堺雅人と鮎川誠(!)を父子役に映画化された原作。監督は「アヒルと鴨のコインロッカー」の中村義洋だから観たかったんだけど、庄内じゃ封切るわけもなし(山形ではフォーラムで公開)。
妻の心が離れてしまった屈託をかかえる息子と、そのことに薄々気づきながらも押し黙る父親。ひとつひとつのセリフに意味をこめ、行きつ戻りつするうちに次第に父子の心情が透けて見えてくる。まるでミルフィーユのような手法。
確かに気持ちのいい小説だが、長嶋はそのこと自体にうんざりしているのだとか。いいじゃん気持ちがいいんだから。田舎道で、まるで踊るように携帯の圏内の場所をさがす女の子など、絶妙の描写がうれしい。
「新選組!」以来、「篤姫」とか堺雅人は大河ドラマ御用達だなー☆☆☆★★★