2010.6.19(土)曇
上林のほたる祭は今年で29回を数えるとか、随分古くからのイベントだ。ほたる祭の元祖みたいなものだ。私たちが上林に来てからもう3回目となるのだが、昨年から模擬店を出店して協力参加しているところである。昨年はコーヒーメーカーのトラブルで大騒動となったものだが、なんとか完売してまずまずの初参加であった。昨年の反省を活かし、アイスコーヒーを多めに用意し、いくみちゃんの応援もあって、完璧の準備をして臨んだ。
もっと凄いのは金曜日の夜にしまだ屋さんで先に打ち上げを行ったことだ。前日はしっかりした雨で、当日の天気が気になったが、雨は降ることなく、気温湿度ともどんどん上がり、蛍が飛ぶには最高の日和となった。
準備万端、入れ込んだらあかんなー。
どこの店より早く現地入りをして、準備万端この上ない状態で開店をする。暑い日中からプログラムは進み、ぱらぱらと人出が出てくる。アイスコーヒーを沢山用意しておいてよかった。「これから夜にかけてどっと人出がして、超忙しくなるで」なんて言っていたのだが、いつまでたっても人出は芳しくなく、メインエベントの放虫になってもスカスカ状態、去年とえらい違いだ。というわけで、出店は大赤字、骨折り損のくたびれもうけとなった。どうもWCの対オランダ戦にやられたみたいだ。
後の祭りに来た誰か。
重い心と疲れた身体で片付けをして家路につくと、念道橋下流に沢山の蛍が飛び、また家に帰るとじょんのび谷にも蛍が飛び交い、ちょっぴり心が和んだ夜だった。
今日のじょん:今日は一日忙しくしていて、留守番させて、じょんと遊ぶ時間もなかった。もっとも当のじょんはいくみちゃんばっかしで、「あっ、おとーもおったんかいな」なーんてもんだけど、、、。
2010.6.18(金)雨
今のところ唯一の同名の小字、和束町杣田の念道とはどんなところだろう。角川日本地名大辞典には杣田の念道は記載がない。杣田については記載があり、湯谷山は杣山ともいわれ、大嘗会に良材を出したという山林の地である。和束町の中心部から木津川沿いの木屋(こや)にぬける府道宇治木屋線(府道62号線)が大きく方向を変え、杣田川を渡り南西に向かい始めて少し行ったところが、役場の職員さんに聞いた念道の地である。上林の念道との共通点といえば、川の徒渉点が近くにあること、河岸段丘状と思われる地域であることぐらいか。いずれにしてもこの地を訪れてみたいと思うが、同じ府内にあるこの地を訪れる余裕も見いだせない自分が哀しいという思いもする。
さて我が町、上林の念道の地形上の特徴といえば、やはり河岸段丘上の集落と言うことか。そして上林川の大きな屈曲点の間にできた平地の上端に位置する。私はこの平地はかつて沼、あるいは低湿地であったと想像しているのだが、その証拠というものはない。伝説のようなものはあるそうだが、記載されたものは見たことがない。そして今ひとつ、念道橋附近は古代の道が上林川を越える徒渉点であったと思われることだ。
黒石峠の施福寺を訪れた際に、当寺の由緒が本堂に掲げられていたが、奈良時代の行基上人による開山で、最盛期には東照寺、西照寺はじめ十二寺院が八葉ヶ峰(蓮ヶ峯)の周囲に建立されていたということである。西照寺は施福寺、東照寺は井根の日円寺といわれており、あとの十ヶ寺も蓮ヶ峯の周囲中腹にあり栄えていたということだ。
施福寺由緒
今日八田から上林にぬける道は黒石峠を越える府道481号線であるが、施福寺までの道は古来からの道だが、それから先十倉に到る道はかなり新しい道だと聞いている。古来の道は施福寺から井根、東照寺を通り、井根の谷を詰めて、313mのピークから支尾根を下り、末端附近で念道の村に降りてくるものが最有力だ。この道は国土地理院2万5千分の1地図にははっきり載っているが、現実には倒木等で使用不可能だと思われる。地図で見ると八田から上林街道まで直線的で無駄が無く、途中に重要な神社、仏閣があるので古代の重要な道だろうと予測したわけである。
正面の支尾根の末端近くから急激に谷に降り、念道の村に出る。左に行けば山家へ、右は若狭、手前の上林川を渡って忠村に行く。
もう一つは念道から奥上林にいたり、古屋、洞峠を越える京街道や若狭に越える道に繋がると同様に、忠、武吉に向かい和知に越える道との分岐であることだ。忠、武吉が古い荘園として存在していたことは「雨読 地名の研究(2)」(2010.6.3)で述べたところだ。
忠、武吉方面に行く道は、念道で上林川を渡り、折山の峠を越えて上忠に降りる街道である。この道は現存の人でも、自動車が発達していないころには使用していたということである。峠には神社の祠跡もあり、古来の街道であったことが覗える。
つづく
【作業日誌 6/18】
木小屋増築、根太張り
今日のじょん:いくみちゃんと散歩行けるのが嬉しくてしょうがないという感じ。この道を真っ直ぐ行くと折山道だ。