第三回は少林拳の五獣の拳、浪子の燕青で有名?な迷踪芸に続いて、皆さん良くご存知の太極拳だ。太極拳で皆さんご存知なのは、北京架、簡化太極拳だろう。
これは、陽家太極拳の事であり、最近で有名な方といえば、NHKの「中国語講座」
で出演されていた、陽 名時師範(老師)だ。
中国語講座を出演されている姿を見ると全く、拳法家と判別出来ないが、今から
当時を振り返ると、まるで大河が流れる如き漫漫的(マンマンダー)のように、掴み
所がない感じがした。こういう言い方をすると礼儀に反すると言われてしまうと申し
訳ないのですが、温厚そのもの、どうみてっも拳法家の険しい、厳しい目配りを感
じないが、われわれ凡人の目には、図りしれない深い人物なのだろう。こんなお爺
さんが我が家にいたら、と思う。
で、話を元に戻すと、太極拳は、別名内家拳と言われ、綿拳と呼ばれる太極拳、
形意拳、八卦掌が有名だ。太極拳の発祥は河南省、温県、常陽村から始まる。
以前、うるるん滞在記
2002 10/13 |
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女の子が陳家溝に出向いて拳法を習っていたのを御覧になった方もおられる事
でしょう。内家拳、綿拳とよばれるには、太極拳特有の「受け」の化勁と呼ばれる「雲手」と「推手」にある。この用法により、相手は空手の受けのように「ガチッ」と受けないで、フワット受け流されてしまうので何時、打撃されてしまうか分からないうちに、倒されてしまう・・とある。それこそが、綿拳たる所以なのである。そして、陳家太極拳の攻撃は発勁(ハッケイ)と纒糸勁(テンシケイ)だ。攻撃の距離が、近くからでも、(ちょっと例えが悪いかも知れないのは、お許し頂きたいのですが)まるで交通事故で人間が吹っ飛ぶようなのです。 是を寸勁(すんけい)とか尺勁(しゃくけい)と言います。また纒糸勁とは攻防の動作で腕または、脚に捻りを入れることだ。
これが、中国拳法の至宝たる所以なのであります。だから一子相伝、とか特定の人しか選ばれないんですね。ですので、一撃必殺でドタバタと戦わないうちに相手を倒すのです。先に挙げた形意拳の名人、半歩崩拳をもって、必ず相手を倒すので有名な、郭 雲深老師も、皆、これを習得されているのです。(半歩崩拳、遍く天下を打つ・半歩崩郭)
中国の武林の大家は、自分の武術を、スポーツ化したり、自分の技を人前で決
して見せびらかさない。また、戦いを挑まれても、「自分は弱いですから」とか「貴
殿にはかなわない」とか言って争いを避ける。何故なら、一撃で倒す技こそ、秘伝
であるからだ。技を出す時が相手を倒す時だからだ。