前回「ナッチャコ&局アナ」篇はこちら。
さて、今回からアーティスト篇。当時メジャーになりつつあったフォーク系のシンガーソングライターが次々に深夜放送に進出した裏には、前回も特集したように当時のリスナーの嗜好がどんどんフォークソング(といっても日本の場合、プロテストソングというより四畳半センチメンタルソングであることが多かった)に傾いていたことと、【テレビには絶対に出ない】と格好をつけていた彼らにとって、舞台としての深夜放送は便利だったこと、そして、コンサートのMCが、歌よりもウケているしゃべりの達者なアーティストが多かったことがあるだろう。
代表格はレスにもあった谷村新司だろうか。この、元アリスの旦那は「暗い過去」コーナーのようなエッチ系ネタにめっぽう強く、おまけに「天才・秀才・バカ」という、んもうおバカ極まりないコーナーでは、いっしょに出ていたばんばひろふみ(サチコや、「いちご白書をもう一度」の人ね)とともに、死ぬほど笑わせてくれた。今は大御所然としている谷村だが、どこかしらエッチ系の匂いが抜けないのは、それがまったくの地だからだろう(笑)。
でも、こんな言い方は失礼だけれど、アリスの場合、当時はとーにかく全然売れなかったのである。どんな曲を出してもダメだった。それがギャグのネタになっているぐらいだったし。それが、何かの間違いで「冬の稲妻」や「チャンピオン」でブレイクしてしまったのだけれど、わたしはアリスの曲や「昴」の、いったいどこがいいのか実は今でもさっぱりわかんないのであった。
次回はオールナイトニッポン第二部を。