『秋の甲斐路へ』④、古民家カフェで食事をしたのち、ふじさんミュージアムに向かうのだが、まずはその少し奥にある『鐘山の滝』に向かう、鐘山の滝は落差が10mで2筋に分かれており、富士山の伏流水も含まれる桂川にある。
紅葉はまだ一部に限られていたが、水量も多く、見事なもの。名前の由来は滝の上に鐘撞堂があり、静岡側から敵が攻め込んだ際にこの滝を鳴らしたと説明板にあった。
少し戻り、『ふじさんミュージアム』に入る。富士吉田市立の博物館で中に入ると大きな金属製の鳥居をくぐる。これは吉田にある金鳥居の2分の1スケールのレプリカであるが、富士山信仰の世界への入口である。
富士登山口の一つである吉田口の一つ目の門で鳥居の間に富士山が収まる光景が再現されている。
他にも『吉田の火祭り』『富士登山の今昔』『富士吉田の歴史』『富士信仰の起源と変遷』などを最新機器を使い、立体的な画像を見ることができる。スクリーンが大きいので大迫力であった。
(富士講の富士山)
次いで『富士山レーダードーム館』に行く。最上階には1964年に富士山頂測候所に設置した気象レーダーの実物(1999年運用終了)をこの地に展示した気象の博物館である。
中に入ると富士山で見ることのできる様々な気象現象を丁寧に説明したり、色々な器具の使い方などを展示したりしている。
特に富士山頂上での厳しい状況を再現した部屋があり、体験することができる。気温は零下10℃、風は20m近くまでなり、中に入ると寒さで一気に目が覚める。零下20℃は冷凍倉庫で体験したことがあるが、風があるとここまで厳しくなるのかということを身をもって体験できる。
また、ホールではNHK制作の富士山頂に気象ドームを運ぶ時のドキュメンタリー、いわばプロジェクトXのような番組を見ることができる。少し見るつもりが結局最後まで見て、60年も前の技術でここまでの事業をやり遂げ、台風観測の飛躍的向上に繋げた人々の偉業に感動した。因みにナレーターは久保純子アナウンサーだった。
最後に屋上にあるドームとレーダーを見てこの日のスケジュールは終了した。もう雨も降り出し、慌てて西山温泉に向かった。(以下、次回)