12月期末勤勉手当特集号はあまりにもやばいのでアップしてません。年末調整関係はこちら。
今回は酒田プロパーなネタなんでアップするかは迷ったんですけど……
1月1日から、酒田市の小中学校が使用する【郵券受払簿】の様式が変わることになりました。
(例によってExcelの図は割愛)
「どこも変わってないじゃないか。」
やっぱりそうきたか。よく見てください。最大の変更点は、右上に事務担当者と校長の確認印の欄がつくられたことです。つまりこれからは、切手の使用について照合を毎月行うことになったのです。おまけに使用者名と使用理由、累計なんてスペースまで……
気になったので他の市町村や県がどんな管理を行っているか確かめてみると、まさに千差万別でした。
・受払簿(郵券簿、管理簿、と呼び方もさまざま)に職員が記入し、差し引きの記入も行うオトナ方式(多数)。
・受払簿自体が事務職員の机にある一元管理方式。
・事務職員がいないときには郵券使用禁止の恐怖政治方式。
・枚数ではなくて金額で管理する帳簿方式。
・役場に持参して“郵送してもらう”後納方式。
・受払簿を見たことがない。
市町村合併もあって、同じ酒田市でもやり方が違っていることに監査側が反応したのが変更の一因ではあるでしょう。しかし背景に見えるのはどうしたって“不正防止”です。
……酒田市の小学校にはほぼ十年に一回、市の監査委員がやってきます。監査では、必ず、それはもう必ず切手の枚数はカウントされます。監査ズレした不良事務職員は、そんなとき内心ホッとして「しめた」と考えます。だってそんな単純な照合は事前に終えているに決まっているので。
向こうもわかっているはずなのに、なぜ照合を行うか。それは、郵券こそがいちばん簡単な不祥事の温床だからです。
説明しましょう。基本的に、官公庁にはあまり現金は置かないことになっています。ところが、郵券や印紙、証紙などはいちいち買いに行っては事務が滞ってしまいますから、どうしてもストックが発生する。そこでこんな極端な事例が。
当該職員は、ある区役所の介護保険を担当する課に異動しまして経理事務を担当しました。当該の課は年間数百万の郵券を取り扱っておりまして、職員はその郵券を職場から持ち出し、金券ショップで換金し着服していたというものでございます。異動2年目の13年の末に20万円着服、14年度は約200万円、15年度には約580万円、そして16年度は当初だけで約230万円と、年々エスカレートさせていったところで、昨年の7月に郵便局からの連絡が入り判明したものであります。職員については告訴し、起訴され、現在公判中であります。接見において全額弁済の意志を表明しておりますが、本年3月、懲戒免職処分としました。
シンポジウム「公会計監査の原点」の事例より
……やれやれ。とりあえず、痛くもない腹をさぐられるのも嫌なので、本校も一元管理的色彩を強めることにします。金庫の郵券の棚に「使用者名」「送付先」「使用枚数」を記入するメモを用意しておきますので、事務職員が不在の時は必ず記入しておいてください。
「めんどくせー」
泣きたいのはこっちなのでそう言わずにガマンしてください。要するに【郵券】とはすなわち【金券】でもあるのですから。
やる気をそぐようですがウチには切手代は××,000円しか配当されてないんですけどね。だいたい、何が悲しいといって切手を一枚なめると2キロカロリー摂取するので事務職員が太る(T_T)。
09年1月号「いい話と悪い話」につづく。
いかにも浅田次郎らしい泣かせの表題作もいい。しかしわたしは、太陽暦を採用する新政府に抗うことで武士であることを示す「西を向く侍」(ニシムクサムライ、です。うまいタイトル)の切れ味を買う。時代小説であることで、読者の側も浅田の「うまさ」を嫌みなく受け取ることができるのだ。それにしても、太陽暦の採用が明治政府の財政が払底していたから(一ヶ月分の公務員給与が浮く)とは知らなんだー。
太陽暦が日本の商習慣とまったく相容れなかったこともお勉強できます☆☆☆★★★