第1回「井伊谷の少女」はこちら。
初回の視聴率は16.9%。これを健闘と報ずるメディアもあれば、「花燃ゆ」の悪夢再来とするところもある。わたしは、予想を下回ったとはいえ、とった方だと思う。
というのも、大河ドラマは(数々のオリジナルキャラもいたけれど)視聴者のほとんどが知っているネタを、どんな役者が、どんな味付けで見せてくれるかという歌舞伎っぽい見方がやっぱり主流。
井伊直虎という、ほとんど誰も知らない、誰とも結婚しない女性を主人公にもってきたのだから、前半は苦しい。そのあたりを森下佳子さんがどうしのぐかが見どころかと……
うー、必死で冷静ぶってますが、あの子役(と乳母)はしかしなんとかなんないですか(笑)。男の子ふたりは、まあわかる。しかし肝心の主役があれでは。
「なんかこの子、世良公則に似てない?」
日本中でこんなことを言っているのはうちだけでしょうか。将来ステージでマイクふりまわすんでしょうか直虎。
でも世間的には好評なんですよね彼女の演技って。こちらは成人の日に「湯を沸かすほどの熱い愛」を見て、驚異的な子役演技を見せつけられたので(あの妹役はすごい)、大河との差には考えこまされました。
「わたし的にはよかったなあ。と言っても、ドラマではなく、山城の感じが。この辺だと、来生氏の観音寺城とか池田氏の朝日山城くらいなんだろうなあ。」
おなじみ、城マニア読者はこういう観点で見ています。このあたりにもけっこうあったんだね。
ムロツヨシ登場。変な魔法を使うこともなく、こすい男として。村人のほどこしによって生きている彼に、どうして村人が衣食を与えているかは戦国っぽい残酷さ。
主役(と乳母)を代表として、わかりやすい書き割りのような演技が基調のこのドラマで、悪辣な筆頭家老の吹越満だけが渋い。自分の息子とも不仲であるあたり、いいですな。視聴率は微妙。15%台ということで。
第3回「おとわ危機一髪」につづく。