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北風順風、長野えびす講煙火大会

2016-11-26 10:29:00 | 花火

▲Special Thanks 8号玉100連発特大ワイドスターマイン

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 年々無料席の場所取りが激化する長野えびす講。とはいえ、それは中央上段のこと。少し外れれば多分大丈夫、多分、だいじょう、だい…、ダメかもぉ!!!
 そんな状況が刻々と分かるのが今の時代である。例年通り夜行バスで行こうかと思ったけれど、どうも仕事の都合がつきそうで、前日の昼便高速バスに切り替え、さらに出発前日、仕事の憂いがなくなったので午後発から午前発に前倒した。
 そして、高速バスに乗って到着した前日夕方の会場。

 自分が望むような席は、ありませんでした…orz

 幸い、知人が事前に場所を確保してくださっていたので、そこに収まることにする(その節は本当にありがとうございました)。とはいえ、そこは保証される席ではないので、時々巡回。真夜中に犀川の河川敷に立っておりました。

 ええ、あの前夜突然豹変した突風暴風冷たい雨(みぞれ混じったらしい)の中ですよ!! 天気予報が良くなかったので念のために持ってきた目に痛いスキーポンチョが前日大活躍ですよ!
 風の音に地元の方々もあわてて、場所取りしておいたシートが飛ばされないように保守作業されていた。それでも飛ばされたシートやらロープやらが散見された。公式のテントも吹っ飛ばされそうな状態であった。


 そんな一夜が明けた朝、雨はやみ、天気予報からも傘マークが消えた。ホテルで朝風呂っていた時に聞こえた8時の雷。えびす講の朝である。
 前夜の修業を耐えたので、ぎりぎりまでホテルに滞在し、この日のホテルに荷物を預け、再度河川敷。さすがに当日は斜面下にまでシート類が広がっていた。

 昼過ぎに善光寺と西宮神社(えびす講はこちらのお祭り)にお参りし、ホテルにチェックイン。防寒用具をさらに重ね着して会場へ。会場到着は暗くなってからであった。
 取っていた場所でスタンバイ。

 通常プログラムより前に1発の花火が上がった。


▲追悼花火10号玉1発(手向けの花)
 前の長野商工会議所の会頭が亡くなられたことに対する追悼花火が本プログラム前に上がる。関係者だけに黙とうを指示するアナウンスは当たり前のことだが、よかった
 なお、初っ端からはみ出し…orz


 そして、えらい人の話が始まり、打ち上げ開始でございます!


▲オープニング 個人協賛特大スターマイン

 今年の「信濃の国」はノーマルバージョンに戻ってホッとした。昨年、あまりのとんがった展開に、主に地元民からクレームが入ったのではないかと勝手に思っているが、当たらずとも遠からじと思う。

 そして即「第25回全国10号玉新作花火コンテスト」が始まる。煙火店によっては、今年の集大成が上がったり、来年の試作玉が上がったりするので、ちょっと楽しみなプログラムである。


▲全国10号玉新作花火コンテスト【最優秀賞】
「初夏八重咲の花」菅野煙火店(福島県)
 優勝、おめでとうございます!


▲全国10号玉新作花火コンテスト【優秀賞】
「希望の花」太陽堂田村煙火店(長野県)
赤川の時よりも大曲の時よりも進化して八重芯入りになってるぅ!!

 
▲全国10号玉新作花火コンテスト【金賞】
「昇曲導付天竺牡丹」菊屋小幡花火店(群馬県)
 春に見た天竺牡丹とはもはや別物になってるぅ!!


 以下選外から


▲全国10号玉新作花火コンテスト
「昇曲導付八重芯レインボール」齊木煙火本店(山梨県)
 これが初めて見る玉でないことが自分でも驚きである。どう考えても変態すぎる。


▲全国10号玉新作花火コンテスト
「光の幻影花」イケブン(静岡県)
 ちょっと気になるこの配色…。ただ、初見にしてすでに開発位置が低いというwww


▲全国10号玉新作花火コンテスト
「五彩輝く錦糸有終煌きの雫」ホソヤエンタープライズ(東京都)
 いかにもホソヤさんらしい花火。


▲全国10号玉新作花火コンテスト
「菊花市松紋様」丸玉屋小勝煙火店(東京都)
 都内煙火店の五輪対決キターーーー!! これ、意図的に曲導を下に落として分砲系で市松模様を描こうとしたのであればすごいが…。あ、考えすぎました。


