事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

明細書を見ろ!2014年5月号PART1「六年後」

2014-05-20 | 明細書を見ろ!(事務だより)

Pulpfictionimg01 2014年4月号「景気のいい話」はこちら

※今回はわたしが特定されそうなので(今さらねえ)表もなしでお送りします。よろしく。

酒田市教育委員会の学区改編室が「教育人口統計」なる資料を発表しました。そのなかに、年度別の学校ごとの児童生徒数の予想が含まれていて(なにしろ学区改編室の資料ですもの)、その数字に驚かされます。ガリレオこと湯川准教授なら「実に面白い」とつぶやくであろうほどに。

どこもかしこも順調に減りやがって、とあきれるほどですが、しかしよく見てください。本校はさほど減らないと予想されています。いったいそれはなぜなのか。

小学校の数値を見て納得。K小などは漸減していくのに、ひとりM小学校だけはむしろどんどん児童数が増えていくのです(平成28年度から600人台で推移)。どんな理由なのでしょう。よそ者の湯川准教授なら「さっぱりわからない」かな。

おそらくは学区内にベビーブーマーが発生するような新興住宅街が……あ、あそこか。あそこだな。東の方ね。とりあえずわたしはT島の数字だけを注視しております。

PART2「16円」につづく。画像は、時系列の魔術師タランティーノの傑作「パルプ・フィクション」。英語の威力って、確かにある。

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軍師官兵衛~第二十話「囚われの軍師」

2014-05-18 | テレビ番組

Kudoasukaimg01 第十九話「非情の罠」はこちら

前回の視聴率は予想を下回って13.7%。ふむ。TBSがかました二匹目のドジョウ「ルーズヴェルト・ゲーム」とタメ。本当に視聴率というのはよくわからないのでした。で、あのドラマにどっかで見たことのある役者が……工藤阿須加。どこで見たんだっけ。あ、「八重の桜」の三郎じゃん!かくのごとく記憶力が減退するなかでお送りしております。よろしく。

さて今回は、ふたつの出来事がリフレインの形で提供されています。

小寺の人質という形で織田に供された松寿丸(黒田長政)は、だからルールどおりならすぐに誅殺されるはず。しかしまだ官兵衛の生死も分明ではないから後回しにされる。母代わりのおねは、長政が不憫でならない。

黒田家にいる小寺の関係者は、気持ちとして黒田から離れており、小寺に帰りたい。ということで後藤又兵衛もまた黒田を離れざるをえない。しかし、彼は黒田に残りたいと号泣。光は彼を抱きかかえて……

合わせ鏡のようになっていますね。

高山右近は武門の習いとして荒木村重につく。しかし、キリシタンとしての矜持があるために織田に……

もうひとりのキリシタンである黒田官兵衛は、だし(ほんとに使えないんだから)の手引きで牢抜けするが、あっさり村重につかまり、NHKが自慢する土牢セットに押しこめられる。まあ、ここまで劣悪な環境だと、確かにのちの展開は納得できますわね。なにしろよく考えたらこの人はこの二週間で父と妻と家来と主君に見限られている。そりゃーニヒるわ。

片岡鶴太郎は鼻水を流し、中谷美紀は唾を飛ばし、柴田恭兵は涙ボロボロという激しい回でした。今度こそ14%にのるかな。

徳川家康役があの人に決まったり、二年後の大河が三谷幸喜の「真田丸」に決まったりと大河周辺は派手な話題が。でもわたし、意地でも来年の長州のお話は見ないことに決めておりますよ!そーんな上司へのおべっかみたいなドラマを誰が見るかよ。

第二十一話「松寿丸の命」につづく

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「誰かに教えたくなるアレの統計・確率」PART2

2014-05-17 | うんちく・小ネタ

PART1はこちら

・25~34才の未婚男性が童貞の割合……29.6%

 ノーコメント。

・40~44才の未婚男性が童貞の割合……7.9%

 ノーコメント!

