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ブレない経営力を身につけるビジネス書の読み方 小宮一慶

2015年08月23日 09時28分53秒 | お役立ち情報
松下幸之助の名著から学ぶ

 今回は私が生涯で最も読んでいる本のお話をしましょう。私の座右の書は、松下幸之助さんの『道をひらく』(PHP研究所)です。昭和43年に発売以来、500万部を突破している本ですが、生きていくうえでの正しい考え方を教えてくれる名著です。

 同書は、雑誌PHPに松下さんが書かれた短い文章を120余りまとめたものです。一つのテーマが見開きで完結していて読みやすいので、私は東京の自宅にいるときは寝る前に欠かさず少しずつ読むようにしています。年に5、6回は読みます。それをもう25年近くは続けているので、100回以上は読んでいると思います。

 ときどき、「同じ本をそんなに何度も読み返して、飽きないのですか?」と聞かれますが、飽きないどころか、毎回、新鮮で、すごく勉強になっています。

 稲盛和夫さんが成功の方程式を「考え方×能力×熱意」とされ、「能力と熱意は0点から100点までだが、考え方はマイナス100からプラス100点まである」とされています。

 それほど成功するための「正しい考え方」を身に付けるということが大切なのです。また、経営者にアドバイスする立場にいるので、自分がブレることは多くの方に迷惑をかけます。松下さんだたったらどう考えられるのか、どう行動されるのかという、私にとっては生き方や経営の「指導書」でもあるのです。

 私はその意味もあり、他の本でも同じ本を何度も読んでいるものがあります。この『道をひらく』ほどではありませんが、論語などの中国の古典や仏教書なども折に触れて同じ本を何度も読んでいます。

 また、多くの方が良いという本もできる限り読むようにしています。森信三先生の『修身教授録』(致知出版社)のように本当に良いものは何度も読んでいます。経営書ではピーター・ドラッカーの本も何度も読んでいます。世の中には良い本が実にたくさんあるものです。

 優れた経営者の書いた本を読むだけ、成功した会社のビデオを見るだけではダメで、何よりも「小さな行動」を徹底することから始めよう、とこの連載でも繰り返し述べてきました。しかし、このことは、「本を読むのはムダ」と言っているわけではありません。

 むしろ、毎日の「小さな行動」を続けながら、正しい考え方を書いてある本を読むことで、自分の考え方のブレを修正することが大切です。私だって、こんな偉そうなことを書いていますがブレます。それを「原点」というべき本を読むことで修正するのです。

ただ理解するのではなく「腑に落ちる」まで読む

 良い本は「頭」で理解するのはそれほど難しくないものが多いのです。生き方の原理原則ですから、「言ったことは守る」、「やると決めたら早くやる」、「人に嫌なことを押し付けない」など、幼稚園の頃に母親や先生から教えられたようなことばかりです。

 幼稚園の頃にはやれたことが、大人になるとなかなかやれない。頭で考えているからです。腑に落ちるまで読まなければならないのです。ストンと“腹に落ちる”ことが大切なのです。

「腑」という漢字は、五臓六腑の「腑」、内臓のことです。西洋人は、「heart(ハート)」と表現していますが、いずれにしても、首から下に落ちないと本物ではないのです。頭で理解しているうちは、本当に理解しているとは言えないというわけです。信念となっていないのです。

 信念になったものは行動に表れます。頭でわかっているだけではダメで、行動まで変わらなければ、本当に理解したとは言えないのです。

 頭で理解したことは「教える」ことです。腑に落ちたこと、ハートで感じたことは「伝える」ことのできることです。心や考え方は伝えるもので教えるものではありません。

 私の会社では、年に6回、経営者向けにセミナーを開催しています。そのうちの5回は私だけがお話しし、全部で4時間半くらいのうち、1時間ちょっとはマクロ経済の話をしますが、残りの3時間半ぐらいは、経営についてのお話をしています。

 実は、経営に関する話は、毎年、ほとんど同じ話をしています。でも、大多数の人が、「今日の話は良かったです」と言ってくれます。それは、私がハートで感じていることを経営者たちのハートに伝えているからです。理屈も少しは教えますが、それは本に書いてあることなので、本を読んでもらえば済むはずです。