 そして、通常プログラムが粛々と進む。
 打ち上げは例年通り紅屋青木煙火店と信州煙火工業である。プログラムに煙火店名が書いてあるので、それを目安にカメラを左に中央にと振る。
 大体の目安は、大玉が含まれるプログラムは近場で、スターマインや大スターマインの8割はえびすシートの方である。



▲10号玉3発の内の2発。2発目が開き切るのを待っていたら、3発目も来ちゃったという…。まぁ、おかげで同じ10号なのに盆の違いがよくわかるという…。


▲ザナドゥ(10号玉8号玉7号玉111連発)
 これ、楽曲名がタイトルになるんだったっけかwww それにしても洋楽懐メロが定番のこれって、来年はどんな曲にするのだろう。私がギリギリ知っている世代やで。若い人たちポッカーンではあるまいか!? 某社の社長が「俺が知っているレベルのやつな」って言っているのではないかと推察するw


▲大スターマイン(青木)
 今年は遠くの花火も頑張ってみた。


▲信州さんの気になる尺玉


▲大スターマイン(信州)
 黄星、パステル構成のために作っているのか、出回っているのか…?


 そして、目玉プログラムの一つ、ミュージックスターマイン。今年は一昨年のようにちゃんと青木さんと信州さんで分かれて打ち上げ。いや、昨年も連続していただけで、分かれてはいたんですけれどね。


▲ミュージックスターマイン(青木)
 もちろん、今年もはみだしまくっております。


▲ミュージックスターマイン(青木)
 なお、アルマジロの最右端がちょうど私の前でした(明るいときに視認)。



▲特大スターマイン 10号玉10発一斉打ち(青木)


 そして信州のミュースタも


▲ミュージックスターマイン(信州)


▲ミュージックスターマイン(信州)



▲信州さんの気になる尺玉

 青木さんの気になる尺玉が無いのは、各地で青木さんの玉を見るからなんだよな…。たまたま信州さんの玉が上がる花火大会に行っていないだけに過ぎないと思うのだけど…。



▲大スターマイン(青木)
 お馴染みのきのこのホクトスポンサードの花火は恒例のきのこ花火! 今年はカラフル葉落付きでオシャレ感アップ!?


▲特大スターマイン 10号玉10発一斉打ち(信州)


 プログラム後半の目玉・8号玉100連発特大ワイドスターマイン! 最初は中央だけで上がるんだけれど、後半ずらずらずらっと火柱が伸びるのがワクワクする


▲Special Thanks 8号玉100連発特大ワイドスターマイン


▲Special Thanks 8号玉100連発特大ワイドスターマイン


 打ち止め~。

 今年は北風でコンディションよかった。寒さは必須事項だけれど、事前にカイロを6個も張って対処。やはりえびす講はちょっと多いかな?ぐらいがちょうどよい。そういえば、私の場所からはかなり離れていたはずだが、やたら「よく当たるくじ屋」さんの鐘の音が聞こえてきていた。
 ホテルに荷物を置いて、少々脱皮してから夕食へ。一つテーブルをはさんだ向こうには、某煙火店さんが3人で飲みながら花火を論じておられました。


 本番会場に到着したのが暗くなってからだったので、ほとんどの方とご挨拶もできず(各所煙火店さんにも会えず)、失礼いたしました。

 来年はどうしましょうかねぇー。


初開催の会津花火

2016-11-17 01:16:00 | 花火

▲昇ドローンスタンバイOK_orz

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 会津のことを知ったのは、夏ごろだっただろうか。宿を手配した時期から見るとそうだろう。
 カメラマン席の申し込みをしたら、ポスター2回にカラーコピーパンフ1回が送られてきて、熱意はつたわったが、正直そんなところで金を使わんで~って心配になった。花火大会とは目には見えないところにお金がかかるものである。1回の郵便代×チケットの数で計算すると、わずかでも無駄にしないでいいのになぁ…。

 開催日直前にチケットが届き、さらに席配置が明らかになり、むむむむっと思うところはあったが、とりあえず当日の天気は良さそうなので心晴れやかに出発。この日は冷え込みが強く、さまざまの山で初冠雪となったようだ。新幹線の窓の向こうにも遠くの山が白く輝いているのが見えた。