・49才までの夫婦がセックスレスである確率……41.3%

……どうコメントしてもあぶない。こっち系じゃない話題にいきましょう。

・パソコンで一度も押したことのないキーがある人の割合……75.5%

Pcscrolllock え、逆に24.5%の人はすべてのキーを押したことがあるのか(統計学上、それは違うだろうが)。わたしはもちろん多数派。えーと、ちょっと押してみよう。なんだこのScroll Lockって。どんな機能なのかさっぱりわからん。調べてみよう。

たとえばExcelでは、表の中でセルを選択(アクティブ)にしてからスクロールロックをオンにすると、カーソルキーなどでスクロールを行っても、セルの選択(アクティブなセル)が移動しない。つまり現在のグラフィカルユーザインタフェース環境におけるスクロールバー操作やマウスホイールと同じ事が、キーボードだけでできる。

……意味がわかんねーよっ!Page Up Page Down もさわったことないな。押してみると…………うわっ!便利じゃん。いままでマウスや→で操作していたのがバカみたいにカーソルが高速で移動できる。すみませんわたしだけですか知らなかったの。

Pcwindowskey おや?なんだこのウィンドウズのマークが入ったキーは。押してみよう。おやおや、OSが8になった途端にわけわかんなくなったと噂のスタートボタンといっしょの機能か。他にもいろんな用途に使えるみたい。あやー、なんかもういろんな便利機能がバシバシあったのにわたしはそれを(T_T)

とか言いながら、別に使わなくてもなんとかなってきたわけで、変な意欲は間違いのもとかと。あ、そういうことだから童貞率が……以下次号

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「アナと雪の女王」Frozen (2013 Disney)

2014-05-16 | アニメ・コミック・ゲーム

Frozenimg01 並のヒットじゃない。

公開当初は「70億もねらえる!」レベル。ハリウッドの作品に客が入らないこのご時世に、それでも十分に立派な数字。ところがところが、それこそ雪だるまつくろう!的に観客は増え続け、先週末でついに170億円超え。こうなると次の目標は200億円で「もののけ姫」を抜けるかだ。抜くだろうな。

映画というのは公開初週がいちばん動員が多くて、作品の出来によって動員が落ちていくカーブの角度が違う。だから最初の週末の数字で興行成績の予測がつくわけ。でも「アナと雪の女王」の動員は、ほぼフラットに推移している。これは驚異的。

いくつか要因はある。誰にも頼まれていないのに考察すると

・作品がなにしろ面白い。ミュージカルだと曲が入ることでテンポが落ちる、というか意図的に落とすのが普通なのに、この作品は曲がはじまるとスピードが逆に増す。

・楽曲のレベルの高さは特筆もので、ご存じLet It Goはもちろん、同時上映のミッキーマウスの短篇が終わったとたんに聞こえるコーラスもすばらしい。語尾の母音にまで気を使っている日本語訳もていねいだ(その点、「アメイジング・スパイダーマン2」の翻訳は……)。松たか子と神田沙也加の吹替もおみごとだし。

ディズニーアンデルセン、アカデミー賞受賞という信頼のブランドが世の母親たちに効いた。子どもの目に悪いのではと3Dをあまり前面に出さなかったことも奏功した。

……でも、いくら面白くて出来が良くてもヒットしない作品も多いのが現状。実は内在する破天荒さが大ヒットにつながったのではないかとわたしはにらんでいる。

というのも、主人公の姉妹たちはちょっと無茶なのである。知り合った当日に結婚を決めてしまう妹(だから彼女は痛い思いをする)がヤンキー入ってるのはもちろん、心象風景がそのまま氷として実体化してしまう姉は、その力のコントロールを自らやめてしまう。

♪ありのぉ~ままでぇ!♪

と訳すからポジティブに聞こえるけれど、Let It Goを直訳すれば

「んもうやっちゃいましょうよ!」

じゃん。この乱暴さが、子どもだけでなく、大人にもうけた理由ではないかと。わたしは少なくとも「しょーがねーなこの姉妹は」と思いつつも、だからこそキュートだと満足。中年男がひとりでこれを見るのはかなり勇気がいりましたが、その甲斐はありました。

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「誰かに教えたくなるアレの統計・確率」PART1

2014-05-15 | うんちく・小ネタ

Are_kantou_6kou2_2 宝島社というのは不思議な存在で、革マルの闘士だった社長のもと、アンダーグラウンドやサブカルにめっぽう強いところを見せるかと思えば、豪華おまけ路線で女性誌の売り上げを伸ばすなど、なんか、得体は知れないが元気はいい感じ。

わたしにとっては「このミステリーがすごい!」の出版社だけれど、それ以前は別冊宝島というムックを何冊も何冊も読んだものだっけ(というか、「このミス」だって実は別冊宝島の一環だったのである)。

