『改めて日本語を考える』その50。TBS系(毎日放送制作)の人気番組に『プレバト』がある。素晴らしい鉛筆画や水彩画、スプレーアート、ストーンアートなどの制作や俳句、生け花などを芸能人が競う。この番組は毎週楽しみにしているのだが、特に俳句は学ぶことが多くある。
昨日の俳句のお題は『うっかりミス』、これを17音で表すのはなかなか至難の業。その2位に輝いたのが美容家のイッコーさんであった。その句は『帯留に 選ぶ翡翠や 返り花』、正直、そのままでなぜうっかりミスかは私は分からなかった。
本人によるシチュエーションの説明は『秋も深くなり、合わせの着物を着る季節にも関わらず、夏に使う翡翠の帯留を使ってしまった。暑かったからついつい間違えてしまう』とのこと。季語は『返り花』、これは初冬の季語で11月頃の小春日和に桜や梅、梨、つつじなどの草木が本来の季節とは異なって咲くことを言う。
なるほど、深い意味があり、知識と季節感を併せ持つ人しか読めない俳句である。調べてみると、芭蕉の句に『凩の匂いつけし帰花』、与謝蕪村の句には『かへり花暁の月にちりつくす』のいった句もある。
返り花を調べたところでそういえば確かに先月後半からたくさんの返り花を見たことが思い出されたのである。
10月17日に事務所(日本橋)近くの公園のソメイヨシノの枝に花が咲いていた。
11月4日に我が家のそばの道路に白いタンポポの花が咲いていた。(ケイリンシロタンポポ)
11月9日に庭のプランターでスズランが白い花を付けた。
(ハイビスカス)
11月14日に通勤路に面したプランターにハイビスカスの花が咲いていた。(写メは翌日に撮ったので花は萎れていた)
極め付けは11月14日に日本橋の交差点を渡ろうとしたら何とひまわり(ミニひまわり?)の花が咲いていたのである。
これは返り花などと言って風流がっている場合ではないのかもしれない。