 郡山で新幹線を下りて、都市間バスで移動。磐越西線より便利だし安い。そうやって会津若松駅に着いたのは10:30頃。
 駅に降り立って改めて思ったのが、あれ、ここの来るのって小学6年生以来じゃないか!?という事実。修学旅行が会津若松だったのである。
 この件は長ーくなるので文末に移す。



 友達の到着を待って、会津観光へ。まぁ、お城へ行ったぐらいである。小学校の頃にも確か上ったはず。紅葉も美しかった。なお、この時ホテルのロビーに充電中のスマホを置いてくるという粗相をやらかしたため、画像はないw
その後、田季野でわっぱ飯を食べ会場へ。


 カメラマン席は事前に行列を作って、順番に入場してもらうということだった。

 まずここで、すでに情報が二転三転。対応も二転三転。まぁ、初めての開催だし、みなボランティアでやっているんだしとは思うが…。
 メイン観覧場所となる田んぼの真ん中の一本道は、ものすごく交通量が多い。そこを16:30に止めて、17時入場とのこと。事前にプログラムやライトを渡されて、入り口のゲートでリストバンドを渡される(つけてはくれない)。そして入場。
 なお、カメラマン席は道の最後方に設置されているが、域内自由なので自分の行きたい場所は早い者勝ちなのである。なので結局走る。走るなというのが土台無理なのである。

 あれ、確かカメラマンは重い機材を持っているので走らないで済むようにしますよって事前に言っていたような気がしたが…。
 えっと日ごろの不摂生がたたって、後続に続続々と抜き去られる体たらく。それでも友達が先に走って場所を確保してくれた。多謝!

 さて、カメラマン席であるが、道の最後方に設置されている。前方にはSS席が設置され、その着座席とカメラマン席の間が通路になるという構造。えっと、三脚の前を人が通るわけですね。
 おそらく開催者側としては、花火が始まれば人の通りが収まるから撮影に影響は少ないと考えたのだと思うが、我々は知っている。一般観客というのは、花火が始まっても結構アクティブであるということを…。
 なので、比較的高くできる三脚を持っていき、さらに踏み台を持参して自分の背も高くした。それでも頭ラインで190㎝未満、カメラの高さで180㎝未満だから、大きな男性が通ればやはり画角には入ってくる感じだ。
 たぶん、ここが会場となったのは緊急車両が通れるかどうかのその1点だけだったんだと思う。道の半分を桟敷席にし、カメラマン席を側溝の上にすれば、一応1車線分を緊急車両が通行できる。それが消防側の許可条件だったのではないか!? それは分かるが、この配置はやはりおかしいと思うよ…。


 そして開始直前に呼び物だった400mワイドスタマが200m×2であることと、公式ドローンが飛ぶことを知る(その節はありがとうございました)


 スタンバイ完了! ということで始まるかと思ったら、なんか音楽が…。
 https://youtu.be/yZZ-zwS4HG8
 花火開始前にYOSAKOI団体「郷人」が目の前を練り踊っていった(プログラムに書いてあります)。農道には照明がなく、照明器具ごと動いていくという斬新な披露であった。

 
 そして、ついに打ち上げ開始でございます!

▲オープニング花火(菅野煙火店)


▲オープニング花火(菅野煙火店)


▲オープニング花火(菅野煙火店)

 向かって右側で上がったオープニング花火。このころはまだ余裕だったのだよ、このころは…。

 そして日本煙火芸術協会提供により芸協玉7号の10発打ち上げ。
 ここで、何とドローンが暴挙に出た!! 花火の中心に向かって突進していきやがったのである。ドローンは夜間飛行の際に緑や赤に明滅するランプがついている。その明るさは花火に類するほどだ。つまり、目障り。トリミング等で外せるものは極力外しているが、それでも幾つかは写り込んでいる。公式といっても背後から遠景で撮るのだろうと思っていただけに、この行動にはみな口が開いたままであった。


▲芸協:7号銀芯ステン牡丹(田畑煙火)


▲芸協:7号丁子菊先変化さざ波(静玉屋)
 アホ毛じゃないよ、ドローンだよ。公式ドローンとはいえこれは酷い。


▲芸協:7号昇小花芯入り時計草(信州煙火)


▲芸協:7号昇曲付パステルカラー芯入りストロボ牡丹(イケブン)


▲芸協:7号昇り朴付輪菊千輪(丸玉屋小勝煙火店)