題材や切り口が、たとえば総合誌などと歴然と違っていたのと同時に、有能なライターやイラストレイター、そして有能な編集者をかかえて突っ走っていた。

そんな別冊宝島は今どんな特集を組んでいるのかな?おっと、「誰かに教えたくなる統計・確率」ときたか。なんか、面白そうだ。わたしも教えたくなっちゃいました。

内容は、どこから引っぱり出してきたかあやしいものだが、誰もが気にしながら、しかしどんな確率でものごとが行われているかをどんどん紹介している。まあ、VOW(お若い読者はご存じないかも)の会社のことなので、しゃれとして受け取ってもらえれば。

・夫が浮気をしている確率……55.2%

いきなりだけど嘘だろう!「夫が浮気をしたことがある」確率ならばともかく(ともかくじゃないか)、半数以上の夫は妻以外の女性と現在形でそういうことになっているというのだ(笑)。

みなさんの職場はいかがですか。お盛んですか。わたしの身の回りを見渡して………………まさか。まさかまさか。っていうか男性読者諸君!きみたちはひょっとして。あ、どうしておれは怒っているんだろう。

・キャビンアテンダントが関西外国語大学出身である確率……9%

ほお。この大学はとにかくひたすら語学をみがく方針らしく、しかも毎年CA採用数全国トップなのだとか。これはほんとにお勉強になる。ちなみに、CAは和製英語。ほんとはフライトアテンダントですってよ。なんでこんな生意気な言葉が和製英語なんだよ!以下次号

誰かに教えたくなるアレの統計・確率 誰かに教えたくなるアレの統計・確率
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「東映ゲリラ戦記」 鈴木則文著 筑摩書房

2014-05-14 | 芸能ネタ

51ohjjub0cl_sl500_aa300_ 鈴木則文(のりふみだとばかり思っていましたが、のりぶみが正しい)は、わたしの世代にとっては圧倒的に「トラック野郎」の監督。75年から79年にかけて公開され、大ヒットを記録したこのシリーズを、実はわたし、一本も見ていません。

菅原文太は大好きだし、下品なのもかまわない。寅さんの二番煎じなのもかまいはしない(なにしろわたしは寅さん嫌いも広言していたし)。でもね、わたしは文太とコンビを組んだ愛川欽也がどうしてもダメだったの。

まあ、それはともかくこの「東映ゲリラ戦記」には、そのトラック野郎でヒット監督となる前、東映がなにをやっても客が入らずに悪戦苦闘していたころ、彼が会社に命ぜられて放ったB級、C級作品のことがつづられている。いやあさすが東映、めちゃめちゃです。エピソードがそれぞれ笑える。

・天尾完次プロデューサーに週刊誌のグラビアを見せて

「おい、エリザベス・テーラーがおるぞ」

と見せたのが池玲子。もうひとりの妹役もついでに連れてきた。なんと杉本美樹。しかし撮影時に池玲子は16才だったので、2才“さばをよんで”18才ということにした。

・その作品名「温泉たこつぼ芸者」は、岡田茂社長の鶴の一声で「温泉みみず芸者」に変更。

・「現代ポルノ伝 先天性淫婦」の撮影のため来日したサンドラ・ジュリアンは、日本の風習である前貼りに「なぜそんな不自然なことをするのか。アンダーヘアだって人間の体の一部ではないか」と拒否。池玲子たちもそれにならった。

・東映京都撮影所所属のベテラン女優牧淳子が杉本美樹の時代劇における所作を猛特訓。しかしそれ以上にベッドシーンの指導がおみごとなので殺陣師(たてし)ならぬヨコ師と呼ばれた。

・実写版「ドカベン」においてデビューしたのが永島敏行。

・他にも志穂美悦子、真田広之、多岐川裕美の売り出しに成功。もっとも失敗例も多数(笑)。

……とにかく東映という会社がアナーキーなのは、これまで「嗚呼!活動屋群像」、「シネマの極道」、「昭和の劇」で特集してきたように、作り手の回想がやたらに面白いという一点でも理解できますね。

東映ゲリラ戦記 (単行本) 東映ゲリラ戦記 (単行本)
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「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」Vol.5

