高木晴光の 『田舎と都市との ・ 日々こうかい記』

「新田舎づくり」を個人ミッションとし、田舎と都市とを行き来する人生・仕事のこうかい(公開・後悔・航海)日記

コーディネーターとは?

2014-11-03 17:31:33 | 主義・主張

 どさんこNICEとNICEなオジさんを岩内まで朝方に送迎。その行き帰りの海は大荒れでした。 雷電温泉の前は荒ぶる海原で壮観でした。釜石の小さな湾の津波を見た人は、「何匹の黒いが暴れまわっている」と表現しましたが、こんな様子だったのだろうか・・・。

 さて、それはさておき・・・、写真とはほとんど、つながりはありませんが・・。 あるとしたら、これからの荒波に揉まれる社会か・・。

 この行き帰り・・、つらつらと海を見ながらこの3日間の振り返りを自分なりにしておりました。先週末に引き続き、ワークキャンプという手法で地域内、都市と田舎の地域間交流プログラムを実施しましたが、そのおかげで、これまで考えていた社会的コーディネイターについて、より明確なイメージが湧いてきました。

 よく言われる「地域おこし」だとか、「地域振興」について、コーディネイターという存在が必要であり、それは「起す、興す」ために、時には複層的に異なる人物が、時には交錯的に同一人物が社会の関係性をコーディネイト(企画・調整・渉外・繋ぎ役、促進役、歯止め役等など)する役割の人であるというが私の持論です。 

 このコーディネイターという存在は、エコツアーを実施してゆく段階においても観光行政は理解をできなかった。 「エコツーリズムの推進のためにはコーディネイターが必要だ」と主張しても、「それは旅行代理店の仕事でしょ」との回答が責任ある行政マンから返されたことがあった。 新しい社会サービスを産みだすためには、「現場の総合調整役であり実務行動者、フィールドワーカー」が必要なのだが、それは、既存の仕事の概念とは相当異なります。 まず、地域資源と言われる事柄をしっかりと体感的に知っていないと、まずはコーディネイトできない。 そして、そのコーディネイトができる人材は、先天的にできる人もいるだろうが、トレーニングが必要なのだ。

地域起こしとか、地域振興も同様なのだが、行政にはまだまだ、この新しい職種の発想がない、その前にイメージができていないのではないだろうか。 それは、既存社会では、行政職員がその役割を(縦割り的だが)果たしてきたからだろうか・・。

子ども農山漁村交流プロジェクト(通称:子プロ)という省庁連携(フレームだけの連携だけだなあ)があるのですが、ここでやっとコーディネイターという言葉が出始めたのだが、このコーディネイターがどういう人材像であって、それをいかに育てるか・・、についてはどうも話がかみ合わない。

エコツアーにおけるプログラム企画・実施者は、エコツーリズムにおけるまさしくコーディネイターの役割も果たす。地域内において日常生活を送っていないと、来訪者へガイドができない。地域資源は変化するものだし、なくなることもあれば、あたらしく生まれていることもある。季節や登場する人物によっても変わる。常にフィールドワークができることが大切で、情報の受発信が長けている必要もある。地域のこと、地域をとりまく社会環境についても注意を払っている必要もある。

しかし、社会も自然も複雑である。全てをコーディネイトできるスパーコーディネイターなどなかなか存在しないし、仕事が大きくなればなるほど、ひとりでは無理だ。コーディネイターも活動領域が異なる、あるいは専門性が異なる複数が必要なのだ。これができるようになるためには、時間が必要だ。 3、4年で部署が代わるようではまっとうできる仕事ではない。

国だけでなく、道庁もだ・・このことは分かっていないと思う。 ちかぢかNPOとの意見交換会が開催されるのだが、その論点整理を担当者がペーパーに俯瞰した資料を送ってくれた。そこには、農村の現状→農村の課題がならび、例えばということで「農村に対する支援の手法」が列挙されている。 失礼ながら、本でも読めば、大学生でも整理できるかもしれない事柄だ。 問題と課題はわかっている。 そして、支援しなければならない具体的事柄も出尽くしている。

しかし・・・、そこには、誰がそれを「担う」のかが、まったく関知(感知?)されていない。 

コーディネイトは誰でもできないのだが、誰でもできるだろうと考えて支援策だけ並べるから、なかなか実際の課題解決へと進まない・・・。 それが、本当の課題は、コーディネイターの養成であり、それが問題の解決の方向性だと思うのだが・・・。

養成は、座学で教えても限界です。 コーディネイトもスキルだから学ぶこともできます。 しかしながら、その学び方は、現場体験により高まることなのです。 On the Job Training が時間はかかるが、唯一有効な学び方だ。 その学びの「場」が必要なのだなあ。 その学びも、関わる人々が相互に学び合えないと、新しい意味が出てこない。 外から来る人に一方的に望んでも無理だ。

それが上手に創り出されている地域が「元気」なんだと思うな、アタシは。 

現場を知らない行政マンが机上で整理した書類だけでは、うまくゆかんのだ・・・。 根気づよく粘って説明しても、わかるかなあ・・わからんだろうなあ・・・。

この荒波をみながら・・、思う私でした。

 

 

 

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3泊2日の3日目??

