黒松内を流れる朱太川の上流、歌才(うたさい)の林の中に鮭の稚魚の養殖水槽があります。孵化は自然学校のある作開(さっかい)地区にあるのですが、産まれるとより上流に移動させられます。
水槽は縦15mX3m位で3槽あり、それぞれに100万匹程の稚魚が飼われています。訪ねたところ、ちょうどこれから餌を与えてからいち槽分を放流すると、漁協の作業員が言うので1時間ほど待ちました。
鮭の稚魚はここから10数km川を下り日本海寿都湾に出ます。それから(たぶん)北回りでオホーツク海~太平洋に出て北太平洋をくるりと回帰して3ー5年かけてまた朱太川に戻ってきますが、その回帰率はわずか3%ほどなのです。小学生に説明するときには、100人がばぁーっと、校庭に遊びに行って休み時間が終わり教室に戻って来れるのは2、3人だと説明するとびっくりします。
様々な危険を乗り越えて帰って来いよ!と、支流小川に流される稚魚を送りました。
帰って来られても、最後に人間に捕られるか食われちょうんだけどね……。ちなみに養殖用に捕まっても雌一匹に受精は1/10の雄一匹がいればいいので、雄の生存競争はかなり厳しいのだ。