おなじみピーター・ダイヤモンド警視シリーズ第9作。連続する男女ペアの首つり事件。彼らの共通点とはなにか……。取り調べや事実の集積をまず提示しておき、ダイヤモンドが一刀両断にその裏を(たとえ間違っていても)えぐってみせる。「被害者と不倫していたのは、実はあなたなんでしょう?」とか。しかも上質のユーモアをふりまきながら。
これまでのダイヤモンドではありえないであろう甘いラストには批判も多いだろうが、妻ステフの死以来、このシリーズが違ったステージに到達していることがよくわかる。フロスト警部との比較も楽しい。ラヴゼイも70才をこえてますます円熟。
ま、昔からジジくさい作風ではありましたが☆☆☆★★