▲予行飛行時の白いスモーク
前回の東京五輪が1964年。大河ドラマ「いだてん」でも描かれたオリンピックだ。
私の両親は、東京で出会い、結婚を機に同郷である新潟に帰ってきた。1963年あたり。東京オリンピックの前だったらしい。自分が生まれたのはオリンピックから何年か経ってからだったので、どうせなら見てから帰郷すればよかったのに…。
当然あの年のブルーインパルスも見ていないし、当時はカラーテレビも持っていなかったからその様子も見ていないはずだ(うちは割と遅くカラーテレビ導入したので、子どもだった私の記憶にもモノクロのテレビが残っていたりする)。
東京でブルーインパルスがカラースモークを引いて飛ぶのはこの1964年以来だという。
確かに、昨年コロナ禍の医療従事者応援という名目でブルーが飛んできた時は白いスモークを引いていた。自分も自宅のある建物の高台からそれを目にした→前年の記録
東京オリンピックは、コロナ禍で1年延期され、2021年夏に開催されることになった。その開会式の日に、ブルーインパルスが1964年以来の五輪をカラースモークで描くという。
それは見たい!
だが、コロナが治まらない現状はあの高額チケットを手に入れた人すら会場に入れない「無観客開催」となった。とはいえ、メインスタジアム辺りは人が密集するだろう思われることで、地図をじっと見て、どこで見ようか思案する。
なんだかんだと東京住まいの方が田舎暮らしより長くなっているので、何となく目星をつけて21日(その日に予行演習が行われる噂が出た)に出かけて、スタンバイ。
同じことを思う人は当然いて、それでも界隈にいたのは10人ちょっとだったと思う。
結局その日は空振りとなる。
翌日、再度同じ場所に出かける。
前日より明らかに人出が増えている。それでもまだかなり余裕がある状態。周囲の人が持つ無線機から、どうやらこの日はテイクオフしたらしいことを知る。
そしてキターーーー!!
▲予行なので白いスモークを引いたブルーインパルスが北から南方向へ一直線に飛んで行った。
その後、左に旋回し、後方のビルの陰から出てきたブルーは、5つの輪を描き始める
▲雲の白さにスモークが溶け、また風が割と強くて、何となく、輪っか?という感じに(そしてこちらのレンズが対応できない近すぎた~)
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ということで、2日後の本番リベンジを心に刻む。
2日後の23日は東京五輪開会式である。この日、ブルーインパルスは先日と同じコースを飛び、1964年の東京五輪以来のカラースモークでの5つの輪を描くことになる。
メインスタジアムに近い新宿御苑は、朝イチから大勢の観客が集まった。そんな状況を見て焦った。とりあえず、先日よりも早く家を出る。だいたい同じ場所ではあるが、より視界が開ける方に行ってみる。そこにはすでに先客がいたが数人といった感じ。これなら大丈夫だなって、持参したイスを広げて時間が過ぎるのを待つ。
いい天気だ、ブルー日和だ。
しかし、その後、四ツ谷の土手の上は大勢の人が集まり、後から後からやってくる人が土手から押し出され、自分がスタンバっていた前に続々と入ってくる。道を挟んだ反対側の草ぼうぼうのところにも人が分け入り始める。なお、この場所は某重要施設の近くのため、警官による警備が行われているのだが、藪に人が入りだしたため、おまわりさんも藪の中に入らねばならない状況に…、
そして、展示飛行が始まる。コースは先日と同じだ。
▲これが一番黒スモークが分かるショット
▲角度が変わると黒ってそう見えないのよね(上の写真と並びは同じ)
▲東京タワー方面へ向かうブルー
▲後方からメインスタジアム方向に飛び、散会。5機が大きな輪をそれぞれスモークで描く。
なお、この日も雲が浮かび、風も若干強かったようで、くっきりとした輪っかはしっかりとは見えなかった。でも、色とりどりのスモーク痕は空に浮かび上がり、わずかな時を経て空へ溶けていった。
ひょっとしたら、これが最初で最後のブルー五輪になるかもしれないと思うと、若干センチメンタルになった。