『久我山歳時記』㊶。季節はあっという間に移ろい、5日は『芒種(ぼうしゅ)』である。
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今年の沖縄地方の梅雨入りは5月19日と平年より10日ほど遅れた。関東地方の平均的な梅雨入りは6月7日なのだが、今週の天気予報はずっーと晴れ。やはりこちらも遅くなりそうである。芒種とはイネやムギのようなのぎ(芒)、つまり針のような突起のある植物の種を蒔く季節のことを指す。
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さらに細かく分けた72侯では6月9日までを『蟷螂生(かまきりしょうず)』、6月15日までを『腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)』、6月20日までを『梅子黄(うめのみきばむ)』としている。確かにこの季節になると小さな蟷螂が卵から孵り、歩いている姿をよく見る。
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さらに久我山では6月8日・9日が神田川螢まつりだが、ほぼ暦通りとなっている。
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久我山の街を歩くととにかく目につくのは紫陽花と百合の花。紫陽花は少し前から咲いてはいるが、植える場所の土壌がアルカリ性、酸性などにより色が異なる。アルカリ性の場合には青く、酸性の場合はピンクにかわるのだが、近年は花を青くしたり赤くしたりする肥料まで売られている
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さらに以前にはなかった小さな花の紫色の種類や星のような形の花、房のような花を咲かせる種類まであり、美しい。
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目立つ花としては百合とタチアオイ。百合は白ばかりではなく、ピンクや黄色い花が咲く百合を植えているお宅が多い。
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タチアオイは洋名をホリホック、梅雨入り頃から梅雨明けまで花をつける為、『ツユアオイ』の別名もある。花は直列に付いていて下から上に向かって咲いていく。
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トルコ原産と言われているが、日本には薬用として万葉集の時代から咲きつづけている。花の色は白、ピンク、赤、そのグラデーションなど、多種ある。
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花の大きさに驚くのはタイサンボク、大きくなると20mを超すものもある大木で直径20cm〜40cmほどの白い花を付けると圧巻である。高いところに咲く為あまり感じないが、香りも強い花である。あまり小さな木には花が咲かず、私が初めてこの花を見たのが宮城(皇居)を歩いていたときである。
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ほかにもサツキ、桔梗、ヤマブキなど色とりどりの花を見るのは楽しいものである。
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