晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

大唐内のこと(62) 丸山とイモリ村 7/7

2011-07-08 | 歴史・民俗

2011.7.7(木) 雨Img_3164

 6月24日の記事に載せた写真である。京丹波町猪鼻にある、その地名の由来となっている岩である。夏場で草木が多くわかりにくいこともあるのだが、ファインダーを覗きながら思わず笑ってしまった。猪の顔にそっくりなのだ。
猪鼻は京丹波町の大字で元は瑞穂町、その前は三宮村だろうか、三和町加用と接している。この地を訪れたのは猪鼻という地名の由来を確かめたかったからだ。
 さて、若丹国境稜線につづく峠は府道1号線から永谷坂峠、坪坂峠そして猪鼻峠となる。猪鼻峠は小唐内を詰めると至り若狭側に少し行くと、市茅野から至る坪坂峠からの道と合流するものである。丹波から若狭に抜ける道はこの峠がもっとも短距離のようで、おそらく徒歩の時代には最も重要な峠であったろうと予想する。Img_2721
 
若丹国境の猪鼻峠、若狭側は植林の林だ。


 前者二つが地元地名に基づく峠名であるが、猪鼻峠はメジャーな地名である。
 著名なものは阿波と讃岐を結ぶ琴平街道の猪鼻峠(国道32号線)、金太郎伝説で有名な金時山、別名猪鼻岳(1,213m)、浜名湖の四つの枝湾のひとつで奥浜名湖とも言われる猪鼻湖などがある。各地にもローカルな地名として、猪鼻、猪ノ鼻、猪端、亥ノ鼻など数知れずあり、京丹波町の猪鼻もその一つである。
 猪鼻湖には猪の鼻に似た猪鼻岩というのがあり、猪鼻岳はその形が猪に似ているとか金太郎が猪と戦った風の伝説がある。京丹波町の猪の顔に似た岩同様、地名が先にあって付会されたものだろう。それだけ普遍的に猪鼻地名は数多く散らばっているということである。ところがこの地名、「引地」と同じくあまりに数多くあって逆にその由来がはっきりしないのだ。柳田国男氏の「地名の研究」には、「ハナは塙であって川の岸などの迂回をしなければ近よれない地形であった。イノハナというのも似たような場所で、やはり目かくしの竹を植えていたのだが云々」とある。とまあこの部分だけを見てもなんのことかよく理解できないのだが、別の項で、イ(ヰ)とは民居すなわち家居の居であろう、という風に書いている。また、「竹の花」の項で、ハナワはアイヌ語パナワから来ており、高い地所のこととしている。総じてイノハナは人の住む小高いところとでも解せばいいのだろうか。つづく

【作業日誌 7/7】
看板色塗り

今日のじょん:雨降ってる日はレインコート着やんなんから思い切りしょぼちーんとしている。「満塁ホームラン打たれた後の阪神みたいやなあ」「じょんの方がましやで」、、、しっかりせいよなあ阪神君。

 

コメント
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