▲芸協:7号昇りフラッシュ芯入フラッシュ割輝光千輪(大曲花火化工)


▲芸協:7号昇り小花八重芯変化牡丹先点滅(根岸火工)
 ここにもドローン接近中~


▲芸協:7号昇り分火八重芯銀彩の華(篠原煙火店)


▲芸協:7号昇り朴付銀閃冠菊小割浮模様(阿部煙火工業)


▲芸協:7号昇り銀朴八重芯錦冠菊(森煙火)


 いやいやいやいや、無いでしょドローン…。
 この件に関しては何のアナウンスもなく、淡々と進行していく。




▲ミュージックワイドスターマイン(赤城煙火) 
 スマホの画面が青く光る…。


▲ミュージックワイドスターマイン(赤城煙火)
 なんか、前で立っている人増えたぞ



 そして、8号玉による割物自由玉競技会。
 そういえば、審査員の紹介がなかったが、誰がこの順位を決めたのだろう? 花火の専門家が1人でもいたのかいなかったのか。それすら謎である。



▲【自由玉競技会 優勝】光の宝石(磯谷煙火店)
 端正で、乱打もいいけれど、1発でも映える玉である。
 

▲【自由玉競技会準優勝】昇り分砲付八重芯朧菊伊那火工堀内煙火店 (伊那火工堀内煙火店)
 最近こだわっている炭火の花火。


▲【自由玉競技会3位】昇り曲導付新黄金点滅芯時差式往復反牡丹(糸井火工)
 反牡丹とは?


▲【自由玉競技会3位】昇り曲付八重芯三度変化牡丹(山崎煙火製造所)


▲【自由玉競技会】幻想イルミネーション(野村花火工業)
 入賞はしていないけれど、この玉は出しておく


▲【自由玉競技会】虹色のグラデーション(齊木煙火本店)
 これ昇り替わったね。


▲【自由玉競技会】モノクロームの華(菊屋小幡花火店)
 相変わらず盆の大きなのびやかな花火





▲クラウドファウンディングリターン花火だったっけか


▲これもそうやね。あ、本店だ!


▲本店なので3枚上げました


 
 そして市民花火は本店さーん!!
 ところで、「会津の地にふさわしい、強いこだわりを持った煙火師」(プログラム記載)って、会津の地に合った強いこだわりを見せる何かがあったの、それとも強いこだわりを持つこと自体が会津の地にふさわしいのか、ちょっと読解力が不足しているので教えてください。



▲市民花火・ワイドミュージックスターマイン(齊木煙火本店)


▲市民花火・ワイドミュージックスターマイン(齊木煙火本店)


▲市民花火・ワイドミュージックスターマイン(齊木煙火本店)


▲市民花火・ワイドミュージックスターマイン(齊木煙火本店)
 あぁぁ。右側から上がると聞いていたけれど、そんなに離れちゃ一緒にならないでしょ~


▲市民花火・ワイドミュージックスターマイン(齊木煙火本店)
 あぁぁ。上もはみはみだぁぁぁ

 この辺り、全然ファインダー見ていません。もう入りきらないって分かっていたし、それをカメラ操作をしてごちゃごちゃやっているうちに良玉を見逃すのも、唇かみ切るほどに悔しいし、ただ感覚だけでシャッターを切っていたから、これだけ写っていれば、儲けもんである。


▲市民花火・ワイドミュージックスターマイン(齊木煙火本店)
 もう何をどうしてどうやったらいいのか…orz


 カメ席放棄して後ろに行った人々の正しさを知る。だが、初めての花火なんだから、とりあえずは正攻法で行き、失敗して絶望するまではお約束のようなものである(開き直り)。

 もう今日はこれが見られたから帰ってもいいよぉぉぉ! こんなへっぽこ写真でもそんなことを思ってしまうのだから、うっかり完全に撮れてしまうことがあるのなら、虹の橋を渡って軽く旅立ってしまうかもしれない。
 ちゃんと写真を撮る人って、どんな精神状態なのであろうか…。でも興奮しまくって叫ぶ人も知っているしなぁ…。むしろ、自分叫ばないし静かだしだけど血液は間違いなく波立っている。
 ということで、興奮と感動と失望と絶望と上昇する心拍数と紅潮する頬のほてりを全部抱えたまま、プログラムは進行していく。