2014-11-03 16:52:25 | いろいろシゴト

まるまる2日間はコミュニティふぁーむの土木作業ができる予定でしたが、あいにくの小雨模様で、予定を変更。しかし、あとあとの感想で、毎日土木作業をするのであると・・、「キツイ」との感想が社会人参加者よりありました。かえって恵みの雨でありました。

 表面の笹を刈った凸凹地形で鍬を振るのは若い学生さんには重労働だったかもしれません。 日常で肉体を使っている第一次産業地域側にいると、都会の人にとって、どの程度の労働強度がなのか、分からなくなっています。 とは言え、若いから身体は動いています。私はヘコタレテしまい、身体の動きや表情が変わりますが、若者はあまり表情や身体動作速度が変わらない・・。そこが若さの証拠なんでしょうが・・。

その加減がわかりにくいのです。「休もうよ」と、言ってもすぐに休まなかったりしますからね。 昔々、学生だった頃の土方アルバイトで、一緒に作業をしている年輩が、「兄ちゃん、そんなに頑張らんで、休もう」と声をかけられました。 「まだ1時間も経ってないじゃあないか。このオッサン、怠けているんか?」などと思ったこともありましたが・・・、 この年代になると、骨身にしみてわかります。

雨降りなので、女性陣には焚付薪作りを体育館で、キッチンの大掃除をしてもらいました。 男性陣には小雨の中で、夏道具の片付け、近所のお年寄りが切った薪を頂きに(薪ストーブはないが・・、昔の好みというか薪を作って余していた)ワゴン車でなんと3往復。

3時すぎからは、雨も止まないので、ショートなワゴン車でのエコツアーで寿都湾沿岸をめぐりました。

****

ザンビアからの留学生、カネタさんのお誕生日とあって、女子学生たちがケーキづくり。お菓子づくりも学んでいる近所のNGIが来てくれて、あっという間に可愛いケーキができました。 

 この3日間、私としても、ワークキャンプの進め方について大いに学べたかな。こういった手法の手応えを感じることができました。

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ワークキャンプ・トライアル

2014-11-03 16:46:44 | いろいろシゴト


 先週は北大のボランティア相談センターという仕組みを利用させて頂きましたが、今週は「国際ワークキャンプ=NICE」という仕組みを通じて、学生さんや社会人が10名も自然学校に滞在し、コミュニティふぁーむづくりのお手伝いをしていただきました。

 NICEからは毎年夏休みの子ども体験活動に海外の学生を中心に4名ほどがボランティアをしています。 今回は夏休みでない週末を使ってショートワークキャンプ3泊2日(10月30日の一日目の夜遅く入って来て、11月3日の4日目の朝帰路につくので、都合中2日間という意味)でした。 里山生活を目指す社会人、国際交流を行うNPO北海道国際交流センター、そして8名の学生さん達でした。 学部は農学部、工学部、医学部、法学部、ザンビアからの留学生と多彩でした。

 参加者に北海道の田舎を知ってもらいたい、さまざまな社会体験をして未来に羽ばたいて欲しいとの思いが強くあります。参加者も受け入れ側の私たちも学びがあるような「そだちば」活動の一環です。 最近ではPlace Based Educationなる言葉・・、地域から学ぶ・・をコンセプトにせんと、私自身自らも体験型学習のし直しをしています。

私たちは何をしてゆきたいのか、できるだけわかりやすく伝えるよう作業を始める前のオリエンテーションに1時間から2時間近く費やすようにしています。単なる労働力を得たいがためではない、お互に体験的に学びあえる関係性づくりをしてゆきたいと考えています。そして、若い人たちには、生身で体験できる過疎地現場の実情と可能性を知って欲しいと思っています。

 渡辺ハル農場(コミュニティふぁーむ第一農場)にビオトープ小道を作らんと土方作業に、刈り取った笹を機械で切り刻み、果樹のマルチにする作業をしてもらいました。

小雨もぱらつく二日間で、先週のように陽だまりでゆっくりと昼食をとることはできませんでしたがきっちんまりこで地域の食材をつかった手料理。 漁師さんや商工会からも新鮮な海産物が届きました。 夜には、渡辺ハル農場、川内漁業、寿都商工会、大沼牧場からも合計7人の地域職業人も集合し、全国各地から札幌にやってきて学生生活を都会で営む若者たちと交流宴会。

年齢は幼児から、10代、20,30,40,50代の総勢20数名、都市生活者である若者と俺たち田舎に住み暮らす生活者との交流です。

未来にむけて、さまざまな人たちが出会える空間・・、そんなコミュニティふぁーむを目指しています。

 


 

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