2010.2.11(木・祝)曇、雨
引地(6)熊本県天草市本町本引地
天草市引地という住居表示はない様だが、本町本に引地という小字がある。県道名としては引地本町線というのが残っている。天草市の中心部から県道44号線を4,5Kmのあたりで、県道292号線の起点となっている。
天草市の郊外の谷間の集落という感じだが、北の山間部を走る広域農道を西に行くと吹の峠という峠がある。また県道292号線を南下すると弘法大師堂というお寺があり、古代金属産地を思わせるものがある。中央構造線は八代海に抜けているという説もあり、そうするとその延長線上にあり、鉱山などの可能性はありそうなんだが、陶石はあっても鉱物の産出は見あたらない。そんなはずはないと調べていると、江戸期の長崎出島に滞在したケンプァーというドイツ人の医師が書いた書物に日本の鉱物に関するものがあった。
「Geschichte und Beschreibung von Japan」という本の中に「日本の気候と鉱物」という記述があり、その中の金について以下の記述がある。
2.金
最も良質の金を産出するのは佐渡である.高品位の鉱脈では1Cattiの鉱石から1~2 thailの金を得る.最近では,脈も少なくなり品位も下がってきていると言われている.当地では良質の砂金も産するという.佐渡に次ぐのは駿河の金山である.ここの金鉱石は高品位で大量に産し,同時に掘り出される銅にも含まれる.薩摩にも何カ所か金山があるが,最高品位では1Cattiの鉱石に4~6 thailの金が含まれる.また大村地区の「おおくす」湾では良質の砂金が産出したが嵐による大波で泥に埋まってしまった.その他筑後の「としの村」,天草島で金が産した.
天草は上島下島と二島に分かれているが、果たしてどこに金が産出したのだろう。インターネットで調べてみるが、それらしい記事は見つからなかった。地名としては上島の上天草市松島町に金山と言うところがある。金山橋というバス停もあり、金性寺というお寺もある。引地のある下島には天草市新和町、赤城山の麓に碇石(いかりいし)という地名があり、その西北宮地岳町に金の入(きんのいり)という地名があり、水銀鉱を思わせるものがある。宮地町を西に進み十三野山の南に金山という地名がある。これらは八代から南西に並んでおり、中央構造線の延長かも知れない。いずれにしてもかつて天草に金が産出したことは間違いないようだ。
今日のじょん:じょん語録(47)おっさんじょん
じょんは表情が豊かでいろんな表情があるのだが、おっさんくさい顔になるときがある。「おっさんじょ~ん」と呼んでいる。