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翌日もまだまだ片貝まつりだよ

2019-09-24 21:21:00 | 花火

▲10日は全国でも珍しい昼花火がある

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 もうそろそろ常識として日本国中に知れ渡っていると思うけれど、片貝まつりの花火は2日連続で行われる。しかもどっちがすごいということではなく、どっちもすごいのである。
 ということで、2日目の朝はバスに乗り遅れることから始まった。バス会社のhpでは42分って書いてあるのに、バス停には40分って書いてあった。バス停につくちょっと前に出て行ったバスがあるんだが、そこが始発なので、別な方面へのバスだと思っていたら、当該バスであった。次のバスは1時間後ということで、実家にいったん戻る。
 出戻りの再出陣ではちゃんとバスに乗れた。そうして片貝へ到着。もう今日は町の中にバスが入れないので、バイパスで降りて浅原神社に向かう。この日の列も少ない。ただ、中国か台湾の方が家族連れで来られていた。
 両国とも花火が盛んな国である(火薬は中国の発明)。ネット等で調べて日本の花火を見に来る人も珍しいことではなくなっている。

 ということで、本日の観覧席に入場。くだんのとつくにの方は隣のブロックにいてホッとする。日本に来るからって日本の常識とか日本の言葉とかが分かるわけではない。案の定、土足禁止のシートの上に靴のまま上がっていた。中国語、少しは勉強しなきゃだめだよね、そろそろ…。ディープ魚沼弁しか使えないんですけど、自分…。

 
 2日目となる9月10日は、昼花火が上がるので実家には帰らない。そこで、知人を誘って市内のスィーツ店に繰り出す。シャインマスカットパフェ、美味しゅうございました。

 慌てて戻って昼花火。9月上旬はまだまだ暑く、お日様の直撃を受けつつ、お日様に目を焼かれつつの昼花火観覧である。




▲片貝さんは白煙ベースなので、かわいらしいパステル昼花火


▲この青はしっかりとした青煙


▲右の黄色い花火の中央に紫の点々。これは、芯!?


▲青空に黄色は映える


▲そして昼三尺は七〇歳の古稀同級生永遠会奉納。

 片貝は、中学校卒業と同時に同級生で組が形成され、二〇歳で花火を奉納し始めてその仕舞が七〇歳となる。今の七〇歳は何十人もいるのだが、昨今は少子化の影響で、中学を卒業する段階で20人を切るような状態である。片貝の花火は確実に変わっていかざるを得ない未来へ進んでいる。

 その後、お相撲などを見て、旧片貝町役場で休憩。ここ、「やせかまど」(複製)などの郷土資料が置いてあって、これは読まねば!! と思ったが、前日の疲れも相まってほとんど舟をこいでいたw
 17時のチャイムに背中を追い出され、町に戻る。
 それなりに混んでいるけれど、平日の屋台通りは歩きやすい。地元の衣料店で花火手ぬぐいを買って境内に戻る。
 気になっていた火床のアユ飯を買って夕飯とする(うまいっす!)

 日暮れて、祭囃子もにぎやかになり、轟雷で今宵も花火が始まる。


▲和火からの彩色先変化


▲昇銀竜だからこれは大柳火! と賭けに勝ったはいいが、次弾が割と明るめの千輪だったりして慌てる


▲紫芯入り錦八方のスターマイン


▲分砲彩色千輪


▲片貝万華鏡の2発同時打ち上げはいつもツイヅルを思わせる


▲今時、先点滅の変化はあるけれど、これだけ真っ赤で真ん丸なボタンってある!?(ほめてます)


▲分砲彩色千輪の3発同時打ち。毎年奉納してくださる花火研究第一人者の御大、ありがとうございます。しかも今年は分砲が消えるのが0.5秒早かったなんて言うんだぜ!! すげぇ、動体視力だ!


▲このね、秋を思わすしっとりとした色合いがいいんですよ、これ


▲緑芯の後に紅点滅八方が広がり、間髪入れず錦八方が枝垂れる。


▲ハート芯の大玉とハート5号かな


▲そして大柳火~。珍しく番付に書いてあったように大柳火が上がったよ(何時も裏切られる)


▲そろそろ定着してきたかな、病院スタマ


▲これはちょっと気になる八方だな


▲「大柳火の10日」(←勝手に言っているだけ)というだけあって、今日もよく上がります。


▲手間がかかる千輪も今年もたくさん上げてもらえました


▲ヤシ芯の千輪2発。右の方は常総で上がったのかな!?