 そして、ひそかに楽しみにしていた千輪の競技大会が始まる。
 通常の競技花火において、特に取り決めがなければどこでも上げられるのだが、例えば大曲においては10号割物の部(三重芯以上)と10号自由玉があり、千輪は自由玉の部にはめ込まれる。花火の構造的に千輪は小割物・半割物と呼ばれるためだ。
 現状、日本の花火における最高技術は多重芯にあるとされ、今は五重芯まで完成形となり、六重芯へと進化する過程にある。当然これはこれでとてつもない技術が必要で、例えば星を詰める作業においても1ミリの違いが致命的な欠陥となりうるようになっている。
 千輪というのは、割物と同じサイズの玉の中に、小さい花火がいくつも仕込まれている、昨今のサ卜ウの鏡餅みたいなものである(鏡餅のパッケージを開けると、中に切り餅やら丸餅やらが入っている)。で、小さい花火は当然細工も細かくなるわけで、そこに各社の工夫が凝らされるわけである。模型もミニチュアになればなるほど作るのが難しくなるのと一緒だ(大きいのも大変だが)。
 この千輪というのは大正時代に大流行になったらしく、その後も今に至るまで様々な形のものが出回っており、千輪を好む人も少なくない。


 で、千輪だけの花火は今まではなかった。
 それが今回初めて開催されるのだ。実は、会津に行くことを決めたのは、この千輪の大会が開催されるということを知ったのが最大の引き金であった。そうです、単なる千輪好きです。

 
 ということで、何かと物議をかもした競技結果でございます。



▲【千輪玉全国花火競技大会 優勝】昇り彗星 銀河群(太陽堂田村煙火店)
 これ見た瞬間、花火マニアのほとんどは「あれ、写輪丸だよね」って思ったと思う。ところが煙火店名が発表されたら、その煙火店さんじゃない。えぇぇぇ!!って驚いたと思う。結局今まで公式でで変更されることはないから、これで正しいのだろうけれど、今まで田村さんでは見たことのない花火だったから、びっくりしたよ。
 
 

▲【千輪玉全国花火競技大会 準優勝】カラフルリボン(和火屋)
 そして、これを見た時には「群蝶?」って思ったんだ。そうすると、長野の煙火店さんが浮かぶのだが、よくよく記録をたどると、秋田でもシンプルな「群蝶」って上がっているんだよね



▲【千輪玉全国花火競技大会 3位】昇り曲付ミラクル芯五彩煌めきの雫(ホソヤエンタープライズ)
 最初、大きな芯がスライド変化して、あれ、千輪は?って思ったころようやく小割が出てきたという。あのゆったりしたスピードは少し吊っていたわけでもなさそうよね。

 アレ?こっちは3位は二つ無いの?



▲【千輪玉全国花火競技大会】かたつむりに紫陽花の詩(北日本花火興行)
 競技初弾。色変化からしててっきりと思いましたw


▲【千輪玉全国花火競技大会】昇り曲導付松島の夜景(新潟煙火工業)
 千輪の名玉として必ず名をあげられる「松島」。だけど、入賞したのを個人的には見たことがない。見方分からない人が多すぎるんじゃない?


▲【千輪玉全国花火競技大会】松茸大豊作(紅屋青木煙火店)
 これなら青木さんのきのこ千輪の方がマシだなって口走ってしまったうっかり者は私です。青木さんじゃないかw


▲【千輪玉全国花火競技大会】幻想百花園(山内煙火店)
 やたらと暗い花火だったのだけど、山内さんと聞いて納得。だけど、この変化が一番印象に残ったのだよなぁ。


 そしてエンディングのワイドミュージックスターマインへ…
 気が付けば、ずいぶん前に人が立っているのだが、この人たちはどこからきてどこへ行くのか…。自分の位置はかなりセンターだったから、帰る途中で立ち止まっているとは考えにくいのだが…。そして、ラスト前に帰ろうと焦る一般観客の多さよ…。いや、一番のクライマックス見ずに帰るんですかい!? おっさんおばさんに分かりやすく言うと、紅白のトリを見ずに終わることになるんですぜ、それ。
 本当にどこの花火大会でも、フィナーレ前に帰る人が多くて、辟易する。混雑回避のため、少し前に会場を出発すればいいっておすすめするまとめサイトの影響もあるのだろうし、それを真に受けてしまう人が少なくないのだろうし…。でも本当にそれでいいのでしょうかねぇ…。



