晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

楽しい腰痛(21) 1/10

2016-01-10 | 健康

2016.1.10(日)曇り 楽しい腰痛(20)は2016.1.5

「サーノ博士のヒーリング・バックペイン」を読む-1
「サーノ博士のヒーリング・バックペイン」は今日話題になっている慢性腰痛の原因が脳にあるという説の古典的な出版物である。
 従来の整形外科における腰痛の原因や治療法から見るとまるで違った方向なので当初は驚きと疑念の目で見られたと思う。今では日本でも心因性の腰痛というのが認知され、あらゆるメディアで伝えられているのでさほど違和感を感じない。むしろ漫然と旧態依然の診断と治療を行っている医療にこそ疑念を感じる。

 本書では一般的に慢性痛症と呼ばれているものをTMS(緊張性筋炎症候群・TensionMyositisSyndrome)とよばれており、「TMSとは軟部組織(脊椎ではない)に生じる良性の(痛いかもしれないが)生理的変化であり、それを引き起こすのは感情をつかさどる心なのだ」と書かれている。氏はTMSを「新しい治療法」ではなく、「新しい疾患概念」であるとして、新しい疾患概念に合った方法で治療しなければならないとされている。

 本書は図書館で借りたもので、読み直すことが困難で、正しく理解できていないきらいもあるが、特に感じたことをアトランダムに書いておきたい。

「サーノ博士のヒーリング・バックペイン」ジョン・サーノ著 春秋社 借本
 心(脳)が痛みを発生、増幅させるということについて氏は感情、怒りが関係すると書かれているが(翻訳本なので元の言葉がわからないのだが)他の本などでよく出てくる、ストレス、不安、恐怖などとは別物なのだろうか。痛みの経験、記憶から恐怖を憶え、将来に対する不安やそれから起こるストレスが痛みの原因になるというのは理解しやすいが、感情、怒りとなるとややニュアンスが違うようにも思われるのだ。これは訳文だからの問題だろうか。
 TMSは世界的なものか?という項で、腰痛がケニアの現地人にはめったに見られないということの理由を「アフリカ人はわれわれとは違い、あまり不安を抱かないのではないかとして文化的相違をその原因の一つに挙げている」としている。
 TMSの原因を感情とするならこれは少し矛盾がある。先日某放送局でマサイ族には腰痛が無いという内容の放送があった。中腰の姿勢を見ると腰の部分で90度に曲がっており、何でも骨盤の角度が腰に疲労をを与えないということだった。つまりマサイ族は身体的な構造の違いにより腰痛がなく、従って腰痛の経験が無いということになる。ケニアの原住民には腰痛の経験が無いから腰痛に対する不安も恐怖も起こらないのである。これは文化的相違ではなく、腰痛経験の相違ではないだろうか。つづく

 

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