▲陸羽東線・東長沢付近。絵のような美しい風景にディーゼル列車の車窓から思わずシャッターを切る。
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今回の秋田行きは「ウィークエンドパス」切符を使って行った。大曲はフリー区間に入ってはいないのだが、切符の最北から追加料金を払ってもまだ安いのである。山形新幹線経由になって、ローカル線に1時間半ほど揺られるのだが。
したがって、まっすぐ帰ってはもったいない。
ということで今回も東北温泉三昧の帰宅旅である。
当初は、湯沢からバスで泥湯温泉か秋の宮温泉に行こうと考えていた。しかし路線バスが2011年3月で廃止。宿泊ならともかく、日帰り温泉でお迎えをお願いするほど図々しいことはできず、泣く泣く涙を呑む。
バス路線もない温泉地って、もう衰退するしかないんじゃないかって不安になるぞ。良さ気な温泉だけにちゃんと存続してもらいたいものである。
じゃぁ、もうちょっと下って山形から蔵王温泉でも行くか~ってバスを調べてみれば、こちらはたくさんある。よし、大露天風呂ほか共同浴場が2つあったよなぁってよくよく時刻表を見ると「5月20日は運休」って書いてある。
なんでーーー! って調べてみると、その日だけ「蔵王ヒルクライム」なんて自転車のロードレースがあるらしく、車が全面通行止めになるらしいorz
となると宮城側に逃げるしかないなぁ…。
で、陸羽東線に針路を変更。なにせ「奥の細道湯けむりライン」なんて愛称が付いている。時刻表を見るだけでも「●●温泉」的な駅名が6個もある。
ということで最初に行ったのが中山平温泉。
以前からつるつるトロトロの温泉がいいって話を聞いていたんだよね。
当初は、露天風呂のある旅館で日帰り入浴させてもらおうと思っていたのだけれど、お目当ての旅館は地震の影響で露天風呂が使用不能になっていた。
なので、完全日帰り入浴の施設に変更。
▲中山平温泉・しんとろの湯
内湯ひとつっきりの温泉であるが、源泉100%かけ流しの泉質が抜群。つるつるとろとろ。トゥルゥットゥルッって表現が合う。あ、某人物の声で再現されそう(笑)。
かすかに水色を呈しているお湯にとぅっぷんって浸かる。
裏の源泉から木の樋を通して温度調節をし、壁面に空いた穴からその木の樋が突っ込まれて温泉が注がれている。結構源泉が高いので、湯温も自ずと高くなる。熱すぎるというわけではないが、長湯はできなかった。
結構人気の湯のようで、地元率が高いのかな。
湯上りは発汗力が凄い。いつまでも汗が噴き出してきて困った。次の温泉に行くまでに、Tシャツの色が変わるぐらいだったもの。
小さな休憩スペースはあるものの、飲食の提供がないのが残念だなぁ。近くに飲食店もないし…。前日買っておいた「味噌がんづき」をもそもそ食べる。
▲中山平温泉・しんとろの湯。裏の源泉から細い木の樋を通して湯温を下げ、左手の浴場に引き込んでいる
そうこうしているうちに電車の時間になる。一駅乗って鳴子温泉へ。途中、紅葉名所の鳴子峡を走る。秋はこの辺りは観光客でいっぱいになるのだよね。宮城県の駅貼りポスターにも使われていたもの。
まぁ、仕事柄よく知っているが。
鳴子温泉は約20年ぶりである。
とはいっても前回は温泉神社止まりで温泉には入らずに帰ってしまった。今思えば惜しいことをしたものである。もっともその時は「日本こけし館」の取材で、人間国宝の名刺を頂戴したのだったっけ。ちなみに、前日は遠刈田温泉の「みやぎ蔵王こけし館」の取材をしていたのだったが、やはりここでも温泉に入らずじまいであった。
遠刈田温泉にもリベンジ入湯に行かねばならないな。
で、鳴子で最初に行ったのはこちら。
▲鳴子温泉・鳴子、早稲田桟敷湯
なんか、建物からしてモダンというか、アバンギャルド。なぜ黄色?
