厚生労働省が発表した「国民生活基礎調査」によると、1世帯あたり所得の中央値は432万円だそうです。
※ここで言う「所得」は、いわゆる「年収」のことだと思って差し支えありません。
⇒「厚生労働省 平成25年 国民生活基礎調査の概況[http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa13/index.html]」内、「用語の説明」参照
1世帯あたりということですから、共働き夫婦の場合であれば夫婦の年収の合計が「1世帯あたりの所得」ということになりますね。所得金額は人によって大きく差がありますが、「中央値432万円」という数字を見て、「うちはもっとあるな」という方も多いのではないでしょうか。
しかし、そんな「平均的な家よりも年収が高い世帯」であっても、貯金が思うように貯まらなかったり、毎月の支払に苦しんでいる家庭も少なくありません。そこで、今回は「年収が比較的高いにも関わらず生活が苦しいと感じる」家庭への、家計管理への処方箋をお伝えしたいと思います!
今と昔で変わったところを探してみる
始めから今と同じだけ稼いでいた、という人は少ないはずです。では、今より年収が少ない頃、どのように生活していましたか? 今より年収が少ない頃でも、それなりに生活はしていたんですよね。年収が上がるにつれて、いつのまにか生活レベルを上げてしまった部分があるのではないでしょうか。
たとえば、「バーゲンではなく正規価格で服を買う回数が増えた」とか、「月に1回の外食が週に1回になった」など、ご自身の生活の変化を振り返ってみましょう。
年収が上がるのに合わせて生活レベルを上げること自体は悪いことではありませんが、生活レベルを上げすぎるとせっかく年収が上がったのに、貯金が増えないどころか家計が赤字になってしまいます。
昔の生活レベルを思い返してみて、「本当はこれぐらいでも生活できる」というレベルにまで戻すことで、ゆとりを作り出すことができます。もちろん完全に戻す必要はないので、「ここは今贅沢しすぎているかも」と思うところを改めてみましょう。
高年収=お金持ちではないと知る
高校生の頃、毎月3万円ほどしか稼げず、「大人になって25万ぐらい稼げるようになったらさぞかし贅沢できるんだろうなぁ!」なんて思っていませんでしたか? 25万円稼ぐ大人が、高校生と同じように実家に暮らし、マクドナルドで外食を続けているならたしかに贅沢ができるでしょう。きっと、毎回チキンナゲットなどのサイドメニューを食べちゃいます。
しかし、大人になると友達と外食するのに毎回マクドナルドということはありません。飲みに行けばそれだけで3千円ぐらいはかかるでしょうし、一人暮らしをすれば家賃や光熱費もかかります。(実家暮らしでも、いくらかお金を入れる人の方が多いはず)
年収300万円のときには、「年収400万円あればさぞかし貯金も増えるだろう」と思っていても、年収が上がるとそれだけ経費が増えることもあるので、思っているほどゆとりはできないものです。
もちろん、年収が多いほど使えるお金は増えますが、収入が100万増えたからと言ってお小遣いが100万増えるわけではないということを理解しておかなくてはなりません。むしろ、年収が高くなるほど買えるモノも増えてしまうので、意識的に支出をコントロールする力が必要になります。
貯金の仕組みを構成する
貯金は、毎月手動で貯金用口座に入金する、なんていうやり方では続きにくいです。財形貯蓄のように、自動でお金が天引きされて、貯金できる仕組みを作るのがおすすめです。
それなりに収入がある方にまず確認していただきたいのは、今いくら貯金できているか? ということです。
子供の教育資金や自身の老後資金などでいくら必要なのかを算出するとともに、今の時点でいくら貯金できているのかを知ることが必要なんです。自分では「全然貯金できていない」と思っていても、学資保険や終身保険などで貯蓄が継続できている人も案外います。月々1万円だけ積立定期に入れていたことを忘れている人もいるかもしれません。
すでに貯金の仕組みができている人は、それでも足りない分があれば追加で積立定期預金を申し込むなどして、貯金の仕組みを再構成してください。
現時点で、まったく貯金の仕組みができていない人は、一から構成してみましょう。一番おすすめなのは財形貯蓄ですが、会社に財形貯蓄が無い人の場合はネット銀行など利率が高いところで自動積立定期預金を始めたり、老後資金などでしばらく使う予定の無いお金なら終身保険を利用して資産形成するのもいいでしょう。
(終身保険はあくまでも保険ですし、資産運用の方法としてはおすすめしませんが、貯蓄が苦手でつい貯金を切り崩してしまうというタイプの人にはおすすめの方法です)
「もっとお金があれば貯金ができるのに」というのは幻想です。すでにそれなりの収入があるのに貯金が増えないという人は、お金の使い方に問題を抱えているもの。今後年収が上がっても、その分だけ生活レベルも増やしてしまい貯金も増えませんから、今のうちにお金の使い方や貯金の仕組みを改善して、きちんと貯める生活を始めてみましょう。(執筆者:吉見 夏実)
※ここで言う「所得」は、いわゆる「年収」のことだと思って差し支えありません。
⇒「厚生労働省 平成25年 国民生活基礎調査の概況[http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa13/index.html]」内、「用語の説明」参照
1世帯あたりということですから、共働き夫婦の場合であれば夫婦の年収の合計が「1世帯あたりの所得」ということになりますね。所得金額は人によって大きく差がありますが、「中央値432万円」という数字を見て、「うちはもっとあるな」という方も多いのではないでしょうか。
しかし、そんな「平均的な家よりも年収が高い世帯」であっても、貯金が思うように貯まらなかったり、毎月の支払に苦しんでいる家庭も少なくありません。そこで、今回は「年収が比較的高いにも関わらず生活が苦しいと感じる」家庭への、家計管理への処方箋をお伝えしたいと思います!
