晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

丸山へ’12(3)  4/26

2012-04-26 | 山・峠

2012.4.26(木)曇、雨

 山に登る者にとって林道ほどどっちらけで醜いものはない。趣のある古道を味わいながらそれでいてフウフウいいながら稜線に登りついたら、そこに山肌あらわな林道が横たわり、そのうえモーターバイクのライダーなど居たひにゃあ今日一日を呪いたい気持になる。その林道が林業のため、地元のために役立っているのならまだ許されるだろう。補助金だか予算だか、ただ消化するためだけの林道工事だとしたら、その罪は自然破壊だけでは無い。
 坪坂峠から林道を行けばルートファインディングの必要も無いし、間違いなく府道まで行けるのだが、そんなことはまっぴらだ。「先生山道行きましょか」と同意を求めると、さも当然の様に「そうしましょう」とかえってくる。ただ研究のためだけに山に登ってこられたので無く、自然そのものが好きでいらっしゃるのだろうと思うと嬉しくなってくる。
 林道ができるまでは稜線上の道ははっきりしていたのだろうが、林道ができると利用されなくなり、その上送電線の保守道もからんでくるのでルートファインディングが難しい。時々迷ったりしながら進むと、遂に真下に林道を望む断崖に出くわす。これはよくあることで、信州などの著名な山道ならそこには必ずはしごや階段が用意してあるのだが、丹波あたりではほったらかしだ。やむなく崖の上をトラバースして降り口を探すのだが、段々腹が立ってくる。ようやく細い灌木を伝って降りられるところを見つけ、ズルズルと降りるとすぐ隣に形ばかりの連絡道のような斜面があった。実はこのあたりはずさんな林道工事のため広大な崩壊地と変わり果てている。P1010553 P1010552
 
登山道を分断した林道を行くと、荒涼とした斜面に出る。



 昨夏に市茅野を訪れたときこの赤土の崩壊地が目に付き、「あれは一体なんですか?」と地元の人に聞いたものだ。「川上から上がっている林道やで」と聞き、へーっと驚いていたのだが、将にこの位置がその崩壊地だったのだ。Img_3543

2011.8 市茅野を訪れ、赤土の斜面に驚く。


P1010554  
これ今回の写真、緑化が進んでいないことがわかる。


 谷一面を工事で崩れた赤土が覆っている。赤土の斜面をよく見ると申し訳程度に芝生が生えている。いずれ消え去る芝だけれど、完成時の検査のために吹きつけた芝の残骸だろう。
 問題はこの崩壊斜面が水源の里市茅野(いちかや)のそのまた源流地帯にあるということだ。林道は福井県おおい町のもので、福井県の地所を通っているのだろうけど、崩れた斜面は京都府だ。この林道の崩壊と今冬の倒木で市茅野は洪水、鉄砲水、土石流などの災害の危険性に直面することとなるが、果たして住人、関係者はそのことに気付いているのだろうか。P1010555
 
老富町の山は折れた木々が痛々しい。


 直接か間接か解らないけれど、林道工事に原発の補助金が流れているとしたら余計に腹立たしい。岩石以外にはカメラを向けておられなかった先生も、「これはひどいですねえ」とカメラを向けておられた。
 その後も絶対に林道は歩かないようにして、府道の県境に降り立つ。のんびり小唐内に帰れば、あまりに時間が遅いので家本さんも橋本さんも心配しておられた。
 三日たった今日でも、まだ節々が痛い。先生大丈夫スカ?。おわり。

【作業日誌 4/26】
予告看板ニス塗り
芝生刈(第一回目)

今日のじょん:ぽんぽこぽんが寂しいので、特別に竹輪を用意する。俄然張り切っている。P1010561 P1010563

コメント
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