2014-05-13 | 芸能ネタ

Shibatayumikoimg01 PART4はこちら

もちろん、出てきただけで笑わせるルックス勝負の人たちもいる。

・増谷キートン

RIKACOの微妙なしぐさもおかしかったが、なんといっても浅田真央だろう。スタッフがゆっくりと回す盤の上で(スピンしているものだから)次第に顔がゆがんでいくあたりの描写には死んだ。

・キャベツ確認中のしまぞう

このような形で辻元清美議員にお会いするとは(笑)

・なかのよいこ

上目遣い&ちょい舌だしで浅野温子を眼前に出現させる。え、この人って劇団ひとりの元カノだったの?知らなかった-。

……かと思えば徹底的に練り上げられた芸が真骨頂の人も。平泉成(これまたものまねしようなどとは誰も思いつかない)を演じる末吉くんには明らかに平泉自身が入っているのだし、なぎらけんいちの都会人らしい乱暴さを軽くやってみせる古賀シュウについては、「あたしはあんなに舌足らずじゃない!」と長島三奈は激怒しているとか。

そんなバラエティ豊かなこのコーナーで、わたしがもっとも好きなのはアンジェラ・アキがいかにコンサートで饒舌かを証明した柴田由美子だ。このラジオアナウンサーはすごい。特に、ためにためた芝居をする真矢みきは絶品。

「あ、今日のごはんはね………………………………玄米なの

死ぬ(笑)

そして、おそらくはものまね史上もっとも過激なネタを展開したのがアップダウンの阿部浩貴。経堂のコンビニ店員のまね(なのかホントに)は、何が何だかわからないけれど「前衛」とか「極北」としか形容できない。それぞれ、こう聞こえるというのだ。

「いらっしゃいませ」が「エアロスミス」

「ストローお付けしますか」が「スタローンあいつ消しますか」

「ありがとうございました」が「アランドロン不在でした」

「またお越しくださいませ」が「村おこし来るスタンハンセン」

「こちら温めますか?」が「越中対タイガーマスク」

……聞こえるんだよなあ(笑)。

またいつか阿部のような、それまでの範疇から逸脱する新人が出てくることを期待して、細かすぎて伝わらないモノマネ選手権をわたしは見続ける。今度のオンエアはいつですかっ!?

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「猫侍」 (2014 AMGエンタテインメント)

2014-05-12 | 邦画

Nekozamuraiimg01 へとへとに疲れて帰宅し、車庫の扉を閉めると、遠くからニャーと鳴きながらうちの猫は全力で走ってくる。そうかそうかそんなに俺の帰りを待っていてくれたのか。

ジーンとなってなでてやろうと身構えると、いきなり方向変換してそっぽを向いたりする。敵はなかなかのタマである。いや名前はタマじゃなくて伊織ですけど。

もう8才なので老境に近いのだろうが、旅先で「会いたいなー」と思うのは息子や娘ではなく、妻でもなく(ないしょにしてね)もちろん父でもなく、この伊織だ。

布団のなかに侵入してきて、やすらかに眠っている姿を見ると

「愛いやつ」

と時代劇のようなセリフが出てきてしまう。

「猫侍」の成功は、誰よりも脂っこい顔である北村一輝に猫を抱かせようと企画した瞬間から約束されていた。それはもう見事なくらいにはまっている。

剣の腕は一流。かつて人斬りと怖れられ、指南役までつとめた侍が、ある理由で浪人となる。それは、彼が突然人を斬れなくなったから。ということでこの作品は山本周五郎の「ひとごろし」(主演松田優作)、中野裕之の諸作(「RED SHADOW 赤影」「SFサムライ・フィクション」)、松本人志の「さや侍」のような、殺さずの系譜につらなっている。

対立するやくざの真ん中に腕利きの素浪人、とくれば誰だって黒澤明の「用心棒」を連想する。三船敏郎はそれこそバッサバッサとやくざを斬り捨てたが、北村一輝が演じる斑目(まだらめ)久太郎はそうはいかない。しかも左手には猫までかかえている。絶体絶命。

しかし、そんな斑目を救ったのは……

TVKとかBSフジとかマイナーな局が金を出し、撮影は日光江戸村オンリー。キャストも地味だし(齋藤洋介は年を取りましたねえ……あ、むかしからあんな感じだったか)、安手の印象はもちろんぬぐえない。でも、テーマソングは真心ブラザーズだし、高らかにひとつのテーマをうたいあげている点で必見です。