▲この八方もきれいよねぇ~


▲これはちょっと新しいやつかな


▲澄んだ片貝ブルーのスタマの幸せ


▲三尺玉ドーーーん!


▲ヤシ芯の青千輪、紅千輪


▲大きなサクランボもキタ――(゚∀゚)――!!ー


▲昨年の大曲自由玉「宵の浮き星」


▲パステルスタマからの紫紅点滅千輪


▲千輪の種類、マジで何種類あるんだろうねぇ。


▲そして、まだまだ来るよ、大柳火


▲今年の大曲自由玉「越のこころ」


▲正四尺「黄金千輪小割浮き模様」
 今日の四尺はちゃんと開いてめでたしめでたし。


 今年は2日とも平日で、比較的ゆったりとでも濃密に楽しめた片貝まつりだった。
 帰りの臨時路線バスもこの日は1台きりで、まったりと終点まで乗って帰ったのであった。

 来年もしばらくは平日片貝。うまく仕事を調整して平日満喫したいなぁ。

今年も有給使って片貝花火9/9

2019-09-19 00:02:00 | 花火

▲片貝まつりの裏名物「大柳火」。昔ながらの和火が太く尾を引き、しだれてくる。私は大好きだ!! なおこの花火、開いてみないとわからないのが悩ましく(片貝は番付に花火の名前はほとんど書かれない。書かれていても裏切られること多し)、撮影はこれ専用の設定にしないと難しい。勘だけが頼りの勝負だw

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▲片貝まつりのスタートは前日8日15時、祭り屋台の引き回しから始まる。屋台の上には新潟県の中越に十数体のみ残る巫女爺(みこじい・みっこんじさ)が据えられ、人形舞を見せる。片貝の巫女爺はいったん途切れたが、近年復活したもの。片貝マニアでもここまで見ている人は多くないだろう。私はただのみっこんじさ好きだ!
 じさの前にある半円形の玉は「品玉」という演目に使われるものだが、まだ品玉の舞は復活していない。品玉のオバケたちもそろっているんだけれどなぁ…。

 巫女爺に関しては新潟県のリーフレットを参照→
 「みっこんじさ」は「みこ」と「じさ」がフランス語的リエゾンによってつながった方言である。



 さて、明けて9日
 朝6時から尺万雷が響き渡る片貝上空。実家の方にも聞こえてくる。
 今年は平日のため、朝の通勤通学バスに乗り込んで(通勤通学たって、ほんの数人だ)片貝へ向かう。こんな早くに観覧席は売らないのは知っているが、それでも早く行きたくなるってのが人情。
 到着すると遠来の客や顔見知りなどがすでにおる。まぁ、彼らは車で来ていて、もう私設の有料駐車場に置いてあるからね~。発売時間が来るまで歓談。自分たちの入る観覧席とは別に、当日桟敷席も少量販売されるので、そちらの列も見える。とはいえ、今年は両日とも平日開催だから、平和なものだ。
 観覧席をゲット後、バスに乗って実家に戻って昼寝る。2日目は通し観覧だから、体力温存。

 夕方前に再びバスで片貝へ。
 平日開催だから大混雑というほどではないが、この日も万人単位の観覧客がこの小さな町に押し寄せる。

 徐々に暗くなっていく境内とは裏腹に。騒めきの中にひときわにぎやかな笛や太鼓や木やりの声が聞こえてくる。そしてアナウンスが始まる。
 名物アナウンスの横山さん(素人ですよ)が昨年限りでご勇退されたため、今年から地元(魚沼市)のプロアナウンサー金子さんが登板。初舞台、お疲れさまでした。これからも末永くよろしくお願いします。


▲片貝さんの新旧のスライド変化玉。序盤から尺玉全開だぜ!


▲そして序盤にさりげなく多重芯物がぶっこまれるのもここ数年の傾向
 大曲のものより、ここや柏崎で上がる多重芯物の方がいいと思うw そういうところ大好きだ!


