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シアン化合物、拡散の恐れ=住民避難、指揮所も移動―中国・天津爆発

2015年08月16日 10時02分43秒 | 海外情報
中国天津市の危険物集積地で起きた大規模爆発で、市当局は15日、現場に強い毒性を持つシアン化ナトリウム(青酸ソーダ)をはじめとする化学物質が保管されていた可能性があると発表した。新華社電によると、住民の避難所となっている付近の小学校では、風向きが変わり有害物質が拡散する恐れがあるとして住民らがバスで避難。残留している危険物の処理が大きな問題となっている。

 天津市は同日、風向きの変化を受け、指揮所や作業に当たる消防隊員らを風上に移動させた。

 市当局によると、集積地を運営する物流企業関係者の話や税関データから、現場には爆薬の原料にもなる硝酸カリウムを含む約20種類の物質があった可能性があるという。

 周辺には大量の危険物が残されているとみられ、シアン化ナトリウムについては化学防護の専門チームが存在する範囲を調査。特性に詳しいメーカーなどが毒性を低減させる措置を取り、処理を進める。地下の配水管からは基準を大きく超えるシアン化合物が検出されている。

 現場には軍の化学防護部隊が入り、防護服にマスクを着けた隊員がサンプル採取などの活動を続けた。中国メディアによると、シアン化合物の解毒剤220人分を持った専門家も現地に派遣された。

 中国紙・新京報(電子版)は15日、現場の警察関係者らの話として、爆発地点から3キロ以内に避難指示が出たと伝えた。同紙によると、爆発現場で残された有害物質の処理が行われるためという。一方、市当局は住民に対する組織的な避難の指示を否定、混乱が続いている。

 現場では同日昼、爆発から約60時間ぶりにコンテナの中にいた男性が救出され、病院に運ばれた。 
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