エピソード7特集はこちら。
人はだいたい、自分がなりたいようになる。少なくともそうなろうと努力する。わたしは年末に
・地元の映画館で(といってもクルマで40分もかかる)
・スターウォーズの新作を見て(観客はわたしを入れても2名だったが)
・ドイツ車にのって(13年落ちで15万キロ走ってるゴルフだけど)
・ダッフルコートを着ている(ユニクロ)
……若いころに、そういう中年になれたらいいな、というおおよその姿にはなれていると、このスピンオフを見て思った。急に思ってしまった。まあ、理想からはかけ離れてはいるけれど、こんなものかな。
というのも、長年このシリーズにつき合ってきて、だからこそしみじみ味わえる年寄り向けのお楽しみが仕込んであったから。設定が、第一作、エピソード4の10分前までの物語なのでなおさら。エピソード3.9。というか3.999くらい。
・デススターとともに死んだ設定の故ピーター・カッシングが動いてる!(CGらしい)
・「彼女」とだけ形容される女性が、若き日と同じルックスで登場!(そっくりさん+メイク+CGだとか)
・ダースベイダーの声がジェームズ・アール・ジョーンズとはっ!(まだ彼は生きてるってば)
「星間戦争」というタイトルなのだから、戦争映画であることは宣言されているわけだけれども、しかし今回はなかなか陰惨な話ではある。主戦場はまるで「地獄の黙示録」におけるキルゴア中佐の爆撃現場。ナパームの匂いがしそうだ。
前半はまどろっこしくてどうなることかと思ったけれど、最後の最後にダースベイダーが驚愕の強さを見せつけてくれるのでうれしくなる。ロボット三原則をことごとく破っているK-2SOが、西部劇のガンマンのように動くのも笑わせる。
うちに帰ったら、“彼女”であるレイア姫を演じていたキャリー・フィッシャーの訃報。怒涛の人生を送った彼女は、なりたい自分になれたんだろうか。