと、喫煙スペースはあんなにまん中だとは…。一応、桟敷席から隔離されたスポットになっていたが、私自身はタバコを吸わないので何とも…。
あ、でも私の観覧スペース(少し特殊)近くにはちょっぴりタバコスペースがあって、灰皿が置かれていた。あれ撤去できないかなぁ。ちょうど私の真ん前で少し距離はあると言え、臭いが流れてきていたのよね。
▲大会提供花火
福知山の事故を受けて、大曲の桟敷席レイアウトが大きく変わった訳だが、会場内の物品販売屋台が火の有無で選別された。私の席からだと上流・下流とも遠く、火を使っている屋台にはたどり着けなった。
だけど、火を使わない屋台って腹にたまらないものなのよね…。ドリンクとかかき氷系とかばかりで…。冷やしパインが300円とは驚いたぜ。
枝豆とわらび餅(復活!)で何とかしのいだが、例えば梅干しおにぎり2個パックとか。会場外でパックしたお惣菜系(焼き鳥セットとか揚げ物セットとか)を販売することはできないのかな(隅から隅まで見た訳ではないので何とも言えないが)。
あと、カットスイカを導入しようよ~。ちゃんと皮もないヤツ。八色スイカという最強アイテムのある長岡はそれだけで(個人的に)ポイント高い。
まぁ、次回からは会場外でいろいろゲットしてから来ようっと。しかし、場外の焼そば売り場は、会場に近い所は凄い行列だったよね。多分中央付近の観客は、左右の火器系屋台に行くよりは場外の屋台に行った方が早いという判断だったのだろうね。
▲大会提供花火
大会提供花火に戻るが、最後の方で一気に下流側にトラ&小型煙火が伸びた。
そんな話聞いていないし、だれも知らなかったようで。
あれを無理に取り込もうとすると、画角が崩れる…。えぇ、思いっきり無視させていただきました。
あれ、端っこに行ってしまった自由席対策との声もあるのだけど、実際のところどうなんだろうな。人様の画像で見たがやはりもの凄い斜め角度なわけで…。
▲フィナーレ尺玉30連発