▲エンディング・ワイドミュージックスターマイン(紅屋青木煙火店)


▲エンディング・ワイドミュージックスターマイン(紅屋青木煙火店)


▲エンディング・ワイドミュージックスターマイン(紅屋青木煙火店)


▲エンディング・ワイドミュージックスターマイン(紅屋青木煙火店)

 青木さんは大玉入らなかったので、私のへっぽこカメラでも納まりましたw
 そして終了。


 カメラマン席は最後に退出していただくことになりますって言っていたけれど、特にそんなアナウンスはなく、なんとなく帰りの流れができていた。
 本日のプログラムのうち、自由玉競技と千輪競技は出場煙火店さんは明記されていたものの、競技のためにブラインドで打ち上げるというものだった(尤も玉名が明らかになれば、マニアは見当つくものらしいが)。ただし、花火終了後、カメラマンの皆さんには玉名をお渡しできるよう努力するとネットに書かれていたので本部席に問い合わせてみる。

 が、話が通っていないかった。
 結局は、本部とは別の所にある事務局で玉名は管理しており、玉名は配布するのではなく、ネットで公開するということになったらしい。

 うーん。まぁ、初めて開催する花火大会で、しかも運営のほとんどがボランティアによって成り立っているからねぇ(あれ、何回目!?)
 来年に向けての寄付金集めも始まっていたし、第2回開催の時には今回の問題をしっかり分析して生かしてもらいたいものである。


 気が付けば顔見知りが集まっていたので、いったんホテルに荷物を置いた後、食事がてら近くの居酒屋に行く。大手チェーン店ながら、こづゆやらニシンの山椒漬やら馬刺しやらと会津郷土料理がメニューにあってよかった。




【以下余録】
 小千谷は北越戦争(戊辰戦争)の舞台であり、幕末に小千谷の代官所を管理していたのは会津藩であった。隣の長岡藩は実は中立派であったが、小千谷で西軍の軍監岩村と長岡藩家老河合継之助による慈眼寺談判が物別れに終わり、激突することになった。その際、長岡藩に与力すべく、会津からも軍が来ていた(このとき岩村ではなく山縣有朋か黒田清隆辺りが来てくれれば戦いは回避されたともいわれる)。
 小千谷の川東は会津側に徴用され、川西側(代官所があった小千谷の町の中心)は西軍に徴用されと、それぞれに大変な目にあったらしい。信濃川を挟んで睨み合っていたが、西軍が渡捗をして進軍。榎峠(地震で崩れたあのがけの奥)で激戦となる。結果、西軍が勝利をおさめ、峠やその周囲には会津や長岡藩の兵の死骸が捨て置かれたという。西軍は、それらを葬ることを許さず、長く野ざらしとなっていた。20年以上たった後年、ようやく埋葬することを許されたという。その墓が今も小千谷にある。なお、そのうちの1体は白虎隊の兵士だったらしく、さらに後年会津から遺族が弔いに来たという。
 なお、川西の船岡山には西軍の兵士の墓が残っている。

 戊辰戦争は、そののち長岡城が落とされ、主戦場を会津へと移していくのである。
 会津の鶴ヶ城は、明治政府によって天守閣が壊された(現在のは復元)。それは長岡城も同じで、さらに長岡の場合は鉄道敷設の際に、その城跡に鉄道を引かせるという、念の入れようであったことを付記しておく。

 今はどうかわからないが、小学校の社会の授業で小千谷史を習うにあたり、この辺りはちゃんと教えてもらった。そして、小学6年の修学旅行時は、小千谷発会津若松行きという修学旅行団臨を仕立てて、市内の全小学6年生が全員が会津に向かったのである。なお、会津での行動は各学校で異なっていた。

 だから、会場で戊辰150年といわれると、普通の人は何のことだろうって思うのだろうが、個人的にはその辺りのことが思い出されるのである。

秋の湯河原温泉海上花火大会

2016-11-13 00:59:00 | 花火

▲ついに、虹グラデの対打ちが来たーーー!!

