昨日の大嵐で交通機関が止まったために、年明けの冬の宿泊体験活動は一日順延して今日からスタートしました。 午前中は昨日の嵐の片づけの除雪で過ぎ、子どもたちが11時頃より順次到着。女の子6人、男の子2人、ボランティアスタッフ1人に自然学校スタッフ5名のこじんまりした4泊5日です。 今日は、最近では珍しく、初日のアイスブレイクを兼ねた「雪の運動会「」の全種目に参戦。
棒撮りゲーム、相撲、雪だるまつくり、雪合戦・・・。さらには、雪の中で故障して動かなくなったMRKさんの電動カートを救出、愛犬との格闘と冬の一日にしては運動量がありました。 当然のごとく・・・、夕方の室内活動(明日の地域交流会で実施するゲームや飾り付け等の準備作業)では部屋のソファーのうえでいびきをかいて休息。
(これは年末キャンプの写真です)
夜のスタッフミーティングで、この「休息」について、他のスタッフにお伺いを立てました。
「みんなが活動している横で寝ていてもいいと思う?」
まあ、起きて子供にかまうのが筋でしょうが、ひとりを除いて寛大に「たかぎさんだからイイと思う」。
ありがとうね。
学生の単位実習生が混ざっているキャンプや活動の内容によってはもちろん、そんなことはしません。一応、時と場合に応じて休息(寝ています)。 一応、子どもたちはアタシのことも「年寄り」だと見始めている、というよりも、そもそも彼等の祖父の年齢世代なのですから。日中に体を動かしている様子を見せているので、「あ~、皆、働いているのに、たかぎぃが寝ているよ!」というような批難は起こりません。そもそも私を批難できるのはMRKさん位ですから、(彼女には見せられない)。つまり、それ相応に年長者への接し方を、子ども等は学んでいるわけです。(これは言い訳ではありません・・・)
同様な状況で、同級生がソファーでゴロゴロしていたら、他の子どもは批難するでしょう。しかし、私ならなぜ批難しないのか!? これって、かなり高度なコミュニケーションですよね。
親と子だけの核家族生活のデメリットが言われ出してからもう3,40年以上がたっていることでしょう。私たちの世代が子どもの頃にこの核家族が急速に増えて来ました。世代の異なる家族が同居することで学ぶ対人関係性力の基礎というのは大きなものであったと思えます。 短時間の体験活動と家族生活を一緒にはできませんが、私達の活動では、異学年交流はもちろろんのこと、もっと幅広く「異世代の交流」を意識しています。
だからと言って、体験活動現場で寝そべることを正当化しているわけでもありませんが、そこに「日常」があってもいいとは思っています。家族以外の年代の家族とタイプの異なる人が一緒に寝食を共にすること自体がすでに「非日常的」な体験となっている現代社会ですから。
そう言った観点から、私は、主催宿泊体験活動・自然体験活動現場では、私自身が「風景」の一部になりたいと考えています。まっ、自分のパフォーマンスが衰えているので、苦肉の策で言い出したのではありますが・・・。 年寄りには年寄りの役割がある。
自然体験活動や社会教育現場では、「伝統知」とか、「伝承」とかが年寄りの役割として言われますが、そんな知恵も技もない年寄りは何の役にもたたないのか・・・・。 いえいえそんなことはありません! と居直る。
子ども達はちゃんと年長者に対して、いろいろと気にかけていてくれているのがわかります。肩を叩いてといえば多くの子どもが肩たたきをしてくれます。「だいじょうぶ? たかぎぃ?」と気遣われ、ときに発動するパフォーマンスに、「おっ、なかなかやるな」と驚いてもくれます。つまり、いつもの日常では出会わない年寄りと接すること自体が、「子どもの対人関係力」のアップに寄与しているのです。
生活風景の中の「存在」としての「年寄り」。
生活風景の一部として必要な「年寄り」を目指したいです。 ちょっといなくても気がつかないかもしれないが、そこにいれば、置物のように生活風景の中のアクセントとなっている。 しばらく見ないと、「あれ? 何かが足りないぞ? どこへ行ったのかな?」と心配にもなる存在。居たら居るで、その扱い方が多少面倒だが、居ないと、何かしら全体の面白味に欠ける・・・。
人生の終盤の本格的年寄りになっても子供たちの自然・生活体験キャンプにはスタッフとして参加していたい。
最終的には、夏は特別テント、冬は特別室に構えており、滅多に外にはでない。そして、初めて参加する子供にとっては、リピーターから噂を聞く「何者か」という「存在」になる・・・(こうなると風景ではないなあ・・・)。 その「何者か」の部屋、あるいはテントに毎食、誰かが食事を運んで一緒に食べてこなければならないプログラム、そんなシチュエーションを作り出したいと密かに狙っているのであります。(こんなことを考えること自体がメンドクサイヤツである)
アタシは、そういうキャンパーになりたい。
ソファーで寝ていた壮大な言い訳でありますね・・・。