hokutoのきまぐれ散歩

ブログも12年目、4000日に到達。ネタ探しはきついけどまだまだ毎日更新を続けるつもりです。

多摩川台古墳群と宝来山古墳

2023-05-12 05:00:00 | 古墳
『古墳と遺跡巡り』東京編④、亀甲山古墳を過ぎると右手に多摩川台公園古墳展示室の建物が現れる。ここには多摩川台公園にある3つの古墳以外にもこの周辺にある古墳のプロフィールを書いたパネルや出土した埴輪などが展示されていて興味深い。



特に1階にある展示室自体が古墳の形をしていて気軽に入ることができるようによく工夫されている。



外に出ると遊具の設置された広場があり、保育園の子どもたちが遠足に来たのか、たくさんの園児が思い思いの遊びをしているのだが、急に走り出す子供もいてぶつかって怪我でもさせたらとすぐにその裏にある道に退避した。



細長い公園を少し行くと左側がこんもり盛り上がっていて『1号墳』というプレート。さらに隣には『2号墳』とある。



盛り上がってはいるが、確かにお隣の小山が一旦なくなり、隣にまた小山が、現れるという感じ。もちろん敷地内には入ることはできない。



この円墳がずらっと『7号墳』まで続く。
先程の展示室でもらった資料によると、『1号墳』は前方後円墳で『2号墳』を前方部に利用している。この1号墳は6世紀後半、2号墳の円墳は6世紀前半、3〜7号墳は6世紀末〜7世紀前半と考えられる。



『8号墳』は真ん中に道路が通るその先にあり、これが7世紀中期、つまり大化の改新(645年)頃のことでこれが最後に多摩川台古墳群は終わりを見たのであろう。





再び広場がある。するとその先に大きな規模のこんもりした山が見えてくるが、これが『宝来山古墳』である。都指定史跡ではあるが、1934年宅地造成の際に後円部の3分の2は削平されてしまっている。



ただ、後円部の削平により、墳頂下3mから被葬者を納めた木棺を覆っていた粘土槨が現れ、国産品の四獣鏡や碧玉、硬玉製の勾玉、鉄剣など様々な副葬品を確認することができた。



墳丘長97.5m、前方幅37m、前方高8m、後円径52m、後円高11mとかなり規模の大きな前方後円墳である。階段がついていて後円部には登ることもできる。4世紀後半のこの辺りの首長のものと見られ、それを前にゆっくり見ることができる。東京の最高級住宅地近隣ににあるのだが、3種類の古墳を巡ることができる素晴らしい公園である。