▲東中野のテツの撮影ポイントより。正面にあるビル群はかつてここに暮らしていた時にはなかったものだ
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久々に映画を見てきた。
夢は牛のお医者さん(https://www.teny.co.jp/yumeushi/)
新潟のテレビ局が制作したドキュメント映画である。もともとは「ズームイン朝」のコーナーの一つとして取材したものが、継続され、いったん終了したものの、その中の女の子が高校生になってもその時の夢を追いかけていると知って取材を再開したというものらしい。
映画化のきっかけは「東日本大震災」だったと、プロデューサーは言った。なんとか日本を勇気づけたい、頑張っていることを見せたいという思い。だけどローカルテレビ局ではそれが全国に発信できないもどかしさ。その思いを突破するための映画化だったという。
映画ならどこにでも配給できる、どこでも見てもらえる。
もちろん、大手でもなんでもなく、まして初めて「映画」を作るわけだから勝手がわからない面もある。それでも今日、新潟と東京(@ポレポレ東中野~4月下旬まで)で公開となり、この後もいくつかの映画館で公開が決まっている。
私がこの映画を知ったのはほんの2日前のことである。朝日新聞の東京綿(いわゆる地方面)に出た記事でのことだった。
実は映画が苦手な私。真っ暗中で映画の光は実はけっこう眩しく感じるらしく、見ているだけでコメディでも涙が止まらなくなるからだ。
だから見に行く映画は結構マイナー路線が多い。だって大手モノは2年もしないうちにテレビで流れるからさ。だけどマイナー系はまずオンエアされないだろうから、いいと思ったら見に行くしかないだろう…って、あきらめの境地で行くわけである(笑)。
▲こういう風に桜と菜の花と車両が撮れる。運が良ければ4本並走だって…。まぁ、その筋の方は、ここで珍しい車両(臨時列車とか団臨とか)を撮るのだが。
見に行くきっかけは、2004年の中越大震災で山古志の牛救出大作戦に、この映画の女性が関わっていたということを知ったからである。
あの地震で、山古志の人々が全村避難となった際、真っ先に思ったのは「牛、どうなっちゃうの?」ってことだった。
山古志は小千谷の東山と同じく、牛の角突きが残る地。現在は国の重要無形文化財にも指定されている。つまり、山古志の伝統である。その伝統をも手放さねばならないのか、とテレビに映し出される惨状を前にどこにもぶつけようのない怒りとか哀しみとかがないまぜになっていた(錦鯉に対しても思ったんだけどね)。それに、角突き牛とは別に肉牛も飼っていることもうっすら知っていた。
その後、山古志の牛がヘリで救出されることを知り、安堵したものである(それでも助けられなかった牛は何頭もいたが)
報道では、ヘリコプターが牛を何匹か入れた移動用柵を吊り下げられているところぐらいしか見られなかったわけだが、やはりあの現場には牛飼いとともに県内外の獣医が協力していたというものである。
まだ大きな余震の危険性もある中、牛の状態を確認し、直前に麻酔をし柵に乗せる。鯉池をつぶた土砂崩れに巻き込まれて動けなくなった牛を泥だらけになって救出し、やはりヘリに乗せる。そんなことをしていたらしい。
正直、このシーンは奥歯を強くかみしめなければ見られなかったが(マリのときはフィクションすら正視できなかった)、やはり見てよかったと思った。
これは全編のホンの一要素に過ぎない。
▲真横から見るとこんな感じ。金網の間にコンデジのレンズを突っ込んで撮る
主人公となった女性は、現在も一人の獣医として新潟県内で働いている一般人である。そのリアルな獣医の生活も初めて知るものだ。
直腸検査ってリアルだとやっぱしアッパまみれなのねーとか、牛を押さえつけるのって大変だなぁとか、子牛の誕生の瞬間とか、産んだ直後の母牛のアクションの早さとか、作られた物語よりもリアルに見せられる方が説得力がある。
ちなみに直腸検査については荒川弘の「銀の匙」5巻辺りを読むべし。
そして、2カ所ほど猫がいい仕事しています(笑)
東中野は10年近く私が住んでいた土地。あのころとはだいぶ変わってしまったけれど、桜並木はすくすく大きくなって見ごたえが出てくるようになった(特に神田川沿いの方)。まだ桜は満開ではないけれど、チョコッと春気分を楽しんできた。
いやぁ、アトレヴィ内のカフェスペース2カ所はいい眺めですな~。
そして鉄道撮影ポイントに立って気付いたのだが、前の方に建っているどれかのビルがスカイツリーを隠してしまっているのが多大なる残念だったりする。
▲本日先着200名様にお米(JA協力)と蕎麦(松代そば善屋協賛)をプレゼントと聞いたのでしっかり釣られて初回上映に行ってきた。
贅沢をいうのなら、同じ協賛でもヤスダヨーグルト(大好物!)の方がうれしかったのは小声で…