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 湯河原の夏の花火は7月の海の日辺りと8月3日に行われる。8月の方がいわゆる祭りだが、これは長岡まつりと重なるので、永遠にパスの予定。そして、今年はなぜか秋にも花火を上げるという情報が…。とっととカレンダーに記入しておいた。

 だが、例年この時期に入る大きな仕事が、担当者が変わったことによりなかなかの難航状態。連日の深夜残業を余儀なくされてきた。平日の真ん中にある「文化の日」のお休み。ここは体調を整えるべきではないか…と。
 何よりも眠い。なのに朝から秩父夜祭の帰りのチケット手配をし(結局西武のサーバーダウンにより、新宿駅まで早朝から出張った)、洗濯などもしたものだから、眠さマックス! さすがに1時間昼寝する。
 
 目覚めたら少しやる気が戻ってきたので、あわてて電車に乗り込む。すっかり出遅れたので湯河原に着いたときはもう月がきれいな頃。そこからとことこ高台を目指して歩く。ロケハンする気力まではまだない。とはいえ、前2回と同じではさすがに…と思って、ほんの少しだけ場所を変える。

▲冬は日没が早く、暗くなってからも長い時間待つことになるので、つい星空を撮ってみたり…。

 すでに真っ暗になっていたが、花火開始まではまだ2時間以上ある。することもなく、話す人もいないので座って待つ。湯河原沖というのは非常に多くの飛行機が通るので、それらをボーっと眺めていた。気のせいでなければ多分火球も見えたかと…。
 それにしても今日は波の音がうるさい。と思ったら、ご近所さんに、今日はこれでも音が小さい方だといわれる。この方もこちらに越してこられたばかりの頃は波の音で眠れなかったと…。私、海のそばでは暮らせそうにないな。いつか下の方でも撮りたいのだが、なんとなく波が怖いぞ。

 その後同業者がパラパラ来たりご近所さんも出てきたりで、打ち上げ開始でございます!


▲遠いので、つい出遅れる(遠くなくても出遅れることしばしばだが)


▲台船からは海岸に向けての斜め打ちも。そしてこんなに早く幸せタイム来た!

 結構早い段階で虹色花火が投じられ、グラデーションも来た! 何だ、今日はやる気にあふれている。ひょっとして夏の在庫処分ですか!? それならそれで大歓迎だ!
 その後も珠玉の虹色祭りで、一人歓喜の渦にぶち込まれる(周囲の方々、みな静かなんですもの…)


▲某所で右のが上がって玉名もついているという話は聞いているのだが、どうもイメージと違うような気がする。虹色から虹色への変化が凄すぎる件


▲右と左とでタイミングが異なって打ち上がるのだが、ここは待っていたら八方で揃った


▲聖礼花系はかわいいのぉ


▲色違いもあるよ!


▲虹の滝が来た! 右側は木や民家が邪魔になって海面反射なしなのです

 隅田川の競技に出品した小さい虹の滝は結構見かけていたのだが、ここでロングバージョンが見れるとは…。途中で、そこで色変わる?本当に変わる?ってドキドキしながらリモコン握りしめていた。



▲左のポカ物千輪もパステル虹変化なのだよ


▲先変化のみ2色に分かれている。配色的にちょっと好き


▲崩れたけれど、左は競技用の四重芯


▲ブーケも大サービス!


▲スライド変化の牡丹が美しい


▲右のって本店さんの現場ではよく見ますが玉名ついていますか?


▲小さいけれど、左のパステル八方は好きだ、好きだ、大好きだ!


▲ぜひ冬河口湖もこの感じで


▲まるで一輪の花のように


▲虹芯の銀八方


▲スライド変化芯スライド変化牡丹


▲終盤は台船からの斜め打ちが左右に広がった

 そしてまさかの対打ちが!!(冒頭の画像ね)。大玉の対打ちがいい玉で来るなんて、ほんと今日来てよかったよ!! 本店さんありがとう!!


▲〆は錦のツインスタマで

なお、聖礼花の対打ちは撮り遅れております…orz


 湯河原は齊木煙火本店が担当されているが、唯一の不満は左右の台船で玉が揃わないこと。打ち上げタイミングではなく、上がる玉が左右でまちまちなのだ。それが今回は類似玉が上がったり、最後には大玉の対打ちもあったりと、凄いことになっていた。

 チャッチャと撤収し、何とか早い時間の電車に乗れないかと頑張ったが、やはりこの日もダメであった。そもそもの東海道線がやる気がなさすぎるダイヤなのだ。長い待ち時間に車中のおやつとドリンクを買い、ホームで待っていると見知った顔と合流。楽しい時間を過ごした。