事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

Word VS 一太郎 最終回

2008-12-06 | 事務職員部報

Atok08_2  PART3はこちら

 実はWordにだってExcelとの親和性などのいいところはたくさんある。最大の利点が「だってみんなWordだから」これはまちがいない。それでは情報交換を前提にした文書作成ソフトがWordで事実上スタンダード化しているというのに、なぜ官公庁は一太郎派が多いか。理由の第一は“閉じている”からだろう。海外取引が多い大会社だけでなく、その大会社と取り引きする中小にしたって一太郎に固執することはむずかしい。でも公務員にはまだそれが許される余地があるということだ。

もうひとつの理由は、自虐的になるけれど、それまでのファイルをそのままいかしたい……つまり前年度のファイルをちょいとアレンジしたいという前例踏襲主義が生き残る職場ほど……しまった。言いすぎ。

わたしが言いたいのはこういうことだ。一太郎のソフトとしての優秀性はよくわかった。しかしデファクトスタンダードとしてのWordの地位は(今のところ)ゆるがないのだし、一太郎派もWord文書を身構えないで扱えるようになってほしいと。事実、この二つのソフトの間にはもう操作においてほとんど差はない。水性ボールペンと油性ボールペンぐらいの違い。だからもう「えー、あたし一太郎しか使えないしぃ」とか平気な顔で言うなウチの職員たちよ! 

07年10月23日付事務職員部報「新財務システム⑪」より。

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Word VS 一太郎 PART3

2008-12-06 | 事務職員部報

Microsoftoffice07 PART2はこちら

 そもそも、一時はシェアの8割を席巻したといわれる一太郎の牙城が崩れたのは、ウィンドウズマシーンのほとんどにWordとExcel、そしてOutlook Expressがプリインストールされていたから。独禁法違反云々でマイクロソフトがつるし上げをくったあの事情である。使いにくいにしろワープロソフトが既にあるのに、高いお金を出してわざわざ一太郎を購入する人がいないのは仕方のないことか。昔は一太郎+ロータス123がバンドルされたパソコンが主流だったのに、次第にWord+Excelが増えている事情をふまえてわたしもWordにしたのだし。勝ち馬に乗ったわけね。

 だから今さらウィンドウズマシーンにおけるマイクロソフトの横暴さが……なんてジャストシステムが言える義理でもない。一太郎は日本語ワープロソフトとして行けるところまで突っ走ればいいのである。Wordは、世界言語対応である以上、程度問題はあるが一種の不便さが宿命でもあるのだから。

 他にも一太郎の優位性はたくさんある。メル友たちに募集したところ

①文字を打つと箱がお手元に出てきて文字装飾がめちゃ楽!拡大なんか好きなだけクリックしていればポンポンポンとおおきくなるし。

罫線が楽!!失敗なし!

③やはり日本語基準で作られていて思いやりがある。

④絵がかわいい!Wordの方は何か変。かわいくない!

……そこまで言うか(T_T)。マイクロソフトのクリップアートは“政治的な正しさ”を追い求めるあまり、確かにかわいくないのが多いもんなあ。罫線についても、Wordはセルが基本になっているために自由度が低いし。しかし一太郎にはもうひとつの特徴がある。官公庁に強いのである。このあたりは次号で。 

07年10月23日付事務職員部報「新財務システム⑩」より。

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Word VS 一太郎 PART2

2008-12-06 | 事務職員部報

1taro2008up PART1はこちら

最初に経験した一太郎は何代目かな。5インチフロッピー(職場の若手が教材室で見つけ「ホリさん、これ何ですか?」と質問してきたのには泣いた。ドクター中松も泣いているだろう)がまだ主流で、連続紙でプリントアウトしていた時代。DOS対応のワープロソフトとして文句なく日本一。とにかく学校という現場にいたまわりの連中は全員一太郎を使っていた。それには業界の裏事情もある。

もしあなたがソフト会社の経営者だったとして、将来自社のソフトを普及させたいと考えたらどんな行動をとるだろう。いろいろな選択肢はあるだろうが、とにかく学校に食いこめ、と考えるのではないだろうか。自社ソフトに慣れ親しんだ児童生徒が、順調にいけば毎年顧客に変貌してくれるのだ。これは強い。多少の法律違反には目をつぶって、損は覚悟しても学校にばらまけ!……そして実際、このとおりのことが90年代には行われていたわけだ。『学校におけるCAI導入は、非常に教育的でない状況で行われている』と学校事務職員出身のコラムニスト小田嶋隆が喝破したように。

 市場の牽引役だったNECの98シリーズにはなぜか一太郎が“購入したおぼえもないのに”入っていたし、一太郎の普及が違法コピーによる一面があったことはよく知られている。ジャストシステムはわざわざコピーの障壁を低くしていたこともその一因。しかしジャストシステムは、同じ理由で手ひどいしっぺ返しを。以下次号

07年10月23日付事務職員部報「新財務システム⑨」より。

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Word VS 一太郎 PART1

2008-12-06 | 事務職員部報

Justsystem01 めずらしくお勉強になるシリーズを開始します。一太郎を発売しているジャストシステムの歴史は、テレビなどでも採りあげられているのでご存知の読者も多いと思う。ある夫婦のサクセス・ストーリー。

(ここから、ちょっと古いけど田口トモロヲの声で読んでね)1951年に徳島で生まれた橋本初子というプログラマーとしての一種の“天才”が、愛媛大学在学中に現社長の浮川和宣と同級になったことからドラマは始まった。工学部電子工学科においてただひとりの女性だった初子に浮川がプロポーズしたのも在学中のことだった。
 やがて浮川は関西の電機会社に、初子は東京でコンピュータ関連の研究所に就職する。結婚後、浮川の社宅に移り住んだ初子はオフコン会社に再就職。中小企業の販売管理システムをひとりで作り上げたりしている。その才能に浮川は賭け、脱サラ。徳島の初子の実家をオフィスにオフコン販売会社を立ち上げる。初子は、半年かけて当時としてはめずらしい漢字処理のできるソフトを組み上げた……

 そして1985年に発売されたのが一太郎の前身「jX-WORD太郎」。かな漢字変換には、複数文節が連なった文を一度に変換する複合連文節かな漢字変換「ATOK3」を搭載している。一太郎という名前にしたのは、日本一になれという意味をこめてのことだった ~次号に続きます。 

07年10月23日付事務職員部報「新財務システム⑧」より。

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