上高地へトンボを探しに・・・
8月はオリンピック開催の関連で「山の日」の祭日が、11日から8日に変更になり三連休。初日は、実家の両親、そしてコロナで今は日本にいるカリフォルニア州公認の会計士である妹二人と共にご先祖様の墓参り。
翌日8日の日曜日は、台風9号と10号の“ダブル台風 ”が西日本と東日本それぞれに近づく予報で警戒が必要だったが、長野県上高地は天気予報に晴れマークが出ていた。今月一番の目標は、本州では生息地が極めて局所的であるトンボの生息地探索と撮影であり、天気が良ければチャンスを無駄にしたくない。東京都内では新型コロナの新規感染者が5日連続で4,000人を超える緊急事態ではあるが、いつものように感染対策を万全にして単独で上高地へと向かった。2016年7月にオオイチモンジを撮影して以来5年ぶりである。
8日午前2時過ぎに自宅を出発。中央道は土砂降り。八王子の料金所を過ぎて約2km進むと、追い越し車線を猛スピードで走ってくる車のライトがバックミラーに見えた。まもなく、走行車線を走っている私の車の前すれすれに割り込んできたと思ったら、そのまま左の壁に激突。火花をあげながら派手にスピンしてクラッシュ。50km規制の土砂降りなのに130kmは出していただろう。自業自得の無謀なスバルの白い乗用車に危うく巻き込まれるところであった。将に危機一髪。自動ブレーキの助けもあり難を逃れた。
諏訪ICからは雨は止んでおり、松本ICで降りると星が見えていた。無事に沢渡バスターミナルの駐車場に5時半到着。準備を済ませ6時発の上高地行きシャトルバスに乗り込んだ。乗車人数は15人であった。ちなみに料金は片道1,300円。タクシーに乗ると片道3,900円も掛かる。
大正池でバスを降り、池畔へ。朝霧漂う幻想的な大正池。この光景は2016年にも見ているが、当時はタクシーに乗っており、運転手さんが「写真を撮るために停めましょうか?」と気を遣ってくれたにも関わらず、オオイチモンジ狙いで先を急いでいたので、大正池は素通りしていた。今回、偶然にも同じような光景に出会うことができ、5年前の後悔の念を払拭することができた。ただし、残念なことにトンボが主目的であったため、カメラはAPS-Cサイズの昆虫用として使っているカメラに、標準レンズの代わりに付けている魚眼レンズでの撮影。薄っぺらいデジタル的な写真になってしまったが仕方ない。
次に向かったのは田代池。2013年1月5日にマイナス23℃の中、徒歩で上高地入りして「霧氷の田代池」を撮影して以来である。そして本命の田代湿原。7時半から10時過ぎまでの間で、それらしいトンボが1頭飛んできたが、トンボまでの距離30m以上。近くに来ることなくホバリングもなし。用意してきた300mmレンズで撮ってはみたが、同定できるほど鮮明な写真は撮影できなかった。代わりに羽化して間もないルリボシヤンマを撮影して終了。
河童橋近くのバスターミナルから11時初のシャトルバスで沢渡の駐車場へ戻り、午後からは天候が崩れる予報であったため、そのまま自宅へ直行。15時に帰宅した。
上高地は、30年前に白馬村とともに新婚旅行で訪れた思い出の地でもある。その後は、チョウや風景の撮影で何度も訪れ、特に真冬の上高地は、まさに「神降地」であった。
今回は、台風の影響もあり観光客は少ないだろうと思っていたが、田代湿原ですら時間の経過とともに大勢がひっきりなしにやってきた。夏休みに3連休。コロナ過でも人の流れは増加する。私自身もその中の一人であるが、人が多い時期の上高地では、自然と静かに対峙するのも難しい。朝、中央道で「運」を使い果たしてしまったのか、それとも行いが悪いのか、神は微笑みさえ掛けてくれなかった今回の遠征。また、場所を変えて、難易度の高いトンボを探索してきたいと思う。
以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと拡大表示されます。
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