▲オープニング花火
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COVID-19が話題になったのは今年1月のこと。2月になってクルーズ船が横浜に停泊してから報道が増えた。その後2月中旬ごろから国内感染者が増えていき、そのころから各種イベントは延期・中止となった。それは花火も同じ。骨折で入院している内に、妻有雪花火が中止となった。3月の秩父の春祭りも大曲の新作花火コレクションも中止され、4月の桜のイベントも中止となった。
すなわち、令和2年度は数多くの花火がなくなってしまったわけである。長岡の花火も大曲の花火も土浦の花火も中止(1年延期)となった。
代わりにシークレット花火やらサプライズ花火やら、クラウドファンディング花火やらが細々と打ちあがった。シークレット花火やサプライズ花火は「お家で花火」という新しい言葉を生み、打ち上げ会場に集まってみる花火はほぼほぼ無くなった。
自分が令和2年度で見てきた花火もシークレットやクラウドファンディングの類であった。
そんな中、熱海市が、感染対策を取りながら、恒例の熱海海上花火を打ち上げ始めた。それ以前にサブライズ花火を上げた煙火店も現れ、片貝(新潟県)に至っては、ほぼ毎週(下手すると平日)でも個人奉納を上げてきた(それでも祭そのもは中止である)。
でもそれは本来の花火の姿ではない。
早く今までのような花火を見たい。
不自由な生活の中、そんな思いが募るばかり。
そんな時、大曲の花火「秋の章」が通常通りに開催されるという報が…!!!
とはいえ、チケット販売は「東北6県」の人のみという条件付き。
そ、そこは、膝を折って、東北7県にしてもらえないものかのう…と身もだえるも(東北7県会議というのになぜか新潟が含まれているので)、ガード固く、なんというか、目の前にぶら下げられたえさの前にベルリンの壁が立ちふさがった。
とはいえ、もっと大勢に見てもらいたいという本音もぽろりと聞こえてくる。
推察するに、お上的にそういう感染対策的な「制限」文言を宣言しないと開催できないってことですね。大人の事情ですね…、と察する(実際、中の人の声も聞いたし)。
そして、「秋の章」開催前々日の某ラジオ終了後、地元の人が「来てください」という呼びかけをした。
日本語のいいところは主語とか目的語とかがなくても意味が通じることである。
ということで、なぜか前もって抑えてあった「こまち50」で秋田in(最悪キャンセルすればと思っていたし) ※だいたいJRが購入者限定せずに「えきねっとお先にとくだねスペシャル(なんと半額よ!)」を発売していたこと(現在も発売中)を察すれば、おのずとこういうことにはなる。
日本に多い、あっちで×でもこっちは〇という図式が見事に出来上がっていた。
しかし、好事魔多し。
10月だというのに台風がクルーーー!? 急に寒くなってきたし、雨具に防寒具に…って荷物を膨らませて準備。昨年の雨花火はもう嫌だーーーってあらゆる神様にお祈りする
が、さすがにこの上に雨なんて神様が哀れんだのか、突然チャンホンが軌道変更して太平洋の海上で消滅した!
秋晴れの中、令和2年度開催花火大会へ初参戦である。
行きの新幹線は、1車両3名であった(帰りもほぼ同じ)
開場時間がなぜか30分早まっており、焦るが、それでも観客は多くないから余裕である(だって団体客来ないもの)。当日券もゲートで販売されており、みんな買うことができた。
カメラマンは土手上に三脚を据える。
眼下にはまだ観客はほとんどおらず、川向うには花火筒がセットされている。そして川のこっち側に小型煙火の筒がセットされているのも秋花火の「らしさ」である(もちろん観客との距離は十分に取ってある)。
日が暮れるまで、久々に顔を合わせた人々とあいさつを交わす。今年初という人も少なくない。今までとの違いは、みなマスクをしており、適度に距離をとっているところだ。
やがて、西の山に日が沈み、観客が車から席に移動してくる(今回は、会場のすぐわきにも駐車場が設置された→のちにイモビライザー発動して顰蹙を買う)
そして、花火大会が始まる。
令和2年度個人的初花火大会の打ち上げ開始である。
■第1幕 尺玉と創造花火の競演
4社がそれぞれ芯入割物、自由玉、創造花火を打ち上げ、「大曲の花火」を彷彿とさせる趣向。
▲小松煙火工業 10号芯入割物「昇銀竜五重芯変化菊」
▲小松煙火工業 創造花火「夢 追いかけて」
▲北日本花火興業 10号芯入割物「昇曲導付四重芯変化菊」
▲北日本花火興業 創造花火「天使のセレナーデ」
▲響屋大曲煙火 10号芯入割物「昇小花付五重芯変化菊」
▲響屋大曲煙火 創造花火「木犀のかほりにつつまれて」
▲和火屋 10号芯入割物「昇曲導付三重芯変化菊」
▲和火屋 創造花火「アイノカタチ」
■インターバル花火 パートⅠ
▲扇3つあるんだけど、真ん中のだけ川のこっち側に設置され、大きくて奥のが見えない
■第2幕 創造花火 テーマ“ハッピータイム”
▲響屋大曲煙火「フーチャースターショー」
▲大久保煙火製造所「Blieve in a bright tomorrow~明るい明日を信じて」
▲和火屋「Make you happy」
▲小松煙火工業「VIVA Autumn Festa」
▲北日本花火興業「RISING」
■インターバル花火 パートⅡ
▲ONLY in JAPAN
YOUTUBE番組「ONLY in JAPAN」プロデューサーのジョン・ドーブさん(日本在住)が、ウイルス退散を願ってクラウドファウンディングで資金を集め、上げてくださった花火。ジョンさんご本人もセンター階段で中継しながら見ていました。小松煙火工業の法被着ていたから、最初会社公式のカメラマンかと思ったw
■第3幕 若手花火師による尺玉共演
これが、みな素晴らしくてね。火薬の総量制限(煙火店さんで保管できる火薬の量が決まっていて、冬の間に作っていた花火が打ち上げられないので、自由な研究にも影響があったと聞く)の中、各人少しずつ研究してきたんだろうなぁと思うとおばちゃん目頭が熱くなるよ。あ、そういえば、今回も女流出てこなかったな…。
▲「昇銀引四重芯変化菊」鈴木高文[小松煙火工業]
▲「ハロウィンボール」結城伸也[和火屋]
▲「田毎に映るおぼろ月」今野祥[響屋大曲煙火]
▲「天空の神楽」今野貴文[北日本花火興業]
▲「オーシャンズレイ}千葉周吾[響屋大曲煙火]
▲「細雪」浅水一臣[和火屋]
▲「蒼い月」古木利昌[小松煙火工業]
▲「昇曲導付八重芯引先紅銀乱」増田健虎[北日本花火興業]
■フィナーレ花火
冬、春、夏と早々に中止が決まった大曲の花火。秋の章の開催、本当にありがとうございました。
開催決定が遅かったためか、団体ツアーもなく、席も満席とはならなかったけれど(夏以外は大体そんな感じよね)、久々に見る大曲の花火は本当に素晴らしかった。
今年の自粛期間に制約のある条件下で、花火師さんたちも研究をしてきたのだろう。明らかに洗練度が上がった気がする。
なお、一部7月のシークレットとか、8月のサプライズとかで見たものと似ているなぁと思う花火もあったが、これは費用対効果を考えてと言っても全然ありだなって思う。むしろそういう堅実な感じの方が安心できる。
本番は完全オープンな花火大会だろうから、それまではお互い辛抱ということかな…。