五劫思惟阿弥陀仏(ごこうしゆいあみだぶつ)を聞かれたことはあるだろうか。阿弥陀仏が法蔵菩薩の頃に修行に長く入られたため、その髪(螺髪)が伸びてアフロヘアのようになった時のお姿の像のことを呼ぶが、その修行の期間がすごい。
五劫とは数の単位で劫の5倍。『劫』とは、『40里立方(160km)の大岩に3年に一度天女が舞い降りて羽衣の羽で撫で、その大岩がなくなるまでの期間』という果てしない単位であり、考えられぬほど長い間諸々の衆生を救わんと思惟され、阿弥陀仏になられたのである。
この阿弥陀仏は奈良・五劫院(国重要文化財)をはじめ、全国に16体しかない。しかし、私は法事もかねて京都東山の金戒光明寺にお参りに来た際にじっくりと手を合わせることができた。黒谷霊廟の入口の極楽橋を渡り、階段を登ると左側にすぐに出てくる。(もちろん、拝観料は無料)
江戸中期に石に彫刻された仏像でそれほど大きくない。確かにアフロとも言えるような大きな髪をしておられる。
この墓地に私の先祖代々の墓があり、すでに50回は来ているにも関わらずじっくりとお参りしたのは初めてであった。今は分かりやすく道案内も出ているので是非京都に来られる機会がある方は真如堂や金戒光明寺のついでに寄られるといい。
階段をそのまま登り、三重塔まで行くと京都の街が一望できる。また、春の桜、秋の紅葉の際はさらに一段上の風景をみることができるのである。