事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「道連れ彦輔」逢坂剛著 文藝春秋社刊

2008-12-16 | 本と雑誌

Michizurehikosuke01 おっと「重蔵始末」シリーズよりずっといいかも。明らかに用心棒日月抄を意識した、そしてあちらよりもかなり功利的な主人公。やくざ者から金をまきあげたりね。けっこう弱いあたりがまたいい。まだ続いているのかなこのシリーズ。期待。

それにしても、近藤重蔵はいつ樺太に向かうのかなあ☆☆☆★★

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古畑任三郎を全部観るVol.6 「ピアノ・レッスン」

2008-12-16 | テレビ番組

Kinominana01 第4話「汚れた王将」はこちら

 今回はオープニングの口上が最高だ。

「自分が他人に嫌われてんじゃないかと心配しているみなさん。安心してください。そういう場合はたいてい本当に嫌われてます。問題なのは自分が他人に嫌われてるのがわかってない人の方で……」

そのとおりのお話なのである。

犯人は木の実ナナ。尊大で、貴族趣味で、他人がバカに見えて仕方がないピアニスト井口薫を演じている。彼女はこの性格によって墓穴を掘ることになってしまう。

愛人でもあった偉大な音楽家が開いた学校が、欲深い2代目によって広く門戸を開こうとしていることを阻止するため……

犯行現場の止まった腕時計は信用できないって第二話で言ってたのに古畑はそこにこだわるとか、スタンガンを(二度)使って外傷が残らないのかとか、ミステリとしてはちょっと弱い。

高貴な犯罪者に立ち向かう庶民派刑事という構図は、貧しいイタリア移民の子であるコロンボや、マルセイユの裏町でハンバーガーをぱくつきながら、フレンチを味わう麻薬王を追う「フレンチ・コネクション」のポパイ刑事(ジーン・ハックマン)と相似をなしている。もっとも、田村正和のことだからどうしても古畑の方が偉そうに見えちゃうんですけど(^o^)。

この構図をいかして、古畑のまわりに下賤な食べ物を配置。今泉がお腹がすいた古畑のために買ってくるのはコンビニおむすび。

「さけと、おかかと、ウニマヨネーズのどれがいいですか」

古畑が選んだのはウニマヨでした。とどめに、この事件を解決にみちびくのが、例の魚肉ソーセージだったあたり、三谷幸喜のにやつく姿が目に見えるようだ。

ラストの会話が、ダメ押しのようにこの構図をシンボライズ。

古畑:レクイエムを、弾いていただけませんか?
井口:わきまえなさい。

第7話「殺人リハーサル」につづく

コメント (1)
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