▲三重芯冠菊先点滅(信州)@長野えびす講煙火大会
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さて、名古屋に前のりして行ったメナード美術館だが、愛知県の小牧市にある。中京圏および歴史好き以外の人は「それってどこよ」って感じだろうが、名古屋市の左上にあるといえばいいか。
メナード創業者の出身地が小牧だったらしい。
どんな壮大な建物なんだろう(イメージとしてはポーラ美術館@箱根)って思って行ったら、意外にも二階建ての小ぢんまりとした建物だった。展示室という小部屋が5つあり、その時々に展示を変えているらしい。
ちんまりとしていると思ったら、喫茶室やレストランがない。その代わりに提携レストランということで近隣のレストランを紹介している。近所のお菓子屋さんもお土産をどうぞということで紹介している。
あぁ、地域に根ざそうとしている美術館なんだ…。
大仰な「芸術」を振りかざすのではなく、創業者夫婦がコツコツ集めてきた美術品を自分の地元で見てもらおうというささやかな理念を感じる(実際の理念はまた別なものなんだろうが)。そういう温かみを感じる美術館って、そうは多くない
往々にしてそういう地域型美術館は地元の芸術家をフューチャーしがちだが、このメナード美術館は日本における西洋絵画や、近代日本画、印象派以降の近代絵画を収集している。そのラインナップは一流なのだ。そしてその内容も実にバランスが取れている。
今回、「コレクション名品展」を見に行ったのだが、そのバランス感覚が絶妙だよなって後になって思う。
メナード美術館
こういう美術館を地元にもつ小牧市民って幸せだよなぁってしみじみと思う。
私は大学進学時に新潟を出てきたのだが、東京にいて一番幸せだと思ったのは、「文化」が充実していること。美術館に音楽ホール・ライブハウスがとにかく豊富だと思った。田舎にいるときはあまり認識しなかったが、東京で浴びるように美術館巡りをした上京1、2年目には「なんで美術館が近くになかったんだろう」って本気で思った。
小千谷の芸術筋といえば、西脇順三郎。彼は詩人として名を成したが、本当は絵描きになろうとしていた(彼の血筋に当たる人が今地元でスケッチを描いているのは何かの因縁だろう)。小千谷に順三郎の絵画は少しはあるが、当時はまとまった展示はしていなかった。
小千谷の隣の長岡市に「新潟県近代美術館」が開館したのは1993年のこと。私が大学を卒業し、社会人になってからである。当初はエルミタージュ美術展が何年かに分けて開かれていた。
そんな大げさなものでなくてもいい。もっと気軽に美術品と接する場があればよかったよなぁって今もしみじみと思う。
ちなみに、泳ぐ芸術品・錦鯉は子どものころから当たり前に見ているので(小千谷は主産地)、一般の人よりは「目」があるのは確かだ。
結局は環境なんだよね…。
▲スターマイン(信州)@長野えびす講煙火大会
小牧といえば「小牧・長久手の戦い」である。
すっかり失念していて、小牧に入った時に山の上に突如城が現れたのには驚いた(近年の建築)。
もともとは、織田信長が築いた山城だったらしい。