ユリノキ(ゆりの木)が開花する季節になった。普段の年は5月下旬なのだが、今年は少し早いのかもしれない。知らない人には可愛らしい木くらいに思われるかもしれないが、モクレン科の落葉高木で高さが45mに達することもある。
(久我山のユリノキ)
(同昨年11月)
花の由来は学名のtulpifera、即ち『チューリップのような花をつける』という意味であり、明治時代にはチューリップがポピュラーでなかったためギリシャ語の属名から『ユリ+木』からユリノキと名付けた。
久我山にも主のような高木のユリノキがスーパーの入口に立っていて毎日その前を通過して駅まで歩く。しかし、写メにある通り、枝までの高さが高いため、花が咲いていることは確認できるが、花を近くで見ることはできない。
(国立博物館のユリノキ)
しかし、先日上野にある国立博物館に行った際に本館前に大きなユリノキがあることを発見した。しかも低い枝にも花が付いていてすぐそばで見ることができる。思わずそばに寄って黄色の可憐な花を撮ることができた。
よく見ると蕾も多数付いていてしばらくはこの花を楽しむことができそうである。
(右ユリノキちゃん、左トーハクくん)
因みに国立博物館の公式キャラクターはユリノキをモデルにした『ユリノキちゃん』である。この木は明治8、9年に渡来した30粒の種から育った苗木が明治14年に当地に植えられたもののようである。
このユリノキは博物館の歴史をじっと見守っているのだろう。