▲八方の種類も多い。この枝垂れる感じが秋花火には合う


▲分砲千輪来たーーー。彩色も鮮やかで宝箱が開いたよう


▲猫玉大玉w 猫芯の尺玉花火である。ほかにもあるんですよ、こういうのw


▲大柳火と言えば10日なんだが、今年は9日の大柳火も多かった


▲八方のスターマイン。色がきれいよね~


▲ヤシ芯彩色千輪×5来たーーーーー。やっぱ千輪は最高だぜ!
(作るの大変だそうです)


▲三尺玉1発目。大きすぎる花火のため、ほかの花火のかなり後ろに設置されている。見た目はそれほど大きくは見えないかもしれないが、遅れて爆発音と衝撃波が体を突き抜けると、さすがの大きさを体感できる。


▲銀菊と彩色千輪のコラボは若々しさを感じさせる


▲片貝ブルーの八方とレモン色の点滅八方は縮緬にも似て、着物の累をイメージさせる


▲初期のスライド変化。たまたま星の配列がいびつになっているが、これを応用すると星型のスライド変化もできるかもなぁと思ったり…。


▲そして9日の名物ニャンターマイン!! 猫の型物花火や、猫芯花火などが上がりまくります。これ、効果音の笛にニャーとか出たら最高だよなぁと思うが、そんなの無くとも会場はいつも大盛り上がりです!


▲猫芯花火、猫玉と言われるもの。星はあえて和火系に寄せて、猫ちゃんが浮かび上がるような配色になっています


▲ヤシ芯の点滅千輪。千輪の芯に紫を配することで、異なる色に調和が生まれる。


▲そして9日の名物と言えば、還暦スターマイン。これでもか、これでもか。これでもかぁ!!!って具合に錦が上がり、そろそろ終わりかなって思わせた後が本気の花火だったりするw


▲なんか珍しいのも上がったw これなんて呼ぶ!?


▲三重芯変化菊


▲四重芯変化菊

 夏、よそ様の花火をたくさん見た後に片貝を見ると、とにかく「片貝って丸いよなぁ」って実感する。当たり前だけれど、たくさんの中にはそうでもないものもあって(初めから丸くない花火ももちろんある)、しみじみと、この煙火店の基礎部分の絶対的信頼感を覚える。


▲彩色八方のスタマから、ジェネリック風味なアレ



 そうこうしているうちに、時刻は夜10時を迎える。7時半からずーーーーーーっと花火上げ続けているのだが、飽きることない。
 そして夜10時は、四尺玉の打ち上げである。
 お立ち台では、木遣りをあげた人々が「あっがっれ!あっがっれ!あっがっれ!あっがっれ!あっがっれ!…」とエンドレスに盛り上がっている。そんな中、四尺玉がするすると…曲導を弾く間もなく

 あ!!!!!!!


 ナ、ナント、打ち上げ失敗。
 過早発らしい。筒からは出たのだが、十分に上に昇る前に芯に火が入って開いてしまった。
 2010年だかに2日続けて黒玉だった以来の珍事で、低空開発とはいえ、上がったのでアナウンスとしては「おめでとうございます!!!!」となる。

 調べてみると、30年以上前の打ち上げ初期の失敗以来らしい?

 ある意味珍しいものを拝ませてもらったという感。一生のうちにもう一度見ることはないのではないだろうか…(あと30年経つと自分は平均余命を軽く超える)。
 まぁ、珍しいものを見せてもらったという感じだ。

 実際、翌日社長は「昨日は珍しい花火上げちゃって…」って言っていたらしい(社務の方の情報)


 ということで、非常に珍しい花火で終わった片貝花火1日目であった。


風下けむけむ夜曲

2019-09-04 23:22:00 | 花火

▲オープニングのナイアガラスターマインがまさかの着火せず…。

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 昼花火が終わって、徐々に暗くなるにしたがって、会場の人が増えていく。花火と言えば夜のものという思い込みはなかなか払しょくされなくて、昼花火を見ることなく夜の花火だけにやってくる観客は少なくない。特にツアー客はその辺りが顕著だ。
 山の端の残照もいつしか闇に溶け、桟敷席や通路の明かりが主張を強めるころ、夜花火の打ち上げが始まる。

 いきなり、ナイアガラに着火しないというトラブル(;´・ω・)
 昼の数度のゲリラ豪雨によって、火薬が湿ったか、はたまた線が切れたか…。ゲリラ豪雨の中、必死に祝詞を上げた神主の思いが通じてか天気は回復したが、おそらくの対価としてナイアガラが持ってかれたということか…。


