お寺のオバサンのひとりごと

心のマッサージにお寺へ行こう!

サスペンスドラマで

2007年11月23日 | 仏教
 ドラマを見ていて、いつも「う~ん」と、気になること。

 サスペンスドラマでのシーンに多いのですが・・・

 ご家族が亡くなられ、(お仏壇がないために)小さな壇に白い布をかけ、遺影やお骨を安置、その前にロウソク、お香、花立て、リンを置いて

 お参りに来た人(主人公の刑事・探偵だとか、遺族の友人だとか)が、リンをチリンチリンと打って、遺影に手を合わせるシーン。

 本当は(つまり、仏教から言えば)あれは、ちょっと、違うのですよ

 何がって・・・それは、ご本尊がないこと

 一般的な日本人の心情としては、「ご本尊なんか関係ない 私は、亡くなった方のためにお参りしているんだから」と、いう気持ちでしょうが・・・

 じゃあ、何のためにロウソクを灯し、お線香を上げ、お花を飾り、合掌・礼拝するのか・・・亡くなった人を慰めるため  いや、それは、全然違います。あのお飾りは、故人のためではありません。残された私たちのためのもの。
 
 だって、故人は、悟りの世界の「仏さま」であって、私ごときが慰めるお方ではないからです。

 お仏壇もあの白布かけたお飾りの壇も、故人の安置場所というだけの意味ではなく、悟りの世界を象徴するもの
  
 ロウソク:仏さまの智慧の光を象徴するもの
 
  お香:自らが香りで心静かになると共に、清らかな悟りの世界(浄土)を想う ためのもの

  お花:悟りの世界の美しさを表したもの

  キン:お経を唱える時に打つもの


 私が、浄土(悟りの世界)を想い、仏さま(故人も尊い仏となられた)に心を合わせ、手を合わせる場が、あの(荘厳:しょうごん)・お飾りの意味です。

 ドラマ内は、それっぽく、適当でいいのでしょうが・・・

 現実、ご家族が亡くなられ、ご家庭に仏壇がない場合は、ご本尊(私が人生を歩む指針とする仏道の仏さま)を安置、その前に遺影、遺骨、ロウソク立て・・・というお飾りをなさってくださいませ

 ご本尊・・・浄土真宗の場合、本山から頂くのが正式です。絵像であったり、「南無阿弥陀仏」と書かれた名号の本尊であったりします。(各寺ご住職にご相談ください)

 サスペンスドラマの片平なぎささん や 船越英一郎さんに 被害者の荘厳壇に「ご本尊」も忘れないで~と、画面のこちら側で、つぶやきたくなるお寺のオバサンなのでありました。 
 



 
 
コメント (5)
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