監督:シュテファン・ルツォヴィツキー 出演:カール・マルコヴィックス
特殊技能をもっているが故に、収容所のなかで“優遇”されてしまう微妙な立場の男たち……。第二次大戦中のイギリス外貨準備高の4倍ものポンド紙幣を偽造した、文句なく史上最大の偽札事件がモデルになっている。
「今日銃殺されるぐらいなら、明日ガスで殺された方がいい」とする主人公の苦悩はよくわかる。腕前を誇示したいという欲求もあるだろうし。共産主義者として、この作戦をサボタージュすることこそ重要なんだと主張する男(原作者がモデル)の気持ちもわかる。そしてナチに懐疑的でありながら、作戦遂行に官僚として取り組む所長の気持ちもまた。ついでに戦後にそなえて偽造パスポートまで依頼するあたりが高級官僚としての有能さ(笑)だろうか。
のべつまくなしに銃声や怒声が壁の向こうから聞こえる設定もリアリティがあり、終戦と同時にいっきに静かになるあたりの映画的趣向もすばらしい。戦後、この作戦を成し遂げたことで主人公が刹那的になるのを、モンテカルロのカジノの一夜に集約してみせる。おみごと。
男ばっかりのドラマなのでオープニングとラストはすごくエッチです☆☆☆★★★
おなじみ御茶ノ水署シリーズ。血なまぐさい事件はまったく起こらない。ま、主人公のダメダメコンビは生活安全課だからあまり縁はないわけだけど。逢坂のタッチが、熱気とは無縁なのが計算なのか単に疲れているのかわからず考えこむ。キャラがみんな薄いのである。でも逢坂の神保町への偏愛はタイトルだけじゃない。
とりあえず、図書館にあったら読みましょ☆☆☆