 偉い人のあいさつが終わり、会場に響き渡る「ひょーうじゅん しんーさ だまーーー」の声。夜の花火の審査基準となる花火が藍色の空を上る。


▲標準審査玉:10号芯入り割物「昇曲導三重芯変化菊」響屋大曲煙火(秋田県)


▲標準審査玉:10号自由玉「昇分火付彩り椰子に花雷の響き」響屋大曲煙火(秋田県)

 今年は標準審査玉が78点と高く、自分もこの自由玉の完成度は印象に残った。煙っててなお、このクオリティである。


 昼花火の時はそれほど気にならなかったが、花火に対して観覧席は風下となる。花火は光を発すると同時に、火薬を燃焼することで煙が少なからず発生する。その風が今年は観覧席側に流れてきて、ベストなコンディションではなかった。
 以下、今年の入賞作を並べていくが、風下による煙害は致し方ないものとしてご理解ください。

 10号割物花火の部は、各社「芯入り割物」と「自由玉」の2つの花火を打ち上げる。そののち、定められた時間と玉数で、一つのテーマを花火で表現する「創造花火」が打ちあがる。


▲10号芯入り割物の部優勝「昇曲付五重芯変化菊」野村花火工業(茨城県)
 見た瞬間口から出た感想「昨年小幡さんに取られたからってやる気に満ち溢れていますな」※特別賞:日本煙火協会会長賞


▲10号自由玉の部優勝「新緑の躍動」野村花火工業(茨城県)
 見た瞬間口から出た感想「メッチャ内閣取る気にミッチミチに満ち溢れていますな」



▲創造花火の部優勝「オバケも踊るハロウィン・パーティーナイト」磯谷煙火店(愛知県)※写真はコンポジ
 この三角形の白い物体がオバケで、この煙火店ではおなじみで初回のネーミング「マシュー」と呼ばれている。ハロウィン仕様で、手があちこちに伸びていくという(飛遊星を用いているのだろう)


10号芯入り割物の部準優勝▲「昇曲付四重芯変化菊」マルゴー(山梨県)
 えっとー、曲導は落ちているし(それ自体は大した減点ではないだろう)、四重芯って審査員席にしか見えないもの!?
 すっげーぇ、悪口を言うと、このレベルで準優勝させちゃうって、近々「マルゴーに内閣上げるよ」という下ごしらえじゃないかって私なんかは疑っちゃうんだよね。さすがにこのレベルでは内閣どころか入賞だって危ないと思うんだけれどさ、少しずつ実績を下駄ではかせているんじゃないか疑惑が、湧いてきていたりいなかったり…。


10号自由玉の部準優勝▲「翡翠をちりばめたペンダント」響屋大曲煙火(秋田県)
 そうか!準優勝は最初から曲導を落としたところにするって決めてあったんだ!? 


創造花火準優勝▲「新緑の躍動」野村花火工業(茨城県)
(けむけむは心のフィルターで処理してください)


10号芯入り割物の部優秀賞▲「昇分砲付四重芯紅緑銀乱菊先」伊那火工堀内煙火店(長野県)


10号芯入り割物の部優秀賞▲「昇曲導五重芯変化菊」小松煙火工業(秋田県)


10号自由玉の部優秀賞▲「プリズム(光が分散屈折する多面体)」小松煙火工業(秋田県)


10号自由玉の部優秀賞▲「トリコロールの花」丸玉屋小勝煙火店(東京都)
あのー、あなた昨年まで市松ほにゃららと名乗っていましたよねw


創造花火の部優秀賞▲「月夜に現る幻想の滝」小松煙火工業(秋田県)
 けむけむに和火はツラヒ


創造花火の部優秀賞▲「近未来幻想紀行」マルゴー(山梨県)



10号芯入り割物の部入賞▲「昇曲導付四重芯菊先銀乱」響屋大曲煙火(秋田県)


10号芯入り割物の部入賞▲「昇曲付四重芯変化菊」紅屋青木煙火店(長野県)


10号芯入り割物の部入賞▲「昇曲導付五重芯菊花の極」篠原煙火店(長野県)


10号自由玉の部入賞▲「雪どけの華」マルゴー(山梨県)


10号自由玉の部入賞▲「越のこころ」片貝煙火工業(新潟県)
これ、向きを選ぶ玉なんだよね。正面から見るとどうなるかは、柏崎の花火の方を見てくださいwww→


10号自由玉の部入賞▲「ダイヤモンドダスト」三遠煙火店(静岡県)
錦よりも銀の方がらしく見えるけれど、燃焼速度が速いから難しいのかな…。


創造花火の部入賞▲「惑星ループ~Circle・Circus~」篠原煙火店(長野県)
昨年の秋、信州中野で見た色。コクのある独特な配色だ。


創造花火の部入賞▲「Trick or Treat~キャンディ ちょーだい~」齊木煙火本店(山梨県)
キャンディバージョン花火も上がったんだけれど、あえてカボチャ花火で!


