ヒメシジミ Plebejus argus (Linnaeus, 1758)は、シジミチョウ科ヒメシジミ属(Plebejus属)のシジミチョウで、北海道には、北海道亜種 Plebejus argus pseudaegon (Butler, [1882]) が広く分布し、本州には、本州・九州亜種 Plebejus argus micrargus (Butler, 1878) が分布しており、山地の高原や渓流沿いの草地で見られる。
食草は、マアザミ、ヤマボクチなどのキク科植物およびタイツリオウギ、イワオウギなどのマメ科植物で、そのほかバラ科、タデ科、ユキノシタ科、ヤナギ科植物も食草となることがあり、
40種にも及んでいる。しかしながら、分布・生息地ともに局所的で、更には幼虫がアリと共生関係にあるため生育場所が安定せず、発生数は減少傾向にある。そのため環境省RDBには準絶滅危惧に、多くの都道府県のRDBに絶滅危惧Ⅰ類、絶滅危惧Ⅱ類として記載しており、東京都、神奈川県、九州では絶滅している。
ヒメシジミは、個体の大きさや翅の斑紋と色に地域特性や個体差が見られる。発生地の気象条件、環境条件、食草の種類や発生量、摂食期間、共生アリとの関係、遺伝形質などが要因となり、また蛹時の鱗粉が形成される際に急激な気温の変化が起きると「斑紋異常」になりやすいと言われている。
翅表では、クロヘリ型、クロテン型、朝日型等の地域変異が確認されており、翅裏では、これまでないと言われていたオレンジ帯の黒斑にある水色の構造色が、富山県の個体ではあることを
確認している。(尚、富山県に於けるヒメシジミは、標高600m以上の山間部及び渓谷部に生息しているが、今回撮影した場所は標高210mであり、たいへん貴重な記録である。)
各地に遠征した際に、草原では頻繁に目撃するヒメシジミ。興味のない者にとっては、気を留めることにないただの小さなチョウだが、私は、地域特性を記録に収めておきたいと思い、どこにいっても見かければ撮影している。
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ヒメシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 500 +1(撮影地:富山県黒部市 2016.5.28)
ヒメシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F5.6 1/320秒 ISO 200(撮影地:新潟県十日町市 2014.7.5)
ヒメシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 500 -1/3EV(撮影地:長野県諏訪市霧ヶ峰 2014.7.12)
ヒメシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/320秒 ISO 320(撮影地:長野県諏訪市霧ヶ峰 2014.7.12)
ヒメシジミ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 500(撮影地:富山県黒部市 2016.5.28)
ヒメシジミ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F6.3 1/250秒 ISO 320 -/3EV(撮影地:長野県諏訪市霧ヶ峰 2014.7.12)
ヒメシジミの交尾
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F11 1/250秒 ISO 2500(撮影地:長野県松本市上高地 2016.7.10)
ヒメシジミ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO
絞り優先AE F11 1/200秒 ISO 320 +1EV(撮影地:長野県松本市上高地 2016.7.10)
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最後の1枚、白い花の上で集まって(?)
蜜を吸う様子、青い翅がとても綺麗に見えて
素敵ですね。
色々な青と紋様があるのですね。
コメントありがとうございます。
最後の写真は、上高地で撮ったものですが、
この白い花(名前は分かりません)に
群がっていたのが印象的でした。
チョウを撮るというのではなく、
色彩の美しい風景を撮る感覚でシャッターを切りました。