事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「ジャージの二人」長島有著 集英社文庫

2008-12-09 | 本と雑誌

41lmvn4jtnl 堺雅人と鮎川誠(!)を父子役に映画化された原作。監督は「アヒルと鴨のコインロッカー」の中村義洋だから観たかったんだけど、庄内じゃ封切るわけもなし(山形ではフォーラムで公開)。

妻の心が離れてしまった屈託をかかえる息子と、そのことに薄々気づきながらも押し黙る父親。ひとつひとつのセリフに意味をこめ、行きつ戻りつするうちに次第に父子の心情が透けて見えてくる。まるでミルフィーユのような手法。

確かに気持ちのいい小説だが、長嶋はそのこと自体にうんざりしているのだとか。いいじゃん気持ちがいいんだから。田舎道で、まるで踊るように携帯の圏内の場所をさがす女の子など、絶妙の描写がうれしい。

「新選組!」以来、「篤姫」とか堺雅人は大河ドラマ御用達だなー☆☆☆★★★

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「クィーン」The Queen (’06 英=仏=伊)

2008-12-09 | 事務職員部報

The_queen_movie ヘレン・ミレン主演 スティーブン・フリアーズ監督

 ダイアナの事故死に右往左往する英国王室の日常。レンジローバーを乗り回し、「シャフトが折れちゃったのよ」とブーたれる老女。こんな女王像をヘレン・ミレンは力を入れないで(そう見えるあたりがうまい)演じてみせる。一般家庭の100倍は面倒そうな葬式準備に出現する嫌みな親戚たち(要するに貴族)とか、君主制への嫌悪をあからさまにするブレアの奥さんとか、立ちながら電話する女王に、さりげなく椅子を差し出す侍従たちとか……細かい演出がみごと。日本人なら、江戸城でも似たようなことが行われているに違いないと想像しながら見ることができる。

「人生のすべてをささげることを誓ったんでしょう?神と国民(your people)に」とハッパをかける皇太后と、領地での鹿狩りしか頭にないエジンバラ公がひたすらおかしい。

08年2月12日付事務職員部報「修学旅行③」より。

コメント (2)
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