 上記で特別賞も重ねて受賞している煙火店もいるのだが、こちらは特別賞のみの受賞となった。

10号自由玉の部観光庁長官賞▲「夜光幻想花」新潟煙火工業
 小泉家の家伝である「松島」という吊り物を単体ではなく他の花火と組み合わせて一つの玉に収めたという意欲作。自由玉だけでなく創造花火でも見せてくれた。今まではさすがの職人芸と思っていた松島が、こんな楽しい花火になるとだれも思わなかっただろう。完全に伝統の松島の印象を変えた一玉だと思う。
 

 何かと話題になった大会提供ではあるが、毎年上げるものだから、今年はこの形というぐらいの認識でよいのでは…。見る方の欲としては、毎年最高of最高を求めてしまいがちだけれど、時には変革が必要だ。それがいい方向にすぐ発揮される場合と、熟成してから気付く場合があるんだと思うよ。まぁ、今年は撮っていて楽しいものではなかったけれどね…。

▲大会提供花火の冒頭で色のきれいな花火が上がった


▲大会提供花火。ちょっと変わったものを…。斜め打ちできるやんw


 花火終了。
 ホテルが盛岡だったが、臨時新幹線の座席が取れなかった。仕方なく、駅まで歩いて駅前のグルグルグルグルという人の列に並ぶ。何年か前は、最終の新幹線なら座席指定券がなくても余裕で座れていたのだが。今年はJRが臨時新幹線を精査しすぎて、大分臨時本数が削られた。撮影はたいてい立って撮るので、何時間も立ちっぱなしの上、新幹線からはみ出しそうになり、まっすぐ立てないまま盛岡まで座ることできずに、非常に疲れた。
 さすがに今年は削りすぎですよ…。
 JRさん、来年はもう1本増やしてください。あまりに辛くて、鬱るかと思ったよ…。

大曲の昼花火2019

2019-09-01 23:19:00 | 花火

▲競技後に上がる昼花火スターマイン

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 大曲の花火のチケットは初夏、ベンチC桟敷をゲットしていたわけだが、届いた席はアップル階段よりも大分下流だった(だいたいの中央はバナナ階段)。すなわち「ちょっと残念な席」である。
 10号割物が斜め左で、創造花火はその彼方という配置。早い話が、創造花火が遠いよ~って席であった。あー、これは…orz

 だが待て! ということは、昼花火は近いぞ! おぉ、正面じゃないか!? ということで、200ミリのレンズを1本追加して参戦した本年の大曲の花火である。


 昼前に大曲に到着。はなびアムでの花火講座を見て、タカヤナギ(地元スーパー)で糧食を仕入れた後、突然天気が崩れた。幸い、スーパーのテントの中にいたので、ただひたすら雨が通り過ぎるのを待つ。端っこだったから傘で吹き込む雨をブロックしつつ。
 このころ、花火会場では正に神職による祝詞が上げられていたとのこと。今年の天気の神様はなかなかなサドっぷりであった。
 何度かの波を過ごして雨が上がったのち。旧花火庵であるのびのびランドでの花火講座も聞いてから会場に向かう。


 桟敷席は雨でぬれていた。西に傾いた太陽が会場の雨の名残に反射していた。
 まぁ、シートとか椅子とかいろいろ持ってきているから大丈夫だけれどね。

 相席の女性たちも到着して、昼花火が打ちあがり始める。






 昼花火も審査の基準となる「標準審査玉」から打ちあがる。
 昼花火というのは、運動会などのイベントで上がるような号雷もそうだが、隅田川からこの大会を引き継いでいる大曲では、さまざまなタイプの昼花火が見られる。現在、昼花火の競技が行われているのはこの大曲だけになっている。

 以下、全社の昼花火画像をアップする。

 この席、昼花火を見るにはいい場所ではあるが、直射日光が目に入らないだけで、基本逆光気味なのは川の東岸が観覧場所のため仕方ない。なので、色は実物とは多少異なっているだろう。まぁ、その辺は突き詰めるとあれなので、「へぇ、昼花火ってこんなのなんだぁ」という感じで見ていただければ幸いだ。
 また、今回はやや詳細に説明文を付けている。このブログの解像度では認識できないものかもしれないが、拡大画像を見たい方は別途連絡をいただければ対応法を検討する(ツイッター等で拡大アップとか)


1)昇曲導付煙菊変化:長野県 篠原煙火店
 うーん、変化というのはどのあたりなのかがわからないなぁ。撮ってない部分のことかな?


