ムラサキシジミ Arhopala rama (Kollar, [1844]) は、チョウ目シジミチョウ科(Family Theclini)ムラサキシジミ属(Genus Arhopala)属するチョウで国内では、本州、四国、九州、南西諸島に分布する普通種である。翅表が、黒色の広い帯で縁どられた濃い青紫色が特徴である。
成虫で越冬し、越年した母チョウから生まれた卵が成虫になるのは、5月下旬頃からで、以後は連続的に秋まで数回の世代を繰り返す。幼虫の食草はアラカシ、イチイガシ、スダジイなどのブナ科常緑樹で、これらが少ない場所ではクヌギ、コナラなどのブナ科落葉樹も食べるようである。幼虫は、蜜を分泌して数種のアリを誘引する。アミメアリでは脳内ドーパミン量が低下して攻撃的になり巣に帰らず、本種の幼虫を護衛すると言われている。
ムラサキシジミの越冬個体は、秋から陽だまりでよく開翅し、その様子過去に掲載しているが(ムラサキシジミ(オス))、初夏に羽化した個体は、止まっても翅を開くことがほとんどないため、これまで見たことも撮影したことも無かった。しかしながら、今回、偶然にオスの開翅を目撃し写真に収めることができた。掲載写真は羽化したばかりの新鮮な個体のようだ。光の当たり具合による差もあると思うが、越冬個体に比べて翅表の色が濃いように思われる。
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ムラサキシジミ(オス開翅)
Canon EOS 7D / Tokina AT-X 304AF 300mm F4 / 絞り優先AE F8.0 1/400秒 ISO 1250(撮影日:2017.6.11)
ムラサキシジミ(越冬個体の開翅)
Canon EOS 7D / T TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F6.3 1/4000秒 ISO 400 -1/3EV(撮影日:2010.12.04)
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ムラサキシジミは、多摩NT付近の公園でも
見られ、秋から冬でも見られます。
是非、植物探索の折に見つけてください。