第3回「おとわ危機一髪」はこちら。
前回の視聴率は、裏のDASH島スペシャルの影響もあってか14.3%と降下。ようやく調子が出てきたのにな。
なにはともあれ、こまっしゃくれた子役(と乳母も?)とは今週でお別れ。なにしろ彼女は“大好評”だそうだから、回想シーンでは何度も登場するでしょうが。うううわかんない。
出家して厳しい禅の修行の過程で、鼻っ柱を折られつづけるのには、南渓和尚(小林薫)とは違う意味でよかったよかったと安堵。市原隼人よ、もっとぶん投げろ!(学校事務職員にあるまじき発言)。あの調子で一年間突っ走られたのではかなわんし。
もっとも、剃髪したおとわは、四週目にしてちょっと可愛くも思えてくる。
「こうやって髪をおろすと、確かに柴咲コウに見えて来ますね」
「あたしには世良公則としか」
うちの女性陣は言いたいことを。
「この子の頭は、わさびを摺りおろすあれに似てるね」
わたしがいちばんひどい。
森下脚本は、人情噺を語らせたら並ぶものなし。しかもセリフに二重の意味をたっぷり仕込むものだから聞き逃せない。寺から逃げ帰ったおとわに母親(財前直見)が、心ならずも叱りつけて追い返すルーティンの直後に、本音を建て前に見せて夫を罵倒するあたりはいかにも森下流。
くわえて、筆頭家老の専横に、彼を仇討ちしようとする武士があらわれたことを利用しようと色めき立つ家臣をよそに、井伊直盛(杉本哲太)は花を活けながら考えこむ。
「殿、花をそろそろ替えなければなりませんな」
「うむ。替えなければな」
彼の心をシンボライズする、“花を替える”こととは……
大河ドラマで男が生け花をするシーンは「太平記」の佐々木道誉以来だろうか。豪放磊落な道誉の花、優しげな直盛の花……近ごろわたしもチャレンジしているんだけど、どうしても根性の曲がった花になってしまいます。花は人なり。
柴咲コウ登場の来週に期待して、今回は15%台復帰と読みました。
第5回「亀之丞帰る」につづく。