曰く「人間は猫のもとに平等!」

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軍師官兵衛~第十九話「非情の罠」

2014-05-11 | テレビ番組

Koasaimg01 第十八話「裏切る理由」はこちら

前回の視聴率は予想をはるかに下回って12.3%と急降下。裏番組のせい?いやいや日テレ鉄壁日曜ゴールデン組もいっせいに下がっている。GWとはそんなものなのでしょうか。

今回はいよいよ謀反を起こした荒木村重への対応。秀吉と明智光秀という微妙なふたりが摂津に説得に向かう。

「静かじゃのう」

静かだと謀反を疑われるぞと秀吉は経験談。そこへやってきた村重はむしろ誇らしげに謀反なのだと宣言。いいのかおぬしら、信長の下で働いていて……うなだれる小朝。いかにも弱気な風情であるあたりで、彼のこれからの落語家人生に絶対にプラスだと思います。絶対です。元嫁のお母さんにもその感じだったんですか春風亭。「金曜日の中華街」はわたしも大好きな曲ですよ。すいませんよけいなことでした。

御着の殿(鶴太郎)がこれを機に毛利につくとの知らせ。例によって動揺する官兵衛。何度くりかえされたことであろう。ここから官兵衛が小寺、村重を説得する行脚が。

絶対に正論しか言わない竹中半兵衛は、摂津には行くなと。しかし官兵衛は……

ダークサイドに堕ちる前の最後の回なのかな。

信長嫌いだと明言するわたしの妻は(別に首をフラフラさせている俳優のせいではないらしいです)

「で、荒木村重って、悪い人なの?」

えーと、えーと、よくわかりません。信長も秀吉も、そして官兵衛だって悪い人なのかよくわかんない。しかしこのドラマで明確なのは、部下が優秀か無能かで天地の差がありますよと。そうかもね(あっさり)。

コント芝居の俳優と、ひねりのある役者の違いが如実に出た回でもある。大河は、そのどちらもを受け止めるドラマなので、はいはいと思ってはいますけれども(なにしろ「天と地と」のとき、石坂浩二はまだ慶応の学生だったんですってよ奥様!)。

今回の視聴率はどうなんでしょう。裏切りとか策謀とか怨恨とか、そういうタイトルは……わりとみんな好きかな。14%台?

第二十話「囚われの軍師」につづく

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「うしろ姿」 志水辰夫著 文春文庫

2014-05-10 | 本と雑誌

Usirosugatab002 再読。志水辰夫らしい苦みと、切れ味と、そしてほんの少しの甘みが味わえる短編集。それぞれの主人公が、世間から少なからず逸脱しているあたりが例によってハードボイルド。

もっとも長い「ひょーっ!」(なんと秀逸なタイトルだろう)は、こんな話だ。

法律すれすれの商売で財を成した男が、末期の姉を見舞う。すでに昏睡状態の彼女に、男は昔を思い返しながら語りかける。

壮絶な過去。酒乱の父。暴力に耐えかねて消える母親。淫売に身を堕として家計を支える姉に、なおもたかり続ける父親を姉弟は……

姉はもちろん死にゆく身体だが、男もどこかで死を覚悟している。そのさじ加減が絶妙です。

三十三回忌を迎え、生活と男に疲れた女性が母親の遺骨を掘り返してもらう「もう来ない」では、その墓掘り人夫が、行方知れずだった父親であることを、一瞬の手のふれ合いで悟る。

そうです、チャップリンの「街の灯」をここまでみごとに引用するとは。しかも志水らしく、彼女は父親であることを察しながら、名乗り合うこともなく乾いた別れを選ぶ。ううう渋い。

「うしろ姿」というタイトルに象徴されるように、登場人物たちはすべて自分の時代は終わったと感じている。その諦念と、下り坂をゆっくりと、しかししっかりと下りる意地の共存。

「こんな形の小説を書くのはこれが最後になる」と志水はあとがきで語る。わたしはこの作品集に感動しながら、しかし片側でうれしくもある。

だって次のステージが「青に候」「みのたけの春」「夜去り川」そして蓬莱屋シリーズという、最高の時代小説群なのを知っているので。ああ、しあわせ。

うしろ姿 (文春文庫) うしろ姿 (文春文庫)
価格:¥ 596(税込)
発売日:2008-06-10

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