ヴォーカル1、ギター1 ドラム1ベース1の4人バンド。同じ編成でもツェッペリンと違ってソロをあまり引かないね。曲に使っているコードが多彩。単純なメロディーだがバッキングに優れています。皆卓越してるけど忘れちゃならないのがドラムの「Keith Moon」だね。Twinのバスドラでギターの音の足りない処迄カバーしている叩き方は大したもんだ。ツェッペリンのJohn Henry Bonham に次いで2番にランクされています。
という訳で、TOMMYの登場人物からね。
登場人物
- トミー・ウォーカー アルバム・タイトルとなった主人公の少年。父の犯した殺人を目撃したショックで視覚・聴覚・発話障害の三重苦を負う。
- ウォーカー大佐 トミーの父親。夫人の浮気を目撃して衝動的に情夫を殺害する(イギリス軍制におけるCaptainは大尉ではなく大佐)。
- ウォーカー夫人 トミーの治療方法を模索して迷走する母親。
- ウォーカー夫人の情夫 ウォーカー大佐に殺害される。
- 叔父アーニー トミーの叔父で小児性愛者。ジャニー喜多川みたいな奴ですかね?。トミーに性的な悪戯をする。
- 従兄弟のケヴィン トミーの従兄弟。トミーを執拗に虐待する。
- ザ・ホーカー 治療を願うウォーカー夫人が訪れるカルト教団の主導者。
- 元チャンピオン ピンボール大会で競り負け、トミーに“ピンボールの魔術師”の称号を奪われる。
- アシッド・クイーン トミーを治療すると称して幻覚性の薬物を投与したジプシーの女。
- 医師 トミーの障害が身体ではなく精神に起因することを突き止めた。
- サリー・シンプソン トミーの熱狂的な信者の少女。
- Overture(序曲)/ It's a Boy(イッツ・ア・ボーイ)
- 時は第一次世界大戦。イギリス軍のパイロットであるウォーカー大佐は戦闘中に行方不明となり、戦死と報告される。ウォーカー夫人は悲報を聞き、失意の中息子のトミーを出産する。
- 1921(1921)
- 4年後、ウォーカー大佐は生還を果たし帰宅するも、夫人の“浮気”(夫人は夫が生還すると思っていなかったので不実ではないが、結果として)を目撃し、情夫を殺害する(歌詞の中に実際に「殺した」という表現は出てこないが、後の詞の展開からして殺したと解釈していいだろう)。鏡越しにこれを目撃してしまったトミーに対し、両親は「あなたは何も見なかったし、何も聞いていなかった」(you didn't see it, didn't hear it)、そして「このことを一生誰にも話さないように」(You won't say nothing to no one ever in your life)と言い聞かせる。これがトラウマとなり、トミーは視覚・聴覚・発話障害を負ってしまう。
- Amazing Journey(すてきな旅行)/ Sparks(スパークス)
- 荒廃したトミーの潜在意識が、銀色に輝くガウンを着て金色のあご髭を生やした見知らぬ長身の男(He's dressed in a silver sparked glittering gown and his golden beard flows)として現れ、異常な精神世界への「すてきな旅行」を誘いかける。Sparks(スパークス)は、トミーが垣間見た精神世界を表現しているとされる。
- Hawker(光を与えて)
- 両親は彼を治療するためにカルト教団の教会を訪れる。
- Christmas(クリスマス)
- 子供達が楽しみにしているクリスマスの季節。両親は、今日が何の日か理解できないばかりか、神の存在も神に祈ることも知らない(Doesn't know who Jesus was or what praying is)トミーの境遇に嘆き悲しむ。「トミー、聞こえるかい?」と語りかける両親に対し、彼の内なる心がはじめて「僕を見て、僕を感じて(See me, feel me)」と語る。
- Cousin Kevin(従兄弟のケヴィン)
- 外出する両親は従兄弟のケヴィンにトミーの子守を託す。二人きりになったところで、いじめっ子を自認するケヴィンは抵抗できない彼に対し執拗な虐待、拷問を加える。
- Acid Queen(アシッド・クィーン)/ Underture(アンダーチュア)
- トミーの両親は再度治療を試み、アシッド・クイーンを名乗るジプシーの元へトミーを連れて行く。彼女は幻覚性薬物を使って彼をドラッグ漬けにしてしまう。Underture(アンダーチュア)はトミーの見た幻覚を表現しているとされる。
- Do You Think It's Alright?(大丈夫かい)/ Fiddle About(フィドル・アバウト)
- 両親は叔父のアーニーにトミーの子守を託す。異常性愛者のアーニーは抵抗できないトミーに性的虐待を加える。
- Pinball Wizard(ピンボールの魔術師)
- トミーは突如ピンボールの才能を開花させる。彼は大会でチャンピオンを負かし、一躍“ピンボールの魔術師”と呼ばれるスターになる。人々は三重苦の青年が確実なプレイをすることに驚き、彼は突っ立ったまま機械と一体化し(He stands like a statue, becomes part of the machine)“匂い”でプレイしているのではないか(Plays by sense of smell)と訝しみながらも彼の奇蹟を賞賛する。
- There's a Doctor(ドクター)/ Go to the Mirror!(ミラー・ボーイ)
- 両親は彼を治療できるという医師を見つけ出す。病因を解明するために数多くの試験を試みた結果、医師は、彼の肉体は完全に健常で病因は精神性のものである(Needed to remove his inner block)と結論づける。彼の内なる心は再び「僕を見て、僕を感じて(See me, feel me)」と語りかける。
- Tommy, Can You Hear Me?(トミー、聞こえるかい)/ Smash the Mirror(鏡をこわせ)
- 「トミー、聞こえるかい?」と熱心に呼びかけるものの、それに応えずただ鏡を見つめるだけの彼に業を煮やした母親は鏡を壊してしまう。
- Sensation(センセイション)/ Miracle Cure(奇蹟の治療)
- 鏡を壊したはずみにトミーは寛解する。彼が完治したというニュースは一世を風靡し、導師のような立場に祭り上げられた彼は、教祖としてファン達を教化するようになる。
- Sally Simpson(サリー・シンプソン)
- この曲のみ、トミーの熱心な信者の一人であるサリー・シンプソンを扱った挿話的なエピソード。彼女は聖職者の娘だったが家出してトミーの説教を聞きにやってくる。トミーに触れようと手を伸ばした彼女は警備員によりステージから投げ出され、顔に傷を負ってしまう。
- I'm Free(僕は自由だ)
- トミーは治癒によって得られた自由を満喫し、説教を聞きに来た人々を教化しようとする。
- Welcome(歓迎) / Tommy's Holiday Camp(トミーズ・ホリデイ・キャンプ)
- トミーは自宅を教会として開放し、より多くの信者の獲得を命ずる。すぐに自宅が一杯になってしまったため、彼は誰でも参加できるホリデイ・キャンプを開設し、その運営を叔父のアーニーに託した。しかし、アーニーは信者を教化するというキャンプの目的を無視して私腹を肥やし始める。
- We're Not Gonna Take It(俺達はしないよ)
- トミーは信者達を境地へ導くために、飲酒や喫煙者を排斥し、目と口と耳をふさいた状態でピンボールをプレイするよう命じる。しかし、このような無茶な教義や彼の一族による搾取に反発した信者達は、「もう付いていけない、こんなことはもうご免だ(We're not gonna take it, Never did and never will)」と、彼に反旗を翻し、キャンプは崩壊する。何もかも失った彼の発する内なる声「僕を見て、僕を感じて(See me, feel me)」とともに物語は終わる。
とまずは此処まで。