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ギリシャ支援:緊縮策実行渋り、債務不履行の恐れ

2015年04月21日 05時38分50秒 | 経済
ギリシャに対する欧州連合(EU)などの金融支援を巡る協議が難航し、ギリシャ政府の財政が行き詰まり、借金を返せなくなる債務不履行(デフォルト)の恐れが高まっている。EUは24日開くユーロ圏財務相会合でギリシャへの融資再開の是非を検討するが、ギリシャのチプラス政権は、EU側が支援の条件として求める緊縮策の実行を渋っており、合意は困難な情勢だ。市場ではギリシャ国債利回りが急騰するなど、新たな「ギリシャ危機」への懸念が深まっている。

 「われわれを含め、関係者全員が時間切れになりつつあるとの印象を抱いている」。ドイツのショイブレ財務相は15日、ギリシャの対応にいら立ちをあらわにした。EUは2月末、ギリシャ政府による緊縮策の継続を条件に、金融支援の4カ月延長に合意。4月末までにギリシャが詳細な改革案をEU側に提出し、承認されれば凍結中のEUと国際通貨基金(IMF)の融資約72億ユーロ(約9200億円)が支払われる手はずになっていた。

 ところがギリシャが1日提出した改革案は、前政権がEUと約束した年金削減や労働市場の自由化が抜け落ち、代わりに年金増額など財政再建に逆行する政策が盛り込まれていた。チプラス首相が率いる急進左派連合内の最左派や連立相手の保守政党が緊縮策に強く反対し、妥協を拒んでいるためだ。EU側は修正を求めているが、「(24日の)決着は誰も予想していない」(ショイブレ氏)状況で、5月11日のユーロ圏財務相会合まで協議を引きずるとの見方が早くも浮上している。

 ギリシャ財政は既に後が無い状況だ。政権交代の混乱で1〜3月の税収は想定を大幅に下回り、既に国庫に余剰資金はほとんど残されていないと見られ、月末の17億ユーロの給与・年金支払いや5月12日までの約9億ユーロのIMFへの返済を乗り切れるかが危ぶまれる。チプラス氏は3月にメルケル独首相に宛てた手紙で「数週間以内に支援を得られなければ4月末までに債務返済が不可能になる」と訴えた。

 米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は15日にギリシャの信用格付けを1段階下げ、ギリシャの10年物国債利回りは12%台と13年以来の水準まで急騰した。ギリシャの銀行は欧州中央銀行(ECB)の緊急支援で資金繰りを維持しており、政府がデフォルトを起こせばECBの融資も打ち切られ、金融危機を引き起こしかねない。EU側は、ECBによる資金供給などで周辺国への混乱波及は防げると見ているが、「他の財政悪化国でも銀行から資金流出が起きかねない」(大手銀行)と懸念する声もある。
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