2010.6.7(月)曇
「念道橋のたもとにはマムシがおるで」と地元の人に聞いた。私が見たのはアオダイショウの幼蛇だった。2年前だったら、「やっぱりマムシがいた」ということになってるだろうが、はっきりとマムシでないことが解る。それは昨年のマムシ騒動があって、何かと調べてはじめて解ったことである。(2009.5.12参照)50数年生きてきてはじめて知ったことだけに私自身も驚きを感じた。アオダイショウの幼蛇は模様がマムシそっくりなのだ。違うところと言えば、頭が三角でないこと、胴体が細いこと、逃げ足が速いことぐらいかな。
今朝も念道橋の手前の坊獣用のネットにヘビがぶら下げてあった。畑の作業中にマムシと思って殺して吊り下げられたのかなと思うが、あれはマムシではない、アオダイショウの幼蛇だ。長年上林で暮らしている人でも、両者の区別のつかない人はいるんじゃないだろうか。
これはマムシではなく、アオダイショウの幼蛇だ。
マムシは卵胎生といって、卵を胎内で孵化させて小蛇を生むことは皆が知っていることと思う。ところがあちこちで聞くことは、「マムシは秋口に子供を口から産むので、子供が毒に当たらないよう牙を抜くために咬むんやで」というものである。私の故郷でも同じように言われていた。かなり全国的にこの説は流れているようだ。しかしこれは迷信で、落ち着いて考えればあり得ないことが解る。生殖器官で孵化した小蛇がどうして消化器官から出てこられるだろう。落語の蛇含草でも解るように、蛇の消化力は相当と思われる。どうしてそんなところを小蛇が通ってこれようか。牙の毒どころじゃないだろう。口ではなくて尻尾のつけ根にある総排泄肛という、まあお尻みたいなところから出産するわけだ。晩夏から秋にかけての時期は交尾、出産の時期であり、興奮状態のため咬まれる事故が多いため、このような迷信が流布するのではないか。
もう一つマムシについてよく言われることが、山椒の臭いがするとか茗荷の臭いがするとか言われていることだ。私も聞いたことがあるが、この真偽は解らない。よく山に行っているとき、山中で山椒の臭いがすることがあった。「マムシがいるぞ」なんて言い合っていたが、今思えば山椒の有る山でしかその臭いはしなかった。その多くは比良山系だった。マムシがいたのではなくて、山椒があったということではないか。
畑の向こうに我が家の山椒が見えている。触ると凄い臭いがする。
要するに山椒や茗荷の育つ、湿気の多いところに居やすいということではないか。なんでもジャガイモの皮をむいたところの臭いとか、ゴキブリの糞、あるいはゴキブリを潰したような臭いがするという説もあるそうだ。ここまでくるとちょっと怪しい感もする。つづく
【作業日誌 6/7】
第二木小屋増築作業(梁渡し)
草刈り(今年度三回目)
今日のじょん:ご飯を待っているときはフェンスにあごを乗せて独特のポーズをする。上目遣いになるのでなんとも情けない顔になり、これがまた一段と哀愁があってよろしい。