2)黒煙柳に紫連竜の舞:秋田県 響屋大曲煙火
 昼花火の古典的定番は連龍というもの。色煙を吐きながらゆっくりと落ちてくる。パラシュートで吊っているためである。この煙が降りてくる様を「煙竜(えんりゅう)」と称されることが多い。この花火はひとつのパラシュートで5つの色煙玉をつっているため「連龍」と呼ばれる。
 紫色の斜めの線が途絶えているところ、その上の方に小さなパラシュートが開いている。このパラシュートで色煙を吐き出す玉をつっているのである。右の薄い紫色は、パラシュートが上手く開かなくて落下していった跡である。なお、地上落下した玉は、減点対象となる。
 左上が開発直後の玉で、黒煙の中から紫煙が出てきて、それを吊るためのパラシュートがすでに開いている。


3)夕映えの天空花壇:秋田県 和火屋
 うわっ!このブログだとほとんど見えない! これは、夜と同じ原理で煙花火を四方に飛ばしたもの。中に破裂用の火薬を詰めるため、煙花火本体はそれほど太い煙を吐かなくなる。


4)青天の霹靂:長野県 伊那火工堀内煙火店
 雷の光の中から黒煙が開くという仕様。


■優秀賞■5)夕暮れに咲く藤の花:東京都 ホソヤエンタープライズ
 煙竜を吊っているのは二つのパラシュート。Y字型のひもが連龍を吊っている。左のオレンジ煙の中にそれが見えるが、その左に黄煙を吐き切ったパラも見える。。
 細谷さんの昼花火の特徴は、パラシュートがシルクでできているということ。パラシュートで花火をつるすのが、昼花火吊り物の定番の一つなので、そのパラシュートが上手く開かないと昼花火としての完成度がかなり落ちる(パラが開かないで落下すると減点される)。細谷さんはパラシュートの改良の行き着いた先がシルクになったということ。
 会場の風向き的にまれに昼花火のパラシュートが観覧席に落ちてくるのだが(今年もいくつか落ちてきた)、どうせゲットするな細谷さんのをゲットしたいと思っているマニアは少なくないかとw


6)枯れ木に花を咲かせましょう:静岡県 三遠煙火
 これはアイデア賞ですね。普通は開発して落ちてくる形で表現するけれど、上昇中から色煙を出して樹形を描き出した。


★優勝★7)五色連龍の舞:秋田県 小松煙火工業
 昼花火っちゅーのはこういうもんだよって見本を見せる小松さん。今年も見事な5連龍を堪能させていただきました。元画像を拡大すると、小松さんのパラってひもの接続部分の補強がしっかりされていて、これが成功の秘訣なのかなって思った。


【入賞】8)煙柳に夕暮れの輝:福岡県 高田花火工業
 高田さんの昼花火はある意味面白い。濃い色煙を盛大に降らしつつ、そこにフラッシュを配している。


9)三色煙竜の舞:長野県 紅屋青木煙火店
 黒煙の中から、赤と黄色などの色煙が吊られて降りてくるもの。元画像を確認すると、パラは開いても着火していないのもあった。


10)新風煙舞:山梨県 マルゴー
 今年は結構よかったと思うんだけれど、審査員の目にはこのカラフルな色は見えなかったのかな…。割物は煙星が小さくなりがちなので、どうしても細くなるのが弱点なのかな。


【入賞】11)昇曲付柳に五色の煙竜:福島県 菅野煙火店
 煙龍の色が濃くてよかった。


【入賞】12)五龍之舞:山梨県 齊木煙火本店
 本店さんも5色の連龍に挑戦。連龍の数が増えると、パラから連なるひもが長くなるわけだが、これは本当に長い。中央の青煙のパラは画面上1/3の位置にある。そして左には今まさに上昇中の玉が入っているのもちょっと気に入っている。


