『古墳と遺跡巡り』東京編③。多摩川沿いに広がる古墳群を見るために東急東横線多摩川駅で降りて歩く。
駅前から1、2分歩くと多摩川台公園の入り口にある石でできたカタツムリ像の前に出る。なぜカタツムリなのか、このあたりはアジサイ園であり、アジサイと言えばカタツムリだからだろうと感心する。
公園の中に入ると意外に階段が多く、あんまりバリアフリーではない。アジサイ園を越すとつぎは水生植物園。大正時代に作られた調布浄水場の濾過池・沈殿池を再利用した施設であり、菖蒲や水蓮などの花が美しい。
その池の上に広がるのが『亀甲山古墳(かめのこやまこふん)』である。東京都を代表する前方後円墳であり、測量調査で長さが107m、前方部幅50m、後円部径66m、前方部高7.2m、後円部高11.8mとなっている。
昭和3年2月に都指定史跡に指定されているが、今だに発掘調査が行われていないため、正確な築造年代は不明。ただ、形状から4世紀前半と推定されている宝来山古墳より少し後の4世紀後半の首長の墓と考えられている。
植物園から階段を上がると横から古墳を見ることができる広場があるが、大きな木が多く繁り、なんとか形状がわかる程度である。
広場の裏、眼下に多摩川本流が流れていてやはり人の集落は川から近い場所に作られたのだろうことが推測される。
せめて上から見た写真があればと探してみたが、やはり樹木が繁すぎてよくわからなかった。
時代の特定にはやはり古墳の内部の発掘が待たれるところだが、今はこの小山を見ながら色々と想像を巡らすしかないようである。