新たに開業したSONPO美術館が特別展を開催しているが、今回のみ特別に名画の写メを撮ることができるとS先輩から教えてもらった。これは行くしかないと僅かに取った夏休みを使い、新宿まで出かけた。
東郷青児美術館として1976年に開館、安田火災海上ビル(現在、損保ジャパン)47階にあった。その後1987年にゴッホのひまわりを購入、一躍有名になった。これを改組して損保ジャパン本社ビルに隣接した建物を建設、SONPO美術館として開館したものである。
まずは新しいビルの外観の美しさに驚く。中に入ると厳重なコロナ感染対策をしたのち、5階から見てまわる。最初に目に飛び込んで来るのは岸田夏子(岸田劉生の孫)の油彩2点、桜の鮮やかな絵である。このフロアには山口華楊、平山郁夫など並んでいたが、私は奥村土牛の『朝顔』の何気ない美しさと岸田劉生の『虎ノ門風景』の日本人離れした大胆さに目が釘づけとなった。
4階は若手の作品の奥に東郷青児氏の作品が並ぶ。あの西洋風なデフォルメされた美人画も素晴らしいが若い頃パリで描いた抽象画に才能を感じた。
3階は世界と日本の名画が並んでいてこれでもかと思わせる。今回はルノワール2点、ゴーギャンが写真撮影可のため、しっかり撮影する。
他にもアメリカのグランマモーゼスの田園風景やルオー作の惡の華(ボードレール)の版画など充分楽しめた。
そして最後にセザンヌの『りんごとナプキン』、ゴッホの『ひまわり』を見て終了であった。
コロナの感染が収まらない中での開催のため、ティールームなどは閉鎖されていたが、堪能できた展覧会であった。