13)夕映えの花:茨城県 野村花火工業
 割物でオレンジ煙を広げたもの。オレンジ色をもっと濃くしないと存在感が薄い


14)インパルス・ブルー:新潟県 新潟煙火工業
 今年は新潟港が開港されて150年。それを記念して様々なイベントが行われたわけだが、7月にはブルーインパルスの展示飛行が行われた。この花火は、それにインスパイアされた花火であろう。いい青。


15)夕映えに花浅葱:東京都 丸玉屋小勝煙火店
 ほとんど白煙に隠れてしまっている感はあるけれど、かすかに浅葱色が見える。これズームだから見えるレベルで、審査員には届いていない気がする。


16)変色枝垂れ煙柳:新潟県 片貝煙火工業
 色煙が途中で変色するというもの。変化菊の昼花火版といったところか。片貝まつりでも昼花火が行われるが、色煙はだいたいこんな感じで降りてくる。他社を含め吊らないタイプの色煙ってこうやってらせん状に降りてくるものが多いが、片翼か何か生えているのかな。
 あれ、今年の片貝まつりでパラ使っていたような…。


◆準優勝◆17)昇曲付煙竜の舞:群馬県 菊屋小幡花火店
 小幡さんのすばらしさはこの紫色の濃厚さでしょう。細い緑も濃い色で素晴らしい


18)黄昏時の情景:茨城県 筑北火工堀米煙火店
 開発の煙の中から、青い煙竜が降りてくるが、パラにつられた赤い星も…。はっ!これって残光の昼転用ですね。


19)宇宙ミクロ星団にオーロラ煙出現:静岡県 イケブン
 割物の中から、青赤黄色の色煙が出てくるのだが、細くて薄い。これでは審査員に届かない。


■優秀賞■20)昇煙竜付紫煙蜂:長野県 信州煙火工業
 以前もこの手で受賞した信州さん。どうしても細くなりがちの割物色煙を濃い色にすることで効果的に使っているのさすが。


21)昇り付柳に煙柳:長野県 太陽堂田村煙火店
 左上のパラは、煙の中のまだ現れていない何かを吊っている。


22)ドラゴンアイ~アスピーテの神秘~:宮城県 若松煙火製造所
 昨年も同じようなタイトルだったような…。アスピーテのドラゴンアイは、雪解けの青い湖に雪が丸く残るさまを言うのだが、ここでは青い色煙の先で竜の目が光っている。この画像でもかろうじてわかるが、パラは赤い。


特別賞23)昇曲導変色双竜群蜂に三段の轟き:新潟県 阿部煙火工業
 今年も濃厚な煙龍を見せてくれた阿部さん。ズームレンズで見た先のパラシュートがえらいカラフルだったことに驚きました。


24)夕映えの竜:山梨県 山内煙火店
 コーポレートカラーのオレンジ縛り。今年もいいオレンジでした…。あのー、ビックスワンで昼花火上げませんか!?


25)狼煙:茨城県 山崎煙火製造所
 黒煙は白んだ空にも映えるので視認性はよい。日本における花火の原型ともいえる狼煙を空に打ち上げる。だけど音がするからすっぱに気付かれちゃうぞw


26)ハロウィンカラーでいたずら:愛知県 磯谷煙火店
 かぼちゃ色なのは分かったけれど、いたずらと称するのならもうちょっとこう何というか…、ここでもマシュー上げちゃった方がよかったんじゃない(うそです)


27)ヒマワリに遊ぶ蜜蜂:秋田県 北日本花火興行
 黄煙でヒマワリを咲かせ、飛遊星で光を飛ばして蜂を表現、というのは分かりやすかったけれど、落としすぎました。

 以上、全27業者分

 また、全体を通して思ったのは、
 1)太く濃い煙竜が見やすいので、賞を狙うのならそちらの方がいいだろう
 2)割物系で太い煙龍が出せるよう開発したら強そう
 3)割物で淡い色や中間色はそもそもの「視認性がめちゃめちゃ落ちる」ので、正当な審査はされにくく、評価が上がりにくいと思う
 4)審査員席、ど真ん中でどっしり動かないんじゃ昼花火ちゃんと見えていないよね。せめて昼花火だけでも審査場所を変えた方がいいんじゃない!? 3)の理由の半分はここにあると思う
 5)パラシュートは意外とカラフル。


▲昼花火スターマイン