今と昔で変わったところを探してみる
始めから今と同じだけ稼いでいた、という人は少ないはずです。では、今より年収が少ない頃、どのように生活していましたか? 今より年収が少ない頃でも、それなりに生活はしていたんですよね。年収が上がるにつれて、いつのまにか生活レベルを上げてしまった部分があるのではないでしょうか。
たとえば、「バーゲンではなく正規価格で服を買う回数が増えた」とか、「月に1回の外食が週に1回になった」など、ご自身の生活の変化を振り返ってみましょう。
年収が上がるのに合わせて生活レベルを上げること自体は悪いことではありませんが、生活レベルを上げすぎるとせっかく年収が上がったのに、貯金が増えないどころか家計が赤字になってしまいます。
昔の生活レベルを思い返してみて、「本当はこれぐらいでも生活できる」というレベルにまで戻すことで、ゆとりを作り出すことができます。もちろん完全に戻す必要はないので、「ここは今贅沢しすぎているかも」と思うところを改めてみましょう。
高年収=お金持ちではないと知る
高校生の頃、毎月3万円ほどしか稼げず、「大人になって25万ぐらい稼げるようになったらさぞかし贅沢できるんだろうなぁ!」なんて思っていませんでしたか? 25万円稼ぐ大人が、高校生と同じように実家に暮らし、マクドナルドで外食を続けているならたしかに贅沢ができるでしょう。きっと、毎回チキンナゲットなどのサイドメニューを食べちゃいます。
しかし、大人になると友達と外食するのに毎回マクドナルドということはありません。飲みに行けばそれだけで3千円ぐらいはかかるでしょうし、一人暮らしをすれば家賃や光熱費もかかります。(実家暮らしでも、いくらかお金を入れる人の方が多いはず)
年収300万円のときには、「年収400万円あればさぞかし貯金も増えるだろう」と思っていても、年収が上がるとそれだけ経費が増えることもあるので、思っているほどゆとりはできないものです。
もちろん、年収が多いほど使えるお金は増えますが、収入が100万増えたからと言ってお小遣いが100万増えるわけではないということを理解しておかなくてはなりません。むしろ、年収が高くなるほど買えるモノも増えてしまうので、意識的に支出をコントロールする力が必要になります。
貯金の仕組みを構成する
貯金は、毎月手動で貯金用口座に入金する、なんていうやり方では続きにくいです。財形貯蓄のように、自動でお金が天引きされて、貯金できる仕組みを作るのがおすすめです。
それなりに収入がある方にまず確認していただきたいのは、今いくら貯金できているか? ということです。
子供の教育資金や自身の老後資金などでいくら必要なのかを算出するとともに、今の時点でいくら貯金できているのかを知ることが必要なんです。自分では「全然貯金できていない」と思っていても、学資保険や終身保険などで貯蓄が継続できている人も案外います。月々1万円だけ積立定期に入れていたことを忘れている人もいるかもしれません。
すでに貯金の仕組みができている人は、それでも足りない分があれば追加で積立定期預金を申し込むなどして、貯金の仕組みを再構成してください。
現時点で、まったく貯金の仕組みができていない人は、一から構成してみましょう。一番おすすめなのは財形貯蓄ですが、会社に財形貯蓄が無い人の場合はネット銀行など利率が高いところで自動積立定期預金を始めたり、老後資金などでしばらく使う予定の無いお金なら終身保険を利用して資産形成するのもいいでしょう。
(終身保険はあくまでも保険ですし、資産運用の方法としてはおすすめしませんが、貯蓄が苦手でつい貯金を切り崩してしまうというタイプの人にはおすすめの方法です)
「もっとお金があれば貯金ができるのに」というのは幻想です。すでにそれなりの収入があるのに貯金が増えないという人は、お金の使い方に問題を抱えているもの。今後年収が上がっても、その分だけ生活レベルも増やしてしまい貯金も増えませんから、今のうちにお金の使い方や貯金の仕組みを改善して、きちんと貯める生活を始めてみましょう。(執筆者:吉見 夏実)