事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

古畑任三郎を全部観るVol.7 「殺人リハーサル」

2008-12-21 | テレビ番組

Img_1008932_53987205_0 第6話「ピアノ・レッスン」はこちら

 時代劇スター大宮十四郎(名前がすでに近衛十四郎をもじってある)は、撮影所のスタッフたちの尊敬を一身に集めている。

しかし“御曹司”と呼ばれる社長(長谷川初範)は撮影所の閉鎖を広言していた。大宮は、人気ドラマ「あっぱれ侍」のチャンバラシーンの撮影に御曹司を誘う。彼が使用した刀は真剣だった。

古畑は、撮影前と撮影後のセットの微妙な差に気づき、御曹司の死が事故ではないと確信する……

大宮を演じた小林稔侍はさぞややりにくかったろうと思う。大部屋出身の苦労人である彼が、生粋の時代劇スターであり、あの阪東妻三郎の次男である田村正和に時代劇を語らなければならないのだから。

田村正和は不思議な役者で、おそらく若い視聴者は「パパはニュースキャスター」(TBS)などのおとぼけ路線が彼の本領だと思っているだろう。

でも、実は阪妻ゆずりの豪快な殺陣と、なんとなく母性本能をくすぐるような美男ぶりが際立つ時代劇役者なのだ。妻三郎も、自分の息子たちのなかでは正和がいちばん華があると生前語っていたらしい。「殺人リハーサル」でも、“結果として真剣白刃どりをやってしまう”シーンがあって笑わせてくれる。

警視庁管轄に時代劇の撮影所があると仮定した架空のお話だが、経費節減のために撮影所を閉めようとしている元俳優の“御曹司”のモデルは、どう考えても岡田茂のあとを継いだ岡田裕介現東映社長じゃろ。どんな映画をつくってもことごとくコケさせてしまうこちらの御曹司を、はたして東映の社員はどう評価しているのかなあ。

ミステリとして弱いとき(三谷もわかっているのだろう)、このシリーズはラストに叙情的ないいシーンをもってくる。身代わりに逮捕されようとする小道具係に、大宮は

「もう、いい」

と観念する。あっぱれなサムライである。

第8話「殺人特急」につづく

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「20世紀少年白書 同世代対談集」 山田五郎著

2008-12-21 | 本と雑誌

04113020th 1958年生まれの山田が、元ホット・ドッグ・プレス編集長だった人脈をいかし、万博の記憶などを中心に同世代のクリエイターたち(みうらじゅん、岡田斗司夫、唐沢俊一、やくみつる……)と語り合った対談集。その多くが倉多江美が好き、とするのは意外。わたしはそっち方面に暗いので感じがよくつかめない。どんな漫画家だったんだろう。

わたしはほんとに少女マンガが苦手☆☆☆

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「不肖・宮嶋 金正日を狙え!」 宮嶋茂樹著

2008-12-21 | 国際・政治

20071004125536 右翼にして戦争映画オタクの宮嶋が、ロシア訪問中の金正日を撮影せんと敢行した冒険譚。こっちは左翼なのにところどころうなずける点があるあたりがさすが宮嶋。

飛行機嫌い(テロ恐怖症?鉄道オタク?)なものだから金正日が延々と列車で移動するのをロシア公安関係者がうんざりしているあたりの描写は爆笑。六カ国協議になぜロシアがかんでいるのかが十分に理解できる参考書でもある。

“撮影すら命がけ”って国家元首が現存している不思議☆☆☆★★

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