入口は建物の間の細い道を入って行った左側。右側は図書館で、左側は休憩室らしい。入口は地下へ潜るようになっている。
内装はコンクリートの打ちっぱなしで、なぜか木製のベンチにタイヤがひとつ付いていた。だけど下駄箱は昔懐かしの木製。ケータイや財布もここに入れろと係の人が言う。
脱衣場もコンクリートの打ちっぱなしで、風呂場もコンクリートの床に木片が埋め込まれているデザインだった。地下に潜った分天井が高く湯気が上手に逃げていく。
ここも外から木の樋が3本も突っ込まれていてそこから源泉が注がれていた。
ただ、温度調節のため、加水と循環をしているらしい。
透明な湯には大きな白い湯の花が舞う。
肌触りはちょっとキシキシする感じ。ただ、ここも結構熱め。大きな浴槽の方はまだ「ちょっと熱め」で問題ないのだが、もう一つの深めの浴槽(90センチ)は注がれる源泉温度が高く油断できない。まぁ、それでも肩までじっくり浸かってはいたが。
洗い場も広めで浴槽そのものも大きい。7~8人ぐらい利用者はいたが、十分空間はある。ただ、深い浴槽の階段状の縁に二人並んで座るのはやめようよ~。ほかの人が入りづらいじゃないか~。
タオルを首ひっかけ、髪もひっつめたままもう一つの共同浴場「滝の湯」に向かう。
▲鳴子温泉・滝の湯
何年か前に建て替えられたそうだ。しかし、クラシックな仕様は昔のまま。
のれんをくぐって木戸を開けるともうそこが脱衣場。うっかりそこに着替え中の人がいたら外から丸見えになりそう。脱衣場は広くなく、湯船も広くない。なのにおそらく1ダースぐらいの人がそこにいて、服を脱ぐのにも一苦労。
すぐ横のお風呂の方に行ってみれば、洗い場も実質ない造り。おそらくかけ湯用の湯だめがあるだけ。本来はそこでかけ湯をして即入浴というスタイルなのだろう。二人並んでかがんでも、隣の人に湯がかかるような状況。3人は無理。
私は面倒だったので、湯船から直接湯をもらってかけ湯。
というか、そんな状況でそこで頭を洗うバカがいたんだよね。状況見ろよ、状況。狭いでしょ! シャワーもないんだからあきらめてよ。あとで風呂から上がって、ちゃんと髪からシャンプーの匂いがするかって友達に確認していたから、バカ丸出しである。
で、湯船は二つあって、やはり木の樋が外から突っ込まれて源泉が注がれている。その樋が高いところにあって、打たせ湯のようになっているのよね。
奥の方は本当の打たせ湯のスペースなのだが、大きな浴場の方はうっかり打たせ湯なんてしたら火傷しそうな温度だ。当然、その湯船は熱い。
日頃熱い湯に入っている私には「んん~ちょっと熱いな」って感じだったが、さっきのシャンプー娘は「熱い~」ってギャンギュン騒ぎながら入ってきていた。
お前、本当に温泉に来なくていいよ(;一_一)=3
奥の方の打たせ湯スペースは38度らしく温めのようなのだが、そこはずっとお子様が占拠状態。シャンプー娘もそちらに避難した。
まぁ、状況は時の運であるから置いておいて…。
白濁の湯、木の造りの浴室はいい雰囲気。でもって入湯料150円である。休日はおそらくこんなふうに混んでしまうのだろうが、のんびりと独り占めで入れたのなら絶対満足できるだろうって妄想だけしてみる。
そういえば建物のド真ん前に路駐する車も嫌だったのよねぇ。
温泉がいくらよかろうと、温泉を利用する人側のマナーが良くないとガッカリしちゃうんだよね。鳴子は東の横綱であると主張していたから(鉄道で行く温泉番付みたいなものが張ってあった)、有名税みたいなものだろうか…。
汗をかきかき、陸羽東線全線走破し、仙台から新幹線で帰ってきた。飲み物3リットル以上飲んだな。
おかげでお肌はつるつるである。
荷物が重かったので肩こりの方はイマイチだが…。
以下、花火鑑賞士のつどい大曲JC40周年セレブレーション特別花火
「陽はまた昇る~大曲JCのさらなる飛躍を目指して」