 毎回、同じ話をしても、前回よりも自分自身が成長していれば「腑に落ちる」感覚が増えるので、それが、新たな発見につながっていただいているのだと思います。

正しいことをしている信念があるなら敵は多くても突き進め

『道をひらく』には、私が大好きなフレーズがたくさんあるのですが、ここでは、2つだけご紹介しておこうと思います。一つはこれです。

勤勉は喜びを生み、信用を生み、そして富を生む

 勤勉の喜びを知り、それを毎日実践していれば、いつしか信用を生み、結果として富を生むことにつながるというのです。

 もう一つ、この言葉もとても好きです。

幾千万人といえども我ゆかんとする烈々たる勇気

 元々は孟子の言葉だと教えてもらったことがありますが、「正しい考え方」を持ち、心にやましいものがないなら、たとえ多くの人が反対しても恐れずに進む勇気が必要だという意味です。

 正しいことをしているという信念があるなら、多くの人を敵に回すかもしれなくとも、突き進み、やり遂げなければならない。経営者には、そういう勇気や覚悟を持って行動することが必要だということです。リーダシップというのは「覚悟」なのです。

 いずれにしても、皆さんも多くの人が評価する良書を座右の書として持たれ、それを折に触れて読み返すことで「正しい考え方」を身につけてください。
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2015年08月23日 09時14分49秒 | お役立ち情報
 金融市場で投資マネーが警戒姿勢を強めている。中国景気の減速が新興国経済に打撃を与え、世界的に経済成長が抑制されるとの懸念が広がっているためだ。投資家はリスクを避けようと株を売り、安全通貨とされる円を買った。市場関係者の間では、週明けはひとまず株安・円高の流れが続くとの見方が多い。



市場には一段と不透明感が広がる(ニューヨーク証券取引所)=ロイター

 21日発表の中国の製造業購買担当者景気指数が2009年3月以来の低水準となったのを受け、原油先物相場が下落。米ダウ工業株30種平均は1週間で1017ドル下落と、08年のリーマン・ショック直後の10月(1874ドル)以来6年10カ月ぶりの下げ幅となった。投資家心理の目安とされ「恐怖指数」とも呼ばれるVIX指数は3年8カ月ぶりの高水準だ。

 今週の東京株式市場では日本株も大幅安となる公算が大きい。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)で日経平均先物9月物の清算値は、21日の日経平均株価の終値に比べ400円超安い1万8970円だった。

 中国や新興国の景気減速で国内の企業業績に悪影響が出るのではと不安視されている。「海外の落ち込みを国内で補えなければ、日経平均は2万円を回復するのが難しくなる」(クレディ・スイス証券の市川真一氏)との声がある。



 週明けは「株安の流れが一段と続くと踏んだヘッジファンドが売りを膨らませ、株の下落幅が拡大する可能性がある」(岡三証券の石黒英之氏)。

 外国為替市場では21日に1ドル=121円台後半と約1カ月半ぶりの円高水準をつけた。リスクを避けたい投資家が政情や経済が相対的に安定している日本の円を買う展開は当面、続くとみられ、「円は今週120円を目指して上昇する」(みずほ証券の鈴木健吾氏)との予想がある。ただ、輸入企業による外貨調達のための円売りが円の上値を抑える可能性はある。

 これまでは米連邦準備理事会(FRB)が9月にも利上げするとの観測からドルにマネーが流れ、円安材料となっていた。だが、世界的な景気不安で「米国の利上げシナリオに不透明感が出てきた」(三菱東京UFJ銀行の内田稔氏)。

 米国では6年あまり続いた株価の上昇局面が転換点を迎えたとの見方もある。米国の公的年金で2番目の運用規模を持つカリフォルニア州教職員退職年金基金(カルスターズ)のエイルマン最高投資責任者は「15年は(乱高下する)のこぎりの歯のような動きを想定すべきだ」と指摘する。

 米アトランタ連邦準備銀行のロックハート総裁は9月に利上げを見送るのは「よほど経済指標が悪化した場合」と述べていた。同総裁の24日予定の講演での発